文学部の就職先人気ランキング!就活のポイントと強みを徹底解説!

文学部出身で就活を進めている学生は、「他の学部の学生に比べて就活で不利に感じる」「他の学生のようにやりたいことが明確になっていない」と悩んでいる方も多いかと思います。

文学部は就活で不利とも言われますが、そのようなことは決してありません。

今回は文学部の就職先人気ランキングと就活を有利にするポイント、文学部ならではの強みを詳しく解説していきます。

就活に悩む文学部の学生は、本記事を参考にしながら就活に取り組んでください。

文学部の就職は不利ではない

文学部の就職は不利と言われますが、決して不利ということはありません。

文学部とはどのような学部なのか、なぜ不利と言われているのか解説します。

文学部は人間の歴史を研究する分野

文学部は、人間の歴史や文化、芸術、哲学など、これまでの歴史を研究する学問分野です。

人文学なら宗教や言語、地理などを学ぶほか、近年は人間心理を研究する人間科学なども文学部の領域の1つになっています。

人間の歴史や文化から人類を紐解いていく学問であり、非常に専門性が高い学部です。

文学部も他の学部と同様、色々な専攻があり、フィールドワークがメインの地理学科、世界の歴史について研究する史学科、文学作品・演劇・アニメなどを研究して文化や時代考証を行う文学科などがあります。

過去の文献や資料からまだ発見されていない事実を推測するため、論理的思考力や分析能力が必要な領域と言えるでしょう。

文学部の就職が不利と言われる理由

文学部出身の学生は、一般的に就職で不利な立場にあると言われます。

不利と言われる理由には、以下の4つの理由が考えられます。

  • 現代のビジネスと繋がりが少ない
  • 他の学部に比べて就職率がわずかに低い
  • 学んだ知識を就活で活かしにくい
  • 学部として企業との接点が少ない

上記4つの中でも、最も有力な理由とされているのが「就職率の低さ」です。

「2022年 学部系統別実就職率ランキング」を見ると、文・人文・外国語系は実就職率が90%前後の大学が多くなっています。

他の学部は多くが90%を超えていることから、わずかな差ですが、就職率が低いと言えるでしょう。

また、文学部は過去の歴史や文学を研究する学問であり、現代のIT技術が進歩したビジネスとの親和性が低いと考えられている点も、就職に不利と言われる理由です。

参考:大学通信ONLINE『2022年 学部系統別実就職率ランキング』

人間に関わる仕事が多い

では、文学部は就職で本当に不利かと言うと、そんなことはありません。

むしろ、文学部出身の学生は論理的思考力が高く、語学にも堪能な人が多いため、就職において色々な選択肢があります。

特にサービス業やメディア、教育業界など、人と関わる仕事の人気が高く、他の学部とは就職先が被りにくいというメリットがあります。

ただし、就活中に「大学で学んだこと」を質問された際、それを説明しにくい点だけが難点と言えるでしょう。

文学部だからといって就活で不利になることはありませんから、自分が大学で何を学び、どんなことを研究してきたのかという点を言葉にできれば、就活でアピールポイントにできます。

