「他の学部の学生に比べて就活で不利に感じる」
「他の学生のようにやりたいことが明確になっていない」
文学部出身で就活を進めている学生は、そう悩んでいる方も多いかと思います。
文学部は就活で不利とも言われますが、決してそんなことはありません。
今回は文学部の就職先人気ランキングと就活を有利にするポイント、文学部ならではの強みを詳しく解説していきます。
文学部の就職は不利と言われますが、決して不利ということはありません。
文学部の就職がなぜ不利と言われているのか、実際に不利だと感じることはあるのか、解説します。
文学部出身の学生は、一般的に就職で不利な立場にあると言われます。
不利と言われる理由には、以下の4つの理由が考えられます。
上記4つの中でも、最も有力な理由とされているのが「就職率の低さ」です。
「2022年 学部系統別実就職率ランキング」を見ると、文・人文・外国語系は実就職率が90%前後の大学が多くなっています。
他の学部は多くが90%を超えていることから、わずかな差ですが、文学部は就職率が低いと言えるでしょう。
また、文学部は過去の歴史や文学を研究する学問であり、現代のIT技術が進歩したビジネスとの親和性が低いと考えられている点も、就職に不利と言われる理由です。
参考:大学通信ONLINE『2022年 学部系統別実就職率ランキング』
では、文学部は就職で本当に不利かと言うと、そんなことはありません。
むしろ、文学部出身の学生は論理的思考力が高く、語学にも堪能な人が多いです。そのため就職において色々な選択肢があります。
ただし、就活中に「大学で学んだこと」を質問された際、それを説明しにくいことだけが難点と言えます。
たとえば「大学で言語学を学んだ」だけでは相手に伝わりません。
まずは「言語学とは何か?」を端的に説明できる能力が必要です。
そして、「言語学を学んだことが今後の人生にどう活かせると思うか」までをセットで説明できたら完璧です。
ここまでできたら、就職では十分なアピールポイントになります。
文学部の就活生に人気の就職先について、TOP5をランキングで紹介します。
1位 | 出版・メディア業界 |
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2位 | サービス業界 |
3位 | 金融業界 |
4位 | 教育業界・公務員 |
5位 | 図書館司書・学芸員 |
参照:学情『2024年卒 就職近畿企業ランキング 文系ランキングTOP50』、indeed『文学部の就職先はどこが良い?人気の業界とおすすめの資格
』、就活の教科書 【就活で不利?】「文学部」就職先人気ランキング|業界一覧、有利な資格も
文学部出身の就活生に人気の高い就職先は、出版・メディア業界です。
特に出版社への就職を希望する人が多く、文学部卒業生の就職先の定石となっています。
出版業界もメディア業界もクリエイティブな仕事が多く、現場に赴いて取材を行い、必要な情報を収集して記事を作成します。
文学部で養った情報収集が活用できることに加え、高い文章力も求められる仕事です。
また、自分の書いた記事が雑誌や本で掲載されれば、それ自体がやりがいになります。
世の中の色々な物を見聞きし、自分の言葉で伝えたいと考えている人に向いた仕事です。
次に多いのがサービス業界です。サービス業界は非常に仕事の種類が豊富で、飲食業や宿泊業、医療・福祉業界、娯楽業界、個人の事務所なども含まれています。
文学部の出身者は人と関わる仕事を選ぶ傾向にあり、人気の就職先にも反映されていると言えるでしょう。
また、文学部出身者は英語や外国語も堪能な人が多く、通訳や翻訳、秘書として活躍するケースもあります。
いずれも人と深く関わる職業であり、文学部出身者はサービス業界と相性が良いことが人気の就職先にも関わっています。
金融業界はお金の計算が必要なことから、文学部との繋がりをイメージしにくい就職先です。
しかし、毎年一定数の文学部出身の就活生に人気があり、銀行や保険会社などを志望する人がいます。
金融業界を希望する学生の特徴として、学生時代に簿記検定やFP資格、証券外務員資格などを取得している点が挙げられます。
元々お金に関する知識や興味があり、そこから就職先として選ぶケースが多いようです。
就職先によって有用な資格は変わりますから、銀行・証券会社・保険会社のどこを希望するかに応じて、取得する資格も選択してください。
文学部で学んだ知識や経験を最大限活かすという点で、教育業界も人気の高い就職先です。
小学校から高校までの教育機関だけでなく、語学学校や予備校、NPOなど色々な選択肢があります。
安定を意識して地方公務員の学校教員を希望する人も多く、文学部の就職先としては王道と言えるでしょう。
文学部では国語と英語の教員免許を取得しやすく、就職先に教員を希望しない人でも、教員免許を取得するケースは珍しくありません。
就職先に迷っている人でも、安定を重視するなら教育業界に就職するのがおすすめです。
文学部では図書館司書や学芸員の資格を取得しやすく、卒業後の就職先に公務員や学芸員を希望する人が多いです。
特に図書館司書は試験がなく、特定の単位を取得すれば資格が得られます。
学芸員資格は博物館・美術館・動物園・水族館などで働くことも可能です。
元々、博物館や動物園などは歴史の研究や動物の生態系保護・研究を目的にしています。
歴史や文化を研究する文学部と相性が良いことから、就職先として人気があります。
文学部の学生が就活を進めていくうえで、どのような点が強みになるのか詳しく紹介します。
教員免許や図書館司書、公認心理師などの国家資格を持っている場合、資格の勉強に励んだことは就活でもアピールポイントになるでしょう。
文学部では学部の勉強と一緒に教職の勉強もできるため、国語・英語などの教員免許を取得できます。
図書館司書や学芸員資格、公認心理師、社会教育主事や社会福祉主事などの資格もあります。
「教員免許は取ったけど一般企業に就職したいからアピールにはならないだろう」と思っていませんか?
