「毎日こんなに頑張っているのに評価されない…」そんな風に思ったことはありませんか。仕事で評価されないのは、会社員としては笑えないですよね。
もしあなたが能力が低く仕事ができなくて、会社にとってどうでもいい存在ならば、あなたの仕事には価値がないので、評価されないのは仕方のないことです。その場合、嘆いたり、悔しがったりしている暇はありません。まずは自己啓発や時間外の自助努力で職務遂行能力を上げることを考えるべきでしょう。
問題は、あなたが優秀で仕事ができる人間であり、会社への貢献度も十分であるにもかかわらず評価されていない場合です。評価されない理由は何なのか?そして、評価されるにはどうしたらいいのか?実はその答えは非常にシンプルです。
この記事の監修者:岡山香織さん
- 日本キャリア開発協会認定CDA(キャリアデベロップメントアドバイザー)
- 国家資格キャリアコンサルタント
プロフィール
ハローワークやジョブカフェで、主に18歳から45歳までの就職支援に携わる。新卒・既卒の学生向けに自己分析、企業分析、面接指導などのセミナー講師を経験。また職業訓練校において、受講生の個別相談をはじめ、未経験から希望の就職に結びつけるための支援経験。労働局勤務、民間の人材派遣業も含め就職支援を約10年経験。
また、福祉などの専門分野ごとの合同企業説明会・面接会の責任者を務め、企業の採用担当者との関係構築も深い。職業訓練校ではキャリア相談をはじめ、自己分析、履歴書職務経歴書の書き方指導、面接についての指導など就職に関する授業の講師経験。労働局勤務では雇用環境均等室勤務において企業で働く従業員の働き方に対する支援業務経験。
現在は、新卒・転職支援やキャリアカウンセリングをメインとした「キャリアコンサルティングオフィス岡山」にて代表を務める。これまでのキャリアを活かし、高校・専門学校・大学でキャリア支援を行う一方で、企業での代理採用担当業務を行っている。これまでのキャリア相談はのべ6000人以上にのぼり実績も豊富。
仕事で正当に評価されない本当の理由
まず最初にお伝えしておきたいのが「正当な評価など一部の例外を除いて絶対にできない」ということ。受け入れがたいかもしれませんが、このことを知っておくことで評価される方法も腑に落ちやすくなります。
ではなぜ「正当な評価」はありえないのでしょうか。理由を1つずつ見ていきましょう。
理由1:評価には人の感情が入ってしまう
あなたを評価するのは誰ですか?上司ですよね?小さい会社であれば社長が評価者かもしれません。何れにせよ、機械ではなく人間が評価しているわけです。
あなたと同じ「人間」が評価している時点で、正当な評価など絶対にできません。なぜなら人間には感情があり、無意識に自分の好きな人には優しく、嫌いな人には厳しくしてしまいますから。それはもちろんプライベートだけでなく、仕事でもです。
結果、上司に好かれている人は評価されやすく、そうでない人は評価されにくくなります。あなたが上司になった場合に正当な評価ができるか、というと自信を持って「できる」という人は少ないはず。
理由2:人事評価制度では仕事の成果を正確に測りにくい
仕事を評価されなくて悩んでいる、という声は事務職、技術職、作業系の仕事に従事している人からよく聞かれる悩みです。ミスなくこなしていれば良いという仕事ですね。
これらの仕事は営業職や販売職のように数字で仕事の成果を見ることが難しく、どうしても前項のような好き嫌い、部署全体の成績などによって個人の評価も影響されやすくなります。正確に評価できるとしたら、完全歩合制の営業職くらいでしょう。
どうしても正当な評価が欲しくて、自信があるなら、こういった仕事にチャレンジしてみるのもいいですが、一般的には飛び込み営業や1日1000件のテレアポ営業など過酷で怒号が飛び交う離職率の高い職場が多いです。
理由3:評価される人は自分の主観で正当かを考えてしまう
最後に、「評価が正当だ!」とか「正当に評価されていない!」と感じているのは誰でしょうか?他でもないあなたですよね?