文学部の学生が就活をするうえでの強み

文学部の学生が就活を進めていくうえで、どのような点が強みになるのか詳しく紹介します。

教員などの国家資格を取得しやすい

文学部の強みの1つは、教員免許や図書館司書、公認心理師などの国家資格を取得しやすい点です。

特に文学部では学部の勉強と一緒に教職の勉強もできるため、国語・英語などの教員免許を取得できます。

また、公務員として働きたい方は図書館司書や学芸員資格の取得も可能で、一般企業への就活でもアピールできるでしょう。

他にも精神病院や学校のカウンセラーとして働く公認心理師、教育・福祉のプロフェッショナル資格の社会教育主事や社会福祉主事なども取得できます。

就活を有利に進めるためにも、所属する文学部で取得できる資格をチェックしておくことが重要です。

自分の関心を仕事に繋げやすい

文学部は歴史・文化・語学・宗教などを深く追求し、自分の関心がある分野を深めていける学部です。

就活でも自分の学びを活かして、出版業界や映画製作会社、学芸員を希望する人が多いです。

また、より学びを深めたいなら大学院に進学し、そのまま就職するというケースもあります。

そのため、日頃から文学作品や歴史に関心のある方は、学びをそのまま仕事に繋げやすいでしょう。

情報収集とクリティカルシンキングに強い

文学部出身の学生は、卒業までに多くの論文や資料を読み、多くの情報を整理して研究・論文作成を行います。

自分の研究テーマに関する資料はもちろん、内容の裏付けとなるエビデンスを探し出すことも作業の1つです。

そして、複合的な情報から論理的な思考に基づいて結論を導き、最善と言える答えを出さなければなりません。

こうした情報収集力とクリティカルシンキングは、特に文学部の卒業論文作成で必須の能力です。

社会人として働くためにも、情報収集力とクリティカルシンキングは有用な能力ですから、就活におけるアピールポイントにもなるでしょう。

論理的思考力と文章力が磨かれる

文学部の卒論では、研究テーマを決めて多くの研究を読み込み、資料作成も自分で行わなければなりません。

既存の知識から新しい知見を考えるためには、論理的な思考力とそれを表現する文章力が必要です。

例えば、どれほど論理的な思考を得意とする人がいたとしても、それを的確に他人へ伝えるには文章力が欠かせません。

文学部の学生は論理的思考力だけでなく、日常的に文学と触れ合っていることから、高い文章力を持っています。

一般企業への就職においても、論理的思考力と文章力の2つは求められるものです。

実務的な能力の高さという点も、文学部の強みと言えます。

文学部の就活生に人気の就職先ランキング

文学部の就活生に人気の就職先について、TOP5をランキングで紹介します 。

1位:出版・メディア業界

文学部出身の就活生に人気の高い就職先は、出版・メディア業界です。

特に出版社への就職を希望する人が多く、文学部卒業生の就職先の定石となっています。

出版業界もメディア業界もクリエイティブな仕事が多く、現場に赴いて取材を行い、必要な情報を収集して記事を作成します。

文学部で養った情報収集が活用できることに加え、高い文章力も求められる仕事です。

また、自分の書いた記事が雑誌や本で掲載されれば、それ自体がやりがいになります。

世の中の色々な物を見聞きし、自分の言葉で伝えたいと考えている人に向いた仕事です。

2位:サービス業界

次に多いのがサービス業界です。サービス業界は非常に仕事の種類が豊富で、飲食業や宿泊業、医療・福祉業界、娯楽業界、個人の事務所なども含まれています。

文学部の出身者は人と関わる仕事を選ぶ傾向にあり、人気の就職先にも反映されていると言えるでしょう。

また、文学部出身者は英語や外国語も堪能な人が多く、通訳や翻訳、秘書として活躍するケースもあります。

いずれも人と深く関わる職業であり、文学部出身者はサービス業界と相性が良いことが人気の就職先にも関わっています。

3位:金融業界

金融業界はお金の計算が必要なことから、文学部との繋がりをイメージしにくい就職先です。

しかし、毎年一定数の文学部出身の就活生に人気があり、銀行や保険会社などを志望する人がいます。

金融業界を希望する学生の特徴として、学生時代に簿記検定やFP資格、証券外務員資格などを取得している点が挙げられます。

元々お金に関する知識や興味があり、そこから就職先として選ぶケースが多いようです。

就職先によって有用な資格は変わりますから、銀行・証券会社・保険会社のどこを希望するかに応じて、取得する資格も選択してください。

4位:教育業界・公務員

文学部で学んだ知識や経験を最大限活かすという点で、教育業界も人気の高い就職先です。

小学校から高校までの教育機関だけでなく、語学学校や予備校、NPOなど色々な選択肢があります。

安定を意識して地方公務員の学校教員を希望する人も多く、文学部の就職先としては王道と言えるでしょう。

文学部では国語と英語の教員免許を取得しやすく、就職先に教員を希望しない人でも、教員免許を取得するケースは珍しくありません。

就職先に迷っている人でも、安定を重視するなら教育業界に就職するのがおすすめです。

5位:図書館司書・学芸員

