転職活動は、大きくストレスを感じてしまうもののひとつです。
「転職活動、こんなに辛いと思わなかった」
「仕事をしながら、履歴書や面接に追われて疲労がすごい」
「書類落ちばかりでストレスがピーク」
このように、知らず知らずのうちにストレスを感じている方が多いでしょう。
ここでは、転職活動のストレスと向き合い上手に解消する方法を紹介します。
この記事の監修者:一瀬英史さん
- Eustress(ユーストレス)株式会社代表取締役
- 公認心理師 臨床心理士 臨床動作士
- 日本ストレスマネジメント学会認定ストレスマネジメント実践士
- ストレスチェック実施者
- 日本ストレスマネジメント学会学会副理事長
プロフィール
教育領域で、人及び集団心理カウンセリング活動実績を17年、5,000時間以上のキャリアを積む。「子ども達の養育者は労働者であり、私たち労働者には家族がいる。心の健康問題に貢献するために、社員とその家族を大切にする会社や組織の健康経営やメンタルヘルス支援に携わり、社会に心の健康を促進する文化の種を蒔いていこう」と考え、2021年冬至、コロナ禍の山梨県にて起業。
従業員のための総合的なメンタルヘルス支援として、ストレスチェックを含めたストレスマネジメント体験セミナー、ハラスメント防止研修、高ストレス者や復職支援のための心理カウンセリング、災害時における心のケアなどのサービスを提供している。
転職活動におけるストレスとは
転職活動で感じるストレスは、「転職前」「転職活動中」「転職後」に分けることが出来ます。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
転職前
「転職をしたい」と考えるとき、何かしらの不満・不安を抱えていることが殆どだと思います。
- 仕事にやりがいを感じない
- 上司とうまくいかない
- 職場の人間関係に悩みがある
- 給料や休みに不満がある
- いまの職場では成長できない
- リストラをされた
この他にも転職理由として様々なものがあると思いますが、いま置かれている環境・状況から抜け出しより良い環境への変化を求め、仕事・職場で感じているストレスから解放されたいから転職を望むはずです。
その反面、仕事や環境に慣れている職場を離れる不安からのストレスや、退職後に転職活動を始める場合は経済的な不安からのストレスがあります。
転職活動中
いざ転職をしようと決意しても、環境が変わることや転職が上手くいくのか?転職活動をどう進めていけばいいのか?と不安になりストレスを感じやすくなります。
この他にも転職活動を進めて行くにつれ、
- 忙しくて転職活動に充てる時間が確保できない
- 希望に合った転職先が見つからない
- 自分のアピールポイントが分からない
- 書類選考が通らない
- 面接が苦手、緊張する
- 不採用となる
といったように、転職前とはまた異なる大きなストレスを感じる人が多いのが転職活動中です。
一人で転職活動をしていると、効率の良い進め方が分からない時や、判断・決断に迷った時、不採用にショックを受けた時などに、誰かに相談することができません。
すると、孤独や不安、焦りを感じやすくなり、深刻な場合はうつ状態になってしまうこともあります。
不採用通知に落ち込み、そのストレスから解放されたいがために、妥協して転職先を選んでしまう・・・なんてことになれば、転職後もストレスを抱えるスパイラルに陥ってしまいます。
転職について相談する相手が近くにいない場合は、転職エージェントなどの就職支援サービスを利用することも検討しましょう。
孤独を感じることがないだけでなく、採用される確率が高まり、効率的に転職活動が行えます。
転職後
大変な転職活動を乗り越え、晴れて内定を得られた後にも、ストレスは待ち受けています。
- 新しい職場に馴染めるか分からない
- 人間関係がどうか分からない
- 仕事で成果を出せるか不安
- 前の職場の方が良かったかもしれない
職場に馴染めるか、上司はどんな人か、といった新しい環境への不安は、転職後のストレスでよくあるものです。
「前の職場の方が良かったかも・・・」といったような、後悔の気持ちを持ってしまうことも少なくありません。
また、「転職してから約1ヶ月後がストレスのピーク」と言われることもあります。
新しい環境に慣れるために、頑張って周りとコミュニケーションをとったり無理をしてしまうため、1ヶ月あたりでストレスのピークが襲ってくるのです。
ストレスは転職活動を狂わせる?