では、なぜあなたは評価が正当ではないと感じるのでしょうか?仕事量の割に給料が低いから?仕事をしていない他の同僚よりも頑張っているから?でもそれって全部あなたの主観ですよね?あなたの見えていなところで同僚は頑張っているかもしれませんし、あなたよりも圧倒的に成果を出しているかもしれません。
いずれにせよ、誰もが納得できる理由を上げることはできないと思います。
それは、あなたも1人の自我のある人間であり、自分が一番可愛いから。逆にそうでなければ機械やロボットということになります。
会社で評価されて月100万円の給料が貰えれば満足と思うかもしれませんが、それが続くと今度は200万円欲しくなるものです。すると、「こんなに頑張ってるのに」と会社の評価や給与制度に不満が現れてしまうのです。
結局の所、あなたが満足するかどうか?それが「評価の正当性」を決めているとも言えるのです。
それでも、評価を良くしたい、給料を上げていい生活をしたい、というのが本音ですよね。正当な評価かどうかはともかくとして、評価を上げる方法に関してはこのあとご説明していきますのでご安心を。
たかが人事評価、されど人事評価
人事評価は従業員の成果や行動、成長、性格などを適性に会社が評価するものですが、公平性、客観性、透明性、納得性を守り実施されます。
その結果から個人の能力などを見極め、適材適所に異動するときなどの資料として用いられることが多く、結果としてより働きやすい仕事へ転換となる場合もありますが、希望しない異動や業務内容の変更など本人の気持ちとは違う方向になってしまう可能性もあります。
従業員にとっては、自分がどのように会社から評価されているのか非常に気になりますが、一定の基準に従って評価するに過ぎないことや、評価する人の感情なども入らないわけではありません。
特に神経質に物事を気にする人は、評価結果に対して、あくまでも参考程度と考え過剰に気にしすぎず、日ごろの仕事に対して前向きに取り掛かることに集中しましょう。
岡山香織さん
- 日本キャリア開発協会認定CDA
- 国家資格キャリアコンサルタント
評価されないときに陥りがちなパターンと対処法
頑張って成果を出したのに、仕事で評価されなかった場合、かなり落ち込みますよね。会社なんてどうでもいいと思っている人でなければ当然のことです。
しかし、落ち込んだからすぐ辞めるというのも現実的ではありません。生活もありますし、年齢によっては転職が難しい場合もあるでしょう。それよりも、次に紹介する「評価される方法」を使えば、今後は評価されていくことが可能になります。
思ったような評価が得られなかった場合の、陥りがちなパターンとそれぞれの対処方法を見ていきましょう。
悔しい、辞めたいと思う
最も多いのがこのパターン。頑張ったのに報われないというのはかなりきついですよね。悔しい、情けない、もう辞めたい、そう思ってしまうのも仕方ないことです。
しかし、前向きに言えばこれは、あなたが頑張って、成果を出して、会社に貢献していたということでもあります。
この場合の対処法は「転職」です。何をしても全く評価されないようであれば、そんな会社には早めに見切りをつけたほうが幸せになれる可能性が高いです。
一生懸命働いて会社に貢献してくれる人がいらないという会社はありませんから、今より良い待遇で転職できる可能性も十分にあります。
注意しなければならないのは、あなたが自分の市場価値を勘違いしていて、転職しても同じ給料、もしくは下がってしまうという場合。転職するならば、いきなり辞めるよりも転職エージェントに相談してみましょう。今よりもいい条件で転職できそうかを教えてもらうことができます。
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モチベーションが下がりやる気が無くなる
頑張っても報われない環境で更に頑張ろうと思える人は少ないものです。どちらかといえば、モチベーションが落ちて、やる気が無くなってしまう人が多いのではないでしょうか。
そして、やる気が無くなったからといって、日本ではそう簡単に社員を解雇にしたり、大幅な減給をしたりはできませんから、本人にとってはそれほどデメリットもないのです。「この働きでこの給料なら、まあいっか」と思うようになっていきます。
こうなると、その後も良い評価をされる可能性は限りなく低くなります。
こちらも対策としては転職を考えるか、評価される方法を実践して、評価を上げていくということになります。
吹っ切れて気にならなくなる
前項のパターンが更に進化するとこのパターンになります。もう完全に「会社なんてどうでもいいや、クビになっても構わないから、もう働かない!」という吹っ切れパターン。
これは会社には大打撃です。なにしろ、給料は払うものの、社員は働かないからです。正確には働いているふりをして、実際には働いていない。上司に聞かれると「頑張ってます」とアピールだけはする。という状態なのですから。
会社にとって、出世を諦めたサラリーマンほど怖いものはないのです。相手はもう吹っ切れて失うものなどなにもない気持ちでいますから、解雇や減給といった脅しにはピクリともしません。これで解雇にならなければ、ある意味会社員としては勝ち組なのかもしれません。
それでは最後に、会社で評価されるための効果的な方法をお伝えしていきます。
評価されなかったときにする2つのこと
自分なりに仕事を頑張っていたのに、会社から思ったより評価されなかった時は落ち込みますよね。そんな時、自暴自棄にならずにやってほしいことが2つあります。
1つは、上司に相談すること。身近で仕事をしている姿を見ている上司は、こうすれば良いということを一番よく知っている存在です。相談することで、上司とのコミュニケーションもとれ、上司の懐に上手に入ることができれば今後の仕事も上手くいきやすくなります。
2つ目は、社外の相談支援を利用すること。仕事の悩みを社内の人に相談しにくいこともありますね。そのような時は是非外部のキャリアコンサルタント等に相談してみてください。客観的な視点でアドバイスをもらえ、評価されなかった原因が分かることもあり早期解決につながります。
岡山香織さん
- 日本キャリア開発協会認定CDA
- 国家資格キャリアコンサルタント
仕事で評価される方法は意外とシンプル
ここまで評価されない理由と、評価されなかったときに陥りがちなパターンを見てきました。それではいよいよ、あなたが会社で評価される効果的な方法をお伝えしていきます。
ただし、1つだけ注意点があります。この方法は、あなたが仕事のできる人であり、会社への貢献度も高い人材であるという前提になりますので、その点は勘違いしないようにしてください。仕事ができない人がごますりなどのテクニックだけで評価されては、他の人の不満が高まり、会社にとってはマイナスですからね・・・。
あくまで、圧倒的とまでは行かなくても、それなりに高い実績を出している人が実践することで、評価が実績に追いついてくるというものになります。
職場の雰囲気づくりに貢献する
仕事はできても会社の雰囲気を悪くする人っていませんか?飲み会や社内イベントにも消極的で、時間のムダだと思っている人です。もしあなたがそういう人であるならば、すぐにその態度を改めて真逆の態度を取りましょう。
飲み会や社内イベントなどは時間の無駄に思えるかもしれませんが、社内の雰囲気を良くしたり、社員のストレス発散、悩む社員の本音をヒアリングできるなど様々なメリットがあります。つまり会社組織や部署を管理している人(=あなたの上司)にとって重要な行事なのです。
それをつまらなそうにしていたり、乗り気でない態度でいたら上司はどう考えますか?自分の面目も立たないし、いくら仕事ができてもあなたに良い印象を持つはずがないですよね?
