「はじめての転職 成功講座」も最後となりました。
最終回は、あなたの転職を天職にしていくために、役立つサービスを紹介します。
前回の復習はこちら
転職サイトとあわせて、転職活動の主流となっているのが、転職エージェントです(人材紹介会社・人材斡旋会社ともいいます)。
転職エージェントは、あなたの希望の仕事内容や会社の条件、あなたの能力や個性にあわせて、企業を紹介してくれます。
転職ナビで一般公開されていない求人も持っていることがあります。同業他社に動向を知られたくないプロジェクトの求人、退職予想者が推測されるとまずい場合など。
また、転職エージェントの目が入ることで、自分では見逃してしまうような、思いがけない求人を紹介してもらえる可能性があるのも大きなメリットです。
このようなメリットがあるので、上手に活用したいものです。
ただし、転職エージェントごとに取引企業が異なります。あなたとあう求人を持っている転職エージェントと会えるよう、複数登録しましょう。
特に中小の転職エージェントは、取引企業(紹介できる企業)が大手よりも少ないぶん、前職の取引先などコアな関係を築いており、社風、社長・経営幹部の方針や性格、社内事情などにも詳しい可能性、大。
自分をしっかり伝える職務経歴書をつくれば、マッチする職場に斡旋してもらいやすくなります。
あなたは、何が喜びで、どんな仕事の仕方が得意で、何が苦手で、何がストレスなのかを、自身でしっかりと把握しておきましょう。
こちらの著書を参考になさってください。
「あなたの天職がわかる最強の自己分析」(KADOKAWA 梅田幸子)
2章喜びの源泉の見つけ方、3章得意なやり方(特性)分析、4章、致命的になりやすい「ストレス・苦手」の7要素がワークシートで自己分析できます。
……と、お伝えしても、5~6社しか登録しない人が多いです。「1社しか返信がないので、わたしは価値がないのだろうか?」という嘆きも聞きます。これは、登録している転職エージェントが少ないだけの話なんです。
わたしは自分自身のはじめての転職活動のときに、20社登録しました。メールのやりとりを経て、反応のいい5社に面談に行きました。
メールのやりとりの中で、自ら考え方があわないと離れた転職エージェントもあります。わたしを紹介できる(売り込める)取引先企業がないところは、問い合わせの返信が来ません。そうして、5社に絞られたのです。
面談をした5社のうち4社から数社ずつ紹介してもらいました。1社は、メールのやりとりはよかったのですが、面談したカウンセラーと息があわずに、取引はしませんでした。
だから、たくさん登録しましょうとお勧めしています。
転職エージェント 比較表
転職エージェントのいいなりになるのではなく、あなたが主導権を握っていいんですよ。
個人コンサルティングを受けられた人の中には、転職「エージェントから、自身の価値観とはまったく反対のことを言われたそうです。
「残業は基本的にしたくない。仕事内容は○○○が希望」と伝えると、転職エージェントは「あなたがしたいような、やりがいのある仕事は、長時間労働なんです。残業するつもりがないならば、やりがいは求めないでください」と、2社から言われたそう。
その転職エージェントのひとつは、仕事が大好きで、仲間とつるむのが大好きな人たちを採用する会社です。「24時からが自分の仕事」という名言もあるほど。そういう価値観で成長してきた会社なので、社内全体が、そのような考えだったのでしょう。加えて、紹介できる企業も同じような価値観であれば、上のような発言になってしまうのも、しょうがありませんね。
もうひとつの転職エージェントは、カウンセラーさんがシニアの人でした。「総合職は残業・転勤は当然。残業しなくていいのは一般職。総合職の仕事をしたいのに、残業しないなんてありえない」という考えでした。そのカウンセラーの経験してきた会社での経験と主観からのアドバイスだったわけですね。
このように、転職エージェントで、あなたの希望や価値観を否定される出来事もあるかもしれません。それは、「こことは取引しない」というサインです。別の転職エージェントにアプローチしましょう。
ご紹介した彼女は、面談コンサルティングのあと、別の転職エージェントの紹介により、やりたい仕事で、希望通りの社風で、残業のない会社に決まりました。
もちろん、これまでの価値観と違う話をされ、あなたの価値観が変わることもあります。そんな変化も楽しめるといいですね。
こんな転職活動のスタンスは、「転職本」ではありませんが、恋愛本から学ぶことができます。
ゲスな女が愛される(心屋仁之助)
わたしは、よく転職の話を伝えるのに、恋愛をたとえ話として出しますが、この本、そのまま、就職・転職本として、使えます。
がんばって、彼(面接官や転職エージェント)に気に入られるように何かをするのではなく、他人の評価を得るためにしてきた資格とか、気遣いといった武装を解いて、本当の自分にフォーカスする本です。
ある転職エージェントは、とてもわたしのことを評価してくれていたので、「○○会社に興味があるのですが、お取引先ではありませんか?」と聞いてみたのですが、「実は、うちの取引先の95%が、IT系なのです」という返答があったこともあります。
