これから就活を進めていくうえで、「他の就活生はどんな仕事を希望するのだろう」と気になっている方も多いかと思います。
今回は大学生がなりたい職業をランキング形式で紹介します。
就職希望の企業ややりたい仕事がまだ見つかっていない大学生は、本記事で紹介する仕事を参考に就活を考えてみてください。
大学生が憧れる職業、やりたい仕事は時代や流行によって変化しています。
最近のことを例にすると、2019年から新型コロナウイルスの感染が拡大し、テレワークやオンラインでの仕事が全国的に普及しました。
その結果、ICTを推進する企業が増えるとともに、イノベーションを生み出すベンチャー企業の成長や地方への移住者も多くなっています。
一方で、密集・密接を避けるという意識が高まり、飲食業や接客業では多くの企業が打撃を受けました。
そうした社会情勢も反映され、近年はデジタル分野の人気が高まり、飲食・サービス業の人材不足が深刻化しています。
やりたい職業という点でも、やりがいを求める人と安定を求める人で就活は二極化しています。
これから就活を始める方は、社会の情勢や技術の進歩、自分を取り巻く環境など色々な視点で検討することが重要です。
2023年の大学生がなりたい職業ランキングについて、TOP10の紹介と結果の解説をしていきます。
1位:事務系
1位は例年とほぼ変わらず、事務系の職種です。事務系は総務や経理など様々で、特に出世やキャリアに繋がる仕事が人気です。
会社の運営にとって欠かせない存在であり、頭脳労働をメインとしていることから、体力に自信のない女性でも働きやすく人気があります。
大学生の間では大手の商社が人気で、近年の安定志向とキャリア志向の両面で事務職を選ぶ人が多いようです。企業によっては総務や経理からキャリアを積み、経営に関わるケースもあります。
また、土日祝日が休みという企業も多く、ワークライフバランスも人気の理由です。
2位:クリエイティブ系
クリエイティブ系の仕事は、新聞や雑誌などのメディア、デザイナー、漫画家など、制作物を発表する仕事のことです。
記者や編集者、執筆活動を行うのが主な仕事となり、オンラインでも業務を進めやすい点が人気の一因にもなっています。
また、クリエイティブ系の仕事はヒット作を生み出すチャンスも多く、クリエイティブな仕事をしたい若い人には人気が高いです。
加えて、近年はSNSで自ら情報発信する若者も多いことから、若い人ほど情報発信が身近になっています。そのため、メディア系の仕事も人気が高いです。
3位:医療系
医療系は、医師や看護師、薬剤師、検査技師など医療に関係する仕事です。
広義には製薬会社も医療系に入るため、非常に範囲が広い職業と言えるでしょう。
専門資格を必要としますが、資格を持っていれば全国どこでも働けるうえ、高い年収と安定した仕事が期待できます。
また、医療現場での経験を生かし、民間企業や医療機器開発メーカーに転職もできます。
今後も必要とされる職業の筆頭であり、大学生からの人気も高い職業です。
4位:技術職系
技術職系は、プログラマーやエンジニアなどのIT系の他、特定分野での技術開発・研究を行う仕事です。
近年のIT技術の進歩、ICTの導入、テレワークの普及によって、これまで以上にITや技術職は人気が高まっています。
特にベンチャー企業ではSaaSやPaaSを活用したIT技術の開発を推進しているため、やりがいを求める大学生に人気が高いようです。
5位:営業職系
営業職は、男子大学生に以前から人気の高い職業です。
営業職は「できるサラリーマン」のイメージが強く、かっこよさを求める人から人気が高いようです。
自社サービスの売り込み方や戦略を考えるのも営業の仕事のうちで、コミュニケーション能力や交渉力、プレゼン能力などのスキルが身に付く点も大学生からの人気に繋がっています。
また、営業で案件や取引先を獲得できれば、成績によって給与が上がり、キャリアアップもできます。
努力した結果が見返りとして目に見えることから、やりがいを求める大学生に人気が高いです。
6位:食品関連
食品関連の仕事は例年人気が高く、大手食品メーカーへの就職を希望する大学生が大勢います。