転職に伴うストレスで、強い不安を感じることがあるでしょう。
不安を感じることは決しておかしいことではありません。むしろ普通の感覚と言うべきでしょう。初めての転職であったなら尚更です。
しかし、不安な気持ちを抱え続けてしまうと、転職活動に悪影響をもたらしてしまう場合もあります。
能力・実績がある人でも、面接での印象が悪く、自信が無さそうと思われてしまうと不採用の可能性があります。
不採用になりショックを受ける→更に不安になる‥このように悪循環のループにはまってしまうと厄介です。
ストレスと上手に向き合うためには?
先ほどもお話ししたように転職に於いて不安な気持ちを持つことは誰にでもあることであり、全く不安を感じずに転職を進めていくことは出来ないと思います。
それならば、不安な気持ちを含めたストレスと上手に向き合い解消させていく方法を見つけていきましょう。
自分がストレスを感じやすいタイプかをチェック
同じような状況・環境にいてもストレスを感じやすい人、感じにくい人がいます。
まずは自分がストレスを感じやすいかどうか、チェックしてみましょう。
ストレスを感じやすい人
- 完璧主義者
- せっかち
- 感情を抑えてしまう、表に出さない
- 自己犠牲的
- 真面目
- 周りを気にしすぎる
上記にあてはまる人は、ストレスを感じやすいといえます。これから解説する方法を使って、行動してみましょう。
ストレスを溜めない思考・行動
- 物事をネガティブに考えるのではなく、ポジティブに考えるようにする
- 好きなことをしてリフレッシュする
- 小さいことでくよくよしない
- 何とかなる!と考えてみる
- 誰かに相談してみる
- 一旦お休みする、離れる
元々の性格や思考・行動パターンを変えることは簡単ではありませんが、意識的に行っていくことで物事の捉え方を徐々にでも変えていくことが可能です。
良い意味で“のんき“で”周りを気にしない“マイペースな人になることが◎。
また、ストレスの原因となっていることを根本的なところから解決していく方法もあります。
転職時のストレス対策
- 転職が上手くいくのか不安なとき
なぜ転職をするのか?転職の目的、目標を明確にしておく
- スキル、キャリアに自信がないとき
仕事への熱意を伝える、アピールポイントを見つけておく、スキルアップをするために勉強をする
- 面接が苦手、転職後のミスマッチが不安なとき
企業研究を入念にする
- 新しい職場、環境に緊張するとき
ツラいのは今だけ!時間が解決してくれると考える(長くとも3ヶ月あれば慣れる)
「不安だ、不安だ‥」と考えているだけでは何も解決しません。
ストレスの原因となっていることに直接アプローチできるような具体的な行動がカギとなります。
行動を起こすことで自信に繋がり、気付いたときには不安が小さくなっていることも。
そして、転職活動で大切なポイントは「自己分析」と「情報収集」です。
Point
- 自己分析‥転職の目的、目標。これまでのキャリアを振り返る。アピールポイントを見つける。
- 情報収集‥企業研究。転職市場。求人情報。
この2点をしっかりと押さえ、計画的に転職活動を進めていくと不安が軽減され過度なストレスを感じることも少なくなるはずです。
ストレスを感じることが最も大切なストレス対処
ストレスを上手に対処する上で最も大切なことは、ストレスを感じることです。
ストレスは、「普段と違う大変な出来事に対する心と身体のサイン」です。災害のような命に関わる出来事に遭遇し心身がマヒして何も感じないというストレス反応もありますが、転職に伴い不安や焦り、不眠や心身の不調を感じることは悪いことではありません。またストレス反応を感じなければ対処できません。まず自分の反応を感じとり自分に合った適切な対処をたくさん身につけることが大切です。
「ストレスを感じることは悪いこと」と受け止めてしまうと、ストレスを引き起こす転職も、ストレスを感じている自分自身も悪い存在として位置づけてしまい、結果、ストレスを乗り越えるメンタルは育っていかないのです。
「逆指名型」キャリア相談【おとなの新路相談室】