せっかくいい仕事をしていても台無しにならないよう、職場の雰囲気をよく保つように努力することを意識してみましょう。あなたが上司に相談してイベントや飲み会を企画しても良いかもしれませんね。
リーダーシップを発揮する
上司の仕事を楽にしてあげれば上司から評価されることはたやすく想像できますよね?管理職の仕事はマネジメント。そこに頼りになる右腕がいればどんなに楽なことか・・・そこで、良い評価を受けるために、上司の右腕になることを目指しましょう。
そのためには、リーダーシップを発揮してあなたが部署を取りまとめるくらいの気概を持って仕事をすることです。そうすることで上司の負担は減りますし、あなたに一目置くようになるはずです。
最終的には上司がやることがなくなるくらいの働きを見せることができれば、あなたがやる気を無くすのを恐れて悪い評価などつけられなくなります。上司の役に立ち、上司の負担を減らし、上司にとって無くてはならない存在を目指しましょう。
細かい気配りを忘れない
みんなより少し早く来て机を拭いておく、大変そうな同僚や部下をサポートする、後輩を食事に誘って悩みを聞いてあげる、常に部署の状況に気を配り、全体が気持ちよく仕事ができる環境を作ることに勤めれば、自然とあなたに対する周りの見る目も変わります。
そんなあなたが、もしいい評価を受けられなければ、周りが黙ってはいないでしょう。部署全体の不満が高まれば上司としては職場の生産性低下や、連鎖退職なども考慮しなければならなくなります。結果的にあなたに悪い評価をつけることができなくなります。
あなたは世渡り上手?
昔から言われていることですが、『世渡り上手はどこにいっても上手くいく』。
「世渡り上手」な人は明るく積極的で人付き合いもよく、人間関係をうまく繋ぎながら成功をつかみ取っていきます。嫌味で「世渡り上手ね」と言われることもありますが、人付き合いが上手な人は何かと得をすることが多いのです。
そんな得する人柄に近づける簡単な方法があります。それは、「今より少しだけ人に頼ること」です。仕事で評価される人はうまく周囲とコミュニケーションが取れている人が多く、一人で仕事をこなすより周囲の人に何かをお願いしたりしている事が多いものです。些細な事のやり取りも多くなり、「ありがとう」とお礼を言ったりすることで、周囲との信頼関係を築いており、ひいては社内での評価も高いとなることに繋がります。できる範囲で人に頼ってみることを心がけてみましょう。
岡山香織さん
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【まとめ】評価されるには上司から気に入られること
基本的には、あなたを評価するのが上司である以上、いかに上司から気に入られるかを意識していけば良いのです。それには上司が何を求めていて、どうなったら嬉しいのか?を常に考え、行動するのが大切です。
また、上司に気に入られているあなたを妬む人も出てきますので、そうならないように細かい気配りをして外堀もしっかりと埋めておきましょう。
仕事で評価されない理由は実は人間にあります。100%正当な評価は無理だと理解し、どんなに嫌いな上司相手でも経験や勉強と考え、その人にいかに好かれるかを考えて行動できるようになれば、どんな職場でも良い評価をもらうことができるでしょう。
それはどうしても嫌だ、という場合には無理せず転職する方が良いかもしれません。そもそもその組織に合ってないのかもしれませんし、転職した途端、転職先の会社で大活躍してどんどん出世したという話もよくあります。
ただし、先程も説明しましたが、いきなり今の会社を辞めてしまうのは危険。逆に年収が下がる可能性もあります。まずは転職エージェントに相談して、自分の市場価値を確かめるようにしましょう。
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