日本の食品業界は優良な企業も多く、安定志向の大学生からも人気が高い職業です。
一言で食品関連と言っても、製造系・企画・開発・事務系・営業系・配送系と色々な仕事があります。
そのため、食品業界は事務系で入りたい方や、企画・開発をしたい方からも人気が高い点が特徴です。
また、大手企業なら年収1,000万円を超えるメーカーもあり、高収入を求める大学生からも人気です。
7位:アプリ・ゲーム開発職
アプリ・ゲーム開発職は、有名なゲーム開発メーカーやスマホアプリの提供元で、新作のゲームやアプリを開発する仕事です。
近年は子供向けのプログラミング講座も多く、幼少期からアプリ開発が身近にある時代です。
大学生もほとんどがデジタルネイティブ世代になっており、パソコンやスマホと共に成長してきました。
そのため、従来の就活生よりもアプリやゲームが生活にも根付いており、職業としてのアプリ・ゲーム開発者の人気が高まっています。
ゲームやスマホアプリは流行の循環こそ早いですが、ヒット作1つで年間数十億円という利益が出ることもあります。
開発者としてヒット作を出すことも、大学生にとって夢になっているようです。
8位:公務員
公務員は国家公務員や地方公務員などを指します。
国家公務員は難関試験を突破する必要があるものの、採用されればキャリア官僚という道もあります。
地方公務員も安定した仕事と給与に繋がるため、安定志向の大学生から人気です。
また、公務員は一度採用されれば、法律違反などの大きな問題を起こさない限り、解雇される心配がありません。
そのため、他に希望する就職先が見つからない大学生でも、安定した就職先として公務員を選ぶケースがあります。
9位:金融系
金融系の職業は男女問わず人気があり、特に銀行や証券会社は大学生から人気が高いです。
銀行も証券会社も給与面や待遇で好条件のケースが多く、経営も安定している点が人気の理由です。
金融系は経理や営業、資料作成なども仕事となるため、一般企業でも必要とされるスキルを身に付けられます。
金融系の職業は高収入と安定した仕事があることから、安定志向の大学生から人気が高いです。
10位:販売・サービス系
近年のオンライン化の普及で対面でのサービスの機会が減少し、以前に比べると販売業やサービス業の人気は低くなっています。
そのような環境でも、販売・サービス系の職業は一定の人気があり、多くの大学生が就職先に希望しています。
販売・サービスの仕事は、アパレルや飲食店、百貨店など色々な場所で必要とされ、特に女子大学生から人気が高いようです。
人の役に立つというメリットの他、できる社会人というイメージも強く、憧れの職種として人気です。
人気のある職業のほか、適性に合った仕事の見つけ方・ポイントを解説します。
就活において基本となるのは、自己分析で自分自身を理解することです。
紹介してきた人気の職業は「やりたいこと」ですが、やりたいことに適性があるとは限りません。
自己分析で適性や強みを知ることによって、自分にとって働き甲斐のある仕事やどんな仕事を求めているのかがわかります。
自己分析が不十分なまま、人気の職業に飛びついてもミスマッチに繋がる可能性が高いです。
就職後のことまで考え、あらかじめ自己分析を行い、自分に合った職業を探そう
就活は採用されて終わりではなく、働き始めてからが重要です。
興味のある職業や業界があるなら、どのような企業があるのか、自分の希望するライフスタイルに合っているかどうかも調べましょう。
一人ひとりライフスタイルには違いがあるため、無理なく働きやすい職場を選ぶことが重要です。
仕事を長く続けていくには、嫌な気持ちで過ごすよりも、満足のいく環境で働くことが大切
就活で自分に合う企業を素早く見つけるには、自分の重視したい条件を設定することもポイントです。
例えば、土日は休み、残業が月10時間以内、休日出勤がないなど、働くうえで大事にしたい条件を設定しましょう。
条件に優先順位をつけるとともに、妥協点についても考えておくと、魅力的な企業と出会うチャンスが広がります。
あまり条件を厳しくしても、完璧にマッチする企業はほとんど見つからないので注意