転職のストレスは誰かに相談して解決する方法もあります。「おとなの新路相談室」はキャリアや働き方の悩みを相談するオンラインサービス。
相談内容は漠然とした悩みの整理から、適職診断、転職、副業、独立、開業まで幅広く対応。
様々な職種のバックグランドを持った相談員が転職の悩みに向き合い、丁寧にアドバイスをしてくれます。相談内容は気兼ねなくカスタマイズ可能。オンラインなので夜間や休日もキャリア相談もOKです。
おとなの新路相談室公式サイト
1人で悩まないで!【転職エージェントを活用】してみよう
ストレスを溜めない思考・行動でも少し触れましたが、ストレスを感じているときは誰かに話を聞いてもらう、相談してみる、頼ってみることもストレス解消法の一つとなります。
自分とは異なる思考を持つ人からのアドバイスはハッとさせられ、ストレスから抜け出すきっかけとなることがあるからです。
相談する相手は友人・知人・家族・同僚‥と誰でもいいのですが、転職に関するストレスや悩みであるのなら転職のプロである転職エージェントに相談するのが一番解決に向かいやすい方法です!
転職エージェントのサポート内容
- カウンセリング(キャリア相談、キャリアの棚卸し)
- 求人紹介(希望条件にマッチした求人の紹介)
- 応募書類作成サポート(書類通過率を上げる)
- 面接日程調整、面接対策(企業ごとの面接対策)
- 雇用条件交渉(給料などの交渉を代わりに行ってくれる)
- 退職アドバイス(在職中の場合)
- 入社後フォロー(悩み、不安を相談できる)
転職エージェントではこのようなサポートを無料で受けることが出来ます。
転職前・転職活動中・転職後とそれぞれで抱えやすいストレスを、あなた一人ではなくキャリアコンサルタントにアドバイスを貰い解消していきながら転職活動を進めていけるのでとても心強いサービスです。
転職のストレスに押し潰される前に転職エージェントを頼ってみませんか?
ホワイト企業が見つかりやすいエージェント|doda
転職業界大手の「doda」は、ホワイトな優良企業を多く紹介している転職エージェント。
ブラック企業に転職してしまう不安は、ストレスのきっかけになるもの。その不安を少しでも和らげたい人におすすめのエージェントです。
「転職エージェントってたくさんあって、どれを使えばいいか分からない」という方は、まずdodaを利用してみるのをおすすめします。
転職のストレスは一人で抱えない!
ストレスを感じているな‥と気付いたときは早めのケアが大切です。
なぜなら、そのままストレスがどんどん溜まっていくと最悪の場合は心の不調を起こすことがあり得るからです。
自分だけではどうしても心をリフレッシュさせることが出来ないときは、誰かに甘えてみましょう。
転職のストレスも同じです。一人で頑張っても上手くいかないときは転職エージェントを頼ってみればいいのです。
これから転職をしようと思っている人、すでに転職活動中の人、新しい転職先で頑張っている人。
例えツラい状況が続いていたとしても、何か行動を起こしてみることや思考を少し変えてみることを意識してください。
ストレスが軽減され心が少しでも軽くなることを願っています。
ストレスには、良いストレス(ユーストレス)と悪いストレス(ディストレス)があります。
「転職」に伴うストレスは、自分のアイデンティティに関わる強いストレス反応を引き起こす場合があります。
ストレスの扱い方によっては、自分らしさが奪われてしまい悪いストレス(ディストレス)になってしまうかもしれません。また、強いストレスであるにも関わらず自分一人で乗り越えることができると思ってしまう態度は、未成熟な万能感と言うこともあり心身の健康において好ましいものではありません。
「転職」に伴うストレスは、本来の自分らしさを実現させるために生じる大切なストレスだと思います。自分に合った対処法を見つけ、信頼できるサポートを得ることによって、転職ストレスを「ユーストレス」にすることができるでしょう。
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