決してそんなことはありません。
免許や資格は一般企業への就活でも十分にアピールできます。
教員免許なら、教育実習で得た学びや気づきを自己PRにすることもできるでしょう。
文学部出身の学生の強み二つ目は、情報収集やクリティカルシンキングが得意なことです。
このスキルは、研究や論文の作成を通じて得ることができます。
文学部の学生は卒業までに多くの論文や資料を読み、多くの情報を整理して研究・論文作成を行います。
資料を探したり、内容の裏付けとなるエビデンスを探し出すため、情報収集能力が磨かれます。
また、得た情報は批判的な目線でとらえることで、問題点が浮き彫りになります。
「批判的な目線で考える」ことをクリティカルシンキングといいます。
こうして文学部の学生は情報収集力とクリティカルシンキングを自然に身に付けることができるのです。
社会人として働くためうえでも、情報収集力とクリティカルシンキングは有用な能力ですから、就活におけるアピールポイントにもなるでしょう。
文学部の学生は、卒論を通じて論理的思考力と文章力を身に付けることもできます。
文学部の卒論では、研究テーマを決めて多くの研究を読み込み、資料作成も自分で行わなければなりません。
既存の知識から新しい知見を考えるためには、論理的な思考力とそれを表現する文章力が必要です。
例えば、どれほど論理的な思考を得意とする人がいたとしても、それを的確に他人へ伝えるには文章力が欠かせません。
一般企業への就職においても、論理的思考力と文章力の2つは求められるスキルです。
実務的な能力の高さという点も、文学部の強みと言えます。
文学部の就活生が活動を有利に進めるために、知っておきたい5つのポイントを解説します。
文学部の学生が就活を進めるなら、大学で専攻している分野と共通点のある業界を探しましょう。
例えば、文化研究を専門にしているなら、メディアの民族文化を取材する記者として活躍する道があります。
その他にも、芸術作品について研究しているなら、博物館や美術館の職員という道もあります。
自分の専門分野と関係のない仕事を選ぶよりも、自分の専攻してきた分野と少しでも共通点のある仕事を探せば、就活を有利に進められるでしょう。
やりたいことがない場合は、教員や公務員などの安定した仕事を選び、自分の興味が湧く仕事を探すのも選択肢の1つです。
文学部では、大学による違いはあるものの、フランス文学やドイツ文学、英文学などを学ぶことがあります。
専門的に外国語を専攻するなら外国語学部ですが、文学部でも必要な外国語を学ぶ機会はあります。
特に、世界の公用語は英語ですから、文学部で英語を学んでおくことは重要です。
外資系企業で働きたい方や外国での活躍も視野に入れているなら、英語以外の外国語を習得しておくと就活でも有利になります。
英語力を証明するならTOEICなどを受験しておけば、一定の能力を持つ証明としても利用できます。
実践的な語学力を身に付けておけば、就活で高い評価を得られるでしょう。
文学部は論理的思考力と情報収集能力を磨きやすい学部です。
就職先を選ぶ際も、磨いてきた能力を発揮しやすい職場を選ぶことが大切です。
ビジネスで有用な資格を持つ場合は、資格を活かせる職場を選びましょう。
文学部の場合は資料作成を得意とする人が多いため、事務職や営業職、総務としても活躍しやすいです。
まずは自己分析をして、文学部で得た知識や教養、自分の適性を把握したうえで、活躍しやすい職種を選んでください。
ただし、いくら適性がある職種であっても、最終的には自分自身で納得することが大切です。
適性だけを鵜呑みにするのではなく、「自分にとってやりたい仕事」であるかどうかも検討しましょう。
文学部以外でも共通して言えることですが、企業研究と具体的な働くイメージを掴むために、複数のインターンシップに参加することをおすすめします。
既に就職したい企業が決まっている場合は長期インターンシップ、まだ決めかねているなら短期インターンシップに複数参加しましょう。
働く際は憧れだけで決めるとミスマッチに繋がる危険があるため、インターンシップで実際の現場を知ることが重要です。
実際に職場を体験したからこそ、「自分はこんなことに興味があるんだ」「この仕事は向いていないかもしれない」と気付くこともあります。
少しでも気になる企業や職種があれば、インターンシップに参加してみてください。
文学部の就職先は色々ありますが、もっと効率よく就職先を探すなら、就活エージェントを利用するのがおすすめです。
就活エージェントは新卒の方向けにアドバイスや求人掲載を行っており、文学部出身者向けの求人も多数取り扱っています。
就活エージェントだけの非公開求人も多数あるため、普通に就活を進めるより多くの優良企業と出会うチャンスがあります。
さらにES対策や履歴書の添削、面接練習などのサポートも充実。
就活に不安を抱える方でも就活エージェントを利用すれば安心して活動できるでしょう。
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文学部の学生は就職面で不利とも言われていますが、紹介した通り様々な分野・業界を希望し、活躍している人がいます。
中には、スキルや資格もない状態からIT系企業に就職し、システムエンジニア(SE)として働いている人もいます。
文学部出身者は情報収集能力と論理的思考力が高い人が多く、どのような業界でも活躍できる下地があるからです。そして、周囲で「文学部は就職に不利」と言っている人がいても、気にする必要はありません。
文学部だからこそ選べる就職先もあるため、自分の学んできたことに自信を持って就活を進めましょう。