人気の職業ややりたい職業に就くには、自分が持っているスキルから就職先を選ぶ方法も有効です。
例えば、簿記の資格を持つなら事務や経理、法学部にいるなら法律事務所や司法書士事務所、工学部にいるなら機械の開発や建築分野などの選択肢があります。
元々持っているスキルを活用できますから、アピールポイントにもなりやすく、就活を早く終えることもできるでしょう。
スキルがあると面接でアピールしやすいので就活に有利
大学生が人気の職業に就職するなら、就活エージェントを利用するのも1つのポイントです。
就活エージェントは無料で利用できることに加え、そこでしか掲載されない非公開求人、親身に相談に応じてくれるキャリアアドバイザーもいます。
就活でわからないことがあっても、キャリアアドバイザーなら大抵の質問には答えてくれます。
他の就活生よりも有利に就活を行いたいなら就活エージェントがおすすめ
職業を選ぶ際、人気の高さもポイントですが、他にもチェックしておきたいポイントがあります。
4つのチェックポイントについて紹介します。
まず大事なことは、自分のライフスタイルに合っているかどうかです。
先ほども紹介しましたが、ライフスタイルは個人差があり、仕事への満足度にも大きく関係します。
せっかく就職できても、早期離職しては苦労して入社する意味がありません。
そのため、職業を選ぶ際は、自分にとって無理のないライフスタイルで働けるかという視点で仕事を探しましょう。
残業が多くても給与が多い職場を選ぶ、休日は趣味を楽しめる時間が欲しいなど、希望するライフスタイルを思い描いてください。
検討した結果、「この仕事は辛いな」と思うようなら、踏みとどまった方が良いケースと考えられます。
職業を選ぶ際は、将来性があるかどうかも大事な判断基準です。
近年はAIの進歩と自動化によって、人間以外にできる仕事が増えています。
例えば、コンビニやスーパーの品出しや会計が自動化されているケースや、自動運転車が開発されているケースのように、人に頼らなくてもできる仕事は、将来人手が必要なくなる可能性が高いです。
仕事の将来性も予測して、自分に適した仕事かどうか考えてみることが重要です。
働き続けるうえで大事なポイントが、仕事内容や仕事量などの働きと比較した時に、それに見合う収入やキャリアを得られるかどうかです。
仕事量や残業、休日出勤ばかりが多く、収入が少ないようなら、ブラック企業の可能性大です。
職場見学や会社説明会に参加して、働き方を直接確認したうえで、収入と見合うか、思い描くキャリアに繋げられるかチェックしましょう。
チェックした結果、ズレがあるようなら就職先として選ぶのは一旦考えるのが無難です。
新卒を求めるのはどの企業も同じですが、残念ながら、企業の中には新卒を使いつぶそうとするブラック企業も紛れています。
優良企業とブラック企業を見分ける1つのポイントが、求人票をよくチェックすることです。
例えば、月収例に大きな幅がある、離職率が異常に高い、求人票が数か月掲載されっぱなしなど、ブラック企業と疑うポイントはいくつもあります。
就職してから後悔するより、求人票で優良企業かブラック企業か見分ける知識を身に付けましょう。
また、人気の高い企業だとしても、優良企業とは限らないことも知っておくべきです。
求人票でおかしな点や気になる点がある時は、評判を調べるか、キャリアアドバイザーに相談するなど疑問を解消してから応募してください。
今回紹介した人気の職業は、大学生から人気が高いため、競争率も高い職業が集まっています。
競争率が高い職業を目指す場合は、強みとなるスキルやアピールポイント、自分の適性などを理解したうえで、満足できる仕事を選びましょう。
そのためには、難易度の高さを理解し、事前準備を怠らないことが大切です。
企業分析で仕事への理解を深め、しっかりと自分という人材をアピールすることも欠かせません。
また、人気の高い職業以外にも、世の中には魅力のある仕事はたくさんあります。より良い職場と出会うためには、視野を広げることも重要です。
人気の高い職業を参考にしつつ、やりがいと満足度に繋がる職場への就職を目指してください。