○○に強い/取引先は○○が多いということを、インターネット上に出していない転職エージェントも多いので、志向・スキル・能力・性格タイプが違うと判断され、登録しても希望とあわないケースもあるのです。
だからこそ、たくさん登録することが重要になってくるのですね。
転職エージェント 比較表
転職エージェントに登録するとき、2タイプの方法があります。
(またはシートに入力してメールで返送)
次のステップ、あなたが企業へ推薦されるとき、転職エージェントから人事採用担当者への連絡は、ほぼメールです。履歴書と職務経歴書のデータをメール添付で送ります。
このように、デジタル化している近年、履歴書のトレンドは、パソコンで自作するA4サイズとなりました。
わたしのホームページの「はじめての転職100問100答」サポートページに履歴書フォーマットをアップしているので、自由にダウンロードしてください。
文章力を磨きたい人は、芥川龍之介に学ぶ 文章の基本 (高橋フミアキ)でトレーニングしましょう。文章の基本をおさえたら、グッと読みやすい文章になります。
転職サイトとは、就職活動でおなじみの求人サイト転職版です。
インターネット上で見ることができる求人情報です。
学生向けの就職ナビと異なるのは、求人の掲載期間が短いこと。掲載期間、募集期間を意識しながら、活動しましょう。「検討リスト」に入れておいたら、いつのまにか期限切れ……というケースもしばしば耳にします。
学生時代の就職ナビは、1社が複数のナビに掲載しているケースも多かったと思います。しかし転職ナビは、同時に複数出すケースはまれ。チャンスの幅を広げるならば、複数の転職ナビへの登録がおすすめです。
また、大手総合サイト、業界別のサイト、ベンチャー専門など特色もありますので、希望にあわせて使い分けるといいですよ。
求人情報型の転職サイトはコチラ
求人を見るときは、ただ「応募する・しない」を判断するだけでは、もったいない。自己分析の場にもしましょう。「あなたの天職がわかる最強の自己分析」5章の会社サーフィン分析法がで、あなたの軸が見え、リアルな志望動機が語れるようになります。
また、応募を決めたら、「頭がいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか?」(高橋 政史)で、応募先の会社の情報をメモしていきましょう。面接で質問が自然とわいてきます。
「はじめての転職100問100答」は、転職の相談や悩み、つまづきやすいことがらを100個の質問に著者が回答、解説する本です。ざっと目を通しておくと、転職の全体像と、気をつけるポイントがわかります。深く読めば、自分らしい転職活動につながります。質問や交渉のセリフも紹介してあります。
「だから内定を逃す!もったいないカン違い45」は、学生向けに書かれていますが、面接官の視点と、応募者に多いカン違い、それを解消するためのワークシートという構成となっています。転職にもそのまま使える内容です。カン違いによって、内定がでないこと、そして転職はしたものの、短期間で再度転職……にもならないようにしたいものです。
多くの成功者や大富豪を取材してきたエッセイスト田宮陽子さんの「つやの法則」。あなたの魅力を光らせるために、取り入れられるところから取りいれてみてください。
面接に私服で来てくださいと言われたときのケースは、こちらに記事をまとめてあります。https://ameblo.jp/11oya/entry-12060183559.html
もし、いま仕事をしながら、または退職していて、「仕事でミスが多い」「人間関係が苦手」「生きづらい」と思われるならば、「人間脳を育てる」(灰谷孝 花風社)を読んでみてください。※注:現在在庫切れですが、今増刷中なので、近々アマゾンにも入荷の予定です。
本書は、発達障がいの子どもの発達を促す内容が描かれていますが、大人の「脳の根本的な成長」について学べる本です。ミスが多い・人間関係が苦手・なんとなく生きづらいといった悩みの原因がどこにあるのか、見つかるかもしれません。その解決方法についても述べられています。
仕事について、もう一度考えたい人は、ビジネス書作家、小倉広さんの2冊がお勧め。
「33歳からのルール」明日香出版社
「キャリアデザインするな」「自信の取り戻し方」「心づくしは時間尽くし」「相手のために、は独りよがり」など、どきりとする言葉、目からうろこの言葉が100個、見開き2Pで並びます。
著者の失敗談と成功談が、あなたの仕事観を見直させてくれるでしょう。33歳からのルールとなっていますが、20代にもお勧め。
「心」について知りたいならば、アルフレッド・アドラー人生に革命が起きる100の言葉」。
昨年最も売れたビジネス書「嫌われる勇気」で一躍ブームに火がついたアドラー心理学。
少々難しい印象がある人は、20万部突破のベストセラーとなった本書から。アドラー心理学の入門書としてもぴったりです。
うまくいかなった経験も、とらえ方や考え方で、解消されることがわかれば、自信がよみがえります。
全10回ありがとうございました。
転職活動が行き詰まったら、またここに戻ってきて、成功モードにチューニングしてくださいね。