「料理が好き」「調理の仕事がしたい」という気持ちから、調理師になった方は多いかと思います。
しかし、実際に働くと仕事が大変で、仕事量に対して給料が見合わないことも珍しくありません。
そこでこの記事では、「調理師はやめとけ」といわれる理由を徹底調査。
後悔しないように、辞める前に考えておきたいポイントを解説します。
調理師として働いている人の声として、「調理師はやめとけ」といわれることがあります。
ここでは、調理師が「やめとけ」といわれる理由を5つ解説します。
調理師の職場は外側からは見えにくく、内部ではブラックな環境になっていることがあります。
例えば、調理師が働く職場には下記のようなところもしばしば。
一般企業のオフィスなら当たり前のことが、調理師の職場では用意されていないこともあるようです。
調理師がやめとけといわれる理由には、サービス残業の多さと給料の安さもあります。
下記の表は、飲食物調理従事者と全労働者の平均年収を比較したものです。
男性 | 女性 | |
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調理師 | 395万3,700円 | 267万1,200円 |
全労働者の平均給与 | 563万円 | 314万円 |
平均年収と比べても、調理師の平均年収は50~100万円以上安いことがわかります。
調理師が定時で終わることは少なく、早朝から深夜まで働く体力的な辛さもデメリットのひとつです。
調理師は当日使用する料理のために早朝から仕込みを行い、夜は翌日の準備で遅くまで残って働く職場も多いです。
また、飲食店は基本的に薄利多売な傾向があり、利益を出すために最も削りやすいのが人件費。
調理師一人あたりの業務量が大きくなりがちで、軽い風邪であれば出勤を求められることもあるようです。
日々の睡眠時間が3~4時間になることもあり、若い方でも体力的に大変な仕事といえます。
調理師が最初から調理を任されることは少なく、数年間雑用が続くことがあるのもやめとけといわれる理由です。
調理師の雑用として代表的なものは、次のようなものがあります。
いずれも大切な仕事であることは確かですが、調理師として料理させてもらえない期間が長いと精神的に辛いことは確か。
「いつになったら料理できるのだろう」と闇雲に雑用ばかりすることが多いことから、やめとけといわれるようです。
調理師の仕事は大変なことが多いため、仕事が辛いと感じたときは辞めることも選択肢に入れてよいです。
「辞めたら何を言われるか不安」「次の仕事がないかも」と不安になる気持ちも理解できます。
しかし、調理師は離職率の高い職業で、辞めること自体を不安に思う必要はありません。
就職後3年以内の離職率(宿泊業、飲食サービス業)
高卒 | 大学卒 |
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上記は平成30年卒業者の3年以内の離職率ですが、宿泊・飲食サービス業は離職率が高いことがわかります。
肉体的・精神的なストレスから解放されることを思えば、辛いと感じたときに辞めるのは悪いことではありません。
調理師を辞めると決断してすぐに行動するのではなく、これから何をすべきか考えることが大切です。
まずは調理師を辞める前に考えるべき4つのポイントについて紹介します。
4つのポイントを押さえることで、より良い転職活動につなげられます。
調理師を辞める前に、まずは調理師の仕事を続けるとどんなメリットがあるのか考えることです。
調理師免許は国家資格ですから、料理を提供する場所ならどこでも働けます。
飲食店やホテル、病院、給食センターなど色々な選択肢があります。
自分の技術に自信があれば、店舗を構えることも可能です。
現在の仕事だけで考えるのではなく、他の職場で働くとどんなメリットがあるのか検討してください。
メリットの多い仕事を選べば、調理師として仕事を楽しむ余裕もできるでしょう。
調理師を辞める前に、自分が調理師を辞めたいのか理由と原因を振り返ってみるのが大切です。
例えば、給料の安さ、調理の仕事をさせてもらえない、毎日サービス残業があるなどの理由です。
転職しても解決できない原因があるなら、調理師を辞めることも選択肢に入ります。
逆に現在の職場に原因がある場合は、転職して調理師を続けるのもよいでしょう。
調理師を辞めたい原因を振り返り、次の仕事に活かしていく意識を持つことが大切です。
調理師を辞める決断をする前に、自分が調理師以外になるならどんな仕事がしたいかを見つけることも重要です。
自分の趣味・興味、社会の需要も考えて、自分の適性に合った仕事を探しましょう。
例えば、運転免許を持っている人ならタクシードライバーやバスの運転手、運送業なども転職の候補に入ります。
また、調理師の資格を活かして、料理教室のアシスタントや栄養士を目指す道もあります。
視野を広げておくことで、調理師を辞めても転職活動がスムーズに進められるはずです。
調理師を辞める前に、転職エージェントに相談して別の職場を探すのもおすすめです。
調理師が転職エージェントを利用すると、次のようなメリットがあります。
