これまで4回にわたって、中高年の転職ノウハウを説明してきました。
第1回 中高年の転職活動の実情
第2回 転職力を上げる方法(応募書類編)
第3回 転職力を上げる方法(面接編)
第4回 転職サイト、中高年ならこう使え!
今回は「売れる」スキルや経験をお持ちの中高年であれば、最も効果的かつ効率的な転職活動の方法を教えます。この方法とはズバリ、職業紹介会社、いわゆる「転職エージェント」をフル活用するやり方です。
筆者は常々、「中高年のクライアントに対して、有益な求人情報を得たいのならば、まず転職エージェントにアプローチしてください、それもできるだけ複数に」とアドバイスしています。
転職サイトやハローワークなどは自分で求人情報を探さなければなりませんが、転職エージェントではコーディネーターがあなたに合う職業を探して紹介してくれます。それだけではなく、応募書類の簡単なチェックや面接日程の調整、内定後の年収交渉などにも対応してくれますので、転職志望者にとってはいいことづくめと言えます。
一方、職業紹介会社を活用するにあたっては、大きな障壁があります。それは誰もがこのサービスを利用できるわけではない、ということです。これらの会社は、求人企業から紹介料を徴収することで成り立っていますので、いわゆる「売れる人材」しか扱わないのです。それなので、転職市場で売れるキャリアがないと、そもそも登録すらさせてもらえずに、門前払いとなってしまうのです。
門前払いになろうとも、筆者が複数の転職エージェントにアプローチを強く勧めるのは、「あなたの転職市場での価値を客観的に知ることができる」からです。複数に連絡してみて、登録はおろか会ってすらもらえない、となると、あなたの市場価値は高くない、ということがわかります。他方、転職エージェントから登録を歓迎されるのであれば、それ相応の市場価値がある、と見ることができます。
「どうせ転職するなら前職以上の給与がほしい」、「これは自分に合っていない」云々と、自己中心的な考え方でやみくもに転職活動をするから、いくら頑張ってもうまくいかないのです。現実を知るには、この方法が一番です。今はネットを通じて簡単にアプローチできますから、転職を考えたなら、まずはここから攻めてください。
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5回にわたり、中高年の転職ノウハウを公開させていただきました。いかがでしたでしょうか?スペースの関係もあり、全てをご説明できませんでしたが、重要なポイントはお伝えできたのではないかと自負しております。
毎日、筆者のところには、「10社も不採用になった。どうしていいかわからない」と憔悴した中高年の方々が駆け込んできます。このような場合、そもそも転職方法のやり方が良くないか、もしくは、たまたま縁がなかっただけでまだまだこれからなのか、のどちらかです。
もちろん、正しくないやり方を続けていても、なかなか内定は獲得できません。就活生と違って中高年となると、なおさらです。ただ、間違っていないのに、ちょっと結果が出ないからといって、やり方を変えてしまうと、かえって状況を悪くするケースがあります。中高年ならば、10社くらいは普通に落ちますから、それを重く受け止め過ぎて、転職活動自体を止めてしまうのは一番危険です。正しくないやり方をしているのか、もしくは、たまたま結果が出ていないだけなのか、ぜひ本記事をお読みになってチェックしてみてください。
最後にご紹介したいのが、筆者が転職相談の現場でよく引用する詩人相田みつをさんの詩です。
『とにかく具体的に動いてごらん
具体的に動けば 具体的な答が出るから
かんがえてばかりいると 日がくれちゃうよ』
本記事を読んで、なるほどよくわかった、そうだったか、だけでは何も変わりません。ぜひ具体的な行動に移してください。きちんとやればきちんと結果が返ってきます。
本記事が皆さんの転職活動の一助になることを願ってやみません。
転職コンサルタント(中谷充宏)講師プロフィール
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