文学部では図書館司書や学芸員の資格を取得しやすく、卒業後の就職先に公務員や学芸員を希望する人が多いです。

特に図書館司書は試験がなく、特定の単位を取得すれば資格が得られます。

学芸員資格は博物館・美術館・動物園・水族館などで働くことも可能です。

元々、博物館や動物園などは歴史の研究や動物の生態系保護・研究を目的にしています。

歴史や文化を研究する文学部と相性が良いことから、就職先として人気があります。

文学部の就活生が活動を有利に進めるうえでのポイント

文学部の就活生が活動を有利に進めるために、知っておきたい5つのポイントを解説します。

専門分野と共通点のある業界で探す

文学部の学生が就活を進めるなら、大学で専攻している分野と共通点のある業界を探しましょう。

例えば、文化研究を専門にしているなら、メディアの民族文化を取材する記者として活躍する道があります。

その他にも、芸術作品について研究しているなら、博物館や美術館の職員という道もあります。

自分の専門分野と関係のない仕事を選ぶよりも、自分の専攻してきた分野と少しでも共通点のある仕事を探せば、就活を有利に進められるでしょう。

やりたいことがない場合は、教員や公務員などの安定した仕事を選び、自分の興味が湧く仕事を探すのも選択肢の1つです。

色々な語学を習得する

文学部では、大学による違いはあるものの、フランス文学やドイツ文学、英文学などを学ぶことがあります。

専門的に外国語を専攻するなら外国語学部ですが、文学部でも必要な外国語を学ぶ機会はあります。

特に、世界の公用語は英語ですから、文学部で英語を学んでおくことは重要です。

外資系企業で働きたい方や外国での活躍も視野に入れているなら、英語以外の外国語を習得しておくと就活でも有利になります。

英語力を証明するならTOEICなどを受験しておけば、一定の能力を持つ証明としても利用できます。

実践的な語学力を身に付けておけば、就活で高い評価を得られるでしょう。

活躍しやすい職種を選ぶ

文学部は論理的思考力と情報収集能力を磨きやすい学部です。

就職先を選ぶ際も、磨いてきた能力を発揮しやすい職場を選ぶことが大切です。

ビジネスで有用な資格を持つ場合は、資格を活かせる職場を選びましょう。

文学部の場合は資料作成を得意とする人が多いため、事務職や営業職、総務としても活躍しやすいです。

まずは自己分析を行ってからにはなりますが、文学部で得た知識や教養、自分の適性を把握したうえで、活躍しやすい職種を選んでください。

ただし、いくら適性がある職種であっても、最終的には自分自身で納得することが大切です。

適性だけを鵜呑みにするのではなく、「自分にとってやりたい仕事」であるかどうかも検討しましょう。

複数のインターンに参加する

文学部以外でも共通して言えることですが、企業研究と具体的な働くイメージを掴むために、複数のインターンシップに参加することをおすすめします。

既に就職したい企業が決まっている場合は長期インターンシップ、まだ決めかねているなら短期インターンシップに複数参加しましょう。

働く際は憧れだけで決めるとミスマッチに繋がる危険があるため、インターンシップで実際の現場を知ることが重要です。

実際に職場を体験したからこそ、「自分はこんなことに興味があるんだ」「この仕事は向いていないかもしれない」と気付くこともあります。

少しでも気になる企業や職種があれば、インターンシップに参加してみてください。

就活エージェントを利用する

文学部の就職先は色々ありますが、もっと効率よく就職先を探すなら、就活エージェントを利用するのがおすすめです。

就活エージェントは新卒の方向けにアドバイスや求人掲載を行っており、文学部出身者向けの求人も多数取り扱っています。

適性に合わせた就職先の紹介はもちろん、就活エージェントだけの非公開求人も多数あるため、普通に就活を進めるより多くの優良企業と出会うチャンスがあります。

ES対策や履歴書の添削、面接練習などのサポートも充実しており、就活に不安を抱える方でも就活エージェントを利用すれば安心して活動できるでしょう。

住んでいる地域や職種によってもおすすめのエージェントは違うため、自分に最適なエージェントを探すことが大事です。

まとめ:文学部出身者はIT系にも強い人が多い

文学部の学生は就職面で不利とも言われていますが、紹介した通り様々な分野・業界を希望し、活躍している人がいます。

中には、スキルや資格もない状態からIT系企業に就職し、システムエンジニア(SE)として働いている人もいます。

文学部出身者は情報収集能力と論理的思考力が高い人が多く、どのような業界でも活躍できる下地があるからです。そして、周囲で「文学部は就職に不利」と言っている人がいても、気にする必要はありません。

文学部だからこそ選べる就職先もあるため、自分の学んできたことに自信を持って就活を進めましょう。

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参考サイト
厚生労働省
内閣府
ハローワーク
職業情報提供サイト
日本経済連合会
転職コンサルタント
中谷 充宏
梅田 幸子
伊藤 真哉
上田 晶美
ケニー・奥谷