メリット
調理師の仕事はハードなことが多いですから、転職活動に十分な時間をかけられないことがあります。
そこで、転職エージェントなら自分が活動できない時間でも、おすすめの求人を探して紹介してくれるので効率が大幅に上がります。
自分の求める条件を伝えれば、求人紹介を受けられるため、働きながらでも転職活動が進められるでしょう。
調理師(料理人)が転職活動を進める際は、転職エージェントの利用がおすすめです。
中でも、調理師からの転職におすすめなのが次の転職エージェントです。
それぞれの転職エージェントの特徴について、詳しく紹介します。
調理師としての転職だけでなく、他の仕事へのキャリアチェンジもお考えの方にはリクルートエージェントがおすすめです。
リクルートエージェントは業種・業界、地域を問わず多くの求人が掲載されています。
調理師のキャリアを活かしつつ、一般企業で別のキャリアを積むこともできます。
また、正社員求人を豊富に扱っているため、安定した仕事を見つけたい方にもおすすめです。
「調理師以外にも、心機一転別の一般企業も候補に入れて考えたい」
「調理師の夢があったけど、現実的に他の企業にも目を向けてみたい」
そんな方は、まずは大手のリクルートエージェントに登録しておくのが安心でしょう。
公式サイト | https://www.r-agent.com/ |
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特徴 | 幅広い業種・業界の求人を取り扱っており、アドバイザーの転職サポート経験も豊富 |
業種・業界 | 全業種・業界対応 |
対応地域 | 全国 |
おすすめポイント | 調理師以外の求人も多く掲載されているため、現在のキャリアを活かしつつ、別のキャリアデザインもしやすい |
調理師免許を活かして別の職場で働きたい方は、栄養士転職ナビがおすすめです。
栄養士転職ナビは管理栄養士や栄養士、調理師専門の転職エージェント。
日本全国の病院・介護施設、保育園・幼稚園、飲食店、スーパーマーケットまで様々な求人を紹介しています。
一般には出回らないレアな優良求人も取り扱うので、キャリアアップしたい方にもピッタリ。
希望する求人の条件も細かく設定できるため、ブラック求人を避けて理想の職場が見つかるでしょう。
公式サイト | https://eiyoushi-tensyoku.com/ |
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特徴 | 他の転職エージェントにはない調理師向け求人が多数掲載されており、アドバイザーも業界に精通している |
業種・業界 | 栄養士・管理栄養士・調理師・調理員 |
対応地域 | 全国 |
おすすめポイント | 調理師免許を活かしたまま、転職を成功させたい方やキャリアアップしたい方向け |
「調理師(料理人)を辞めたい」と考えていても、転職・退職のために何をすればいいかわからない方も多いかと思います。
そこで、調理師を辞めたい方によくある質問と回答を紹介します。
A.調理師が転職活動をする際の退職理由には、ネガティブな言葉と悪口は入れないことが大切です。
なぜなら、どの職場にも少なからず不満を抱えることはあり、応募段階で悪い印象を与えないことが重要だからです。
ポジティブな表現で退職理由を書く場合は、次のような例文がよいでしょう。
現在、個人経営の飲食店で調理師として働いています。毎日色々なメニューを素早く、効率的に準備するとともに、お客様に満足いただける料理を提供することを大切にしています。
しかし、現在の職場では自分のオリジナルメニューを作りにくい環境であり、調理師としてのスキルアップにも限界を感じるようになりました。調理師としてよりレベルアップするためにより良い環境を探していたところ、御社の求人を発見したため応募しました。
御社で採用していただいた暁には、調理師としてのスキルアップだけでなく、お客様に喜んでいただけるメニュー開発に取り組んでいきたいと考えています。
前職でマイナスに感じていた部分はなるべく控えつつ、転職後に何がしたいか、どんなキャリアを考えているかなども入れると好印象を与えられます。
A.調理師が働きやすい職場を挙げるなら、次の5つがおすすめです。
料理の腕前を高めたい方は飲食店、糖質や塩分などの健康に配慮した食事を提供したいなら病院や介護・福祉施設がよいでしょう。
子供の発育にかかわる仕事をするなら、学校や保育園、給食センターなどもおすすめです。
また、どの職場も安定した雇用が期待でき、調理師として高い給与を得やすい点も働きやすい理由です。
今回は、「調理師はやめとけ」といわれる理由を5つ解説しました。
調理師は仕事の大変さに比べて、給料が安く、待遇もあまり良くないといわれています。
今の職場で働くのが辛くしんどいと感じているなら、いっそ転職してしまうのも手のひとつ。
調理師のまま別の職場にキャリアアップするのも、心機一転、新しくキャリア形成するのも自由です。
安定して長く働ける職場に出会えるよう、まずはどんな勤め先があるのか求人を覗いてみることから始めてみましょう。