簡単に私の職歴をお伝えしますと、大学卒業後、外資系メーカーに勤務後、日系メーカーに転職しましたので、転職経験は1回になります。
今、現職と同じ業種・同じ職種への転職を希望しており、先月応募した企業の書類選考が通って、先日1次面接に行ってきました。
そこで「仕事上の人間関係で困ったことはありましたか?」という質問があり、正直困惑してしまいました。「ない」と明言するのが正しかったのか、でも現実は誰もが何かしらの問題を抱えているだろうし、と考えあぐねてしまいました。
このような場合、どう回答したら良かったのでしょうか?
キャリアカウンセラー、社会保険労務士
この質問は、「ある・ない」の2択になりますので、その回答をした後に、その背景や理由を述べる必要があります。一見すると「ない」と回答するのが正しいように思うでしょうが、業務経験が豊かなミドル層が、穏便過ぎるくらい全く何もないとすると、逆に主体的に仕事をしてこなかったのではないか、とかえって訝しく思われます。
長いキャリアの中で、真剣に仕事に向き合っていたら、人間関係の壁にぶつかることもあったでしょう。だから「ある」場合は、壁に正面からぶつかったのか、うまく調整して乗り越えたのか、といったエピソードを交えて、仕事に対する真剣さを伝えてもらいたいと思っています。
また「ある」場合でもレベルの低い話、例えば、生意気で言うことを聞かない部下がいて、一緒に仕事をするのに本当に苦労した、前職ではノルマ必達という職場だったので、数字がいかない時は上司に責められて上司との関係性に困った、だけで終わってしまう話は、単なる愚痴にしか聞こえませんので、やめておきましょう。
これに加えてベテランだと、社内政治における派閥争いのエピソードや、経営陣と正面からやりあった自己陶酔の武勇伝といった、トラブルメーカーと懸念される発言は、絶対にやめておいてください。
自己PR例
はい、ありました。現職での上司の煮え切らない態度に対して、私が怒りを覚えて、お互いがギクシャクした件が該当します。私は外資系企業に10年在籍していましたので、「会議は戦場。新人や若手だからといって遠慮するな。何も言わないと、それは了解したことになる。」と当時のボスに叩き込まれてきたため、自分の仕事や担当プロジェクトについては、あいまいにすることなく、また常にしっかりと準備をして会議に臨んでおりました。
その一方で、現職は典型的な日系企業で、これを充分に理解したつもりで転職しましたが、例えば、会議が単なる連絡会だったように、前職との企業文化の差が顕著でした。会議では丁寧かつ的確に発言したつもりでも、後から上司におまえに発言権はない、と言われる始末でした。これには私も忙しいメンバー全員の時間をシェアする意味が見いだせないので、「メール連絡でいいのでは?」と応戦したため、真っ向から意見がぶつかり、お互いにヒートアップしました。後から当時の上司から「若手も年配の嘱託もいろいろなメンバーが参加する当社の会議は、同じ場所で、みんなが面を会わせて、同じ空気を吸って、社内の問題を認識共有し、阿吽の呼吸を持てるようにするのが大事なんだ。」と聞かされ、その主旨を理解しつつ自らの行き過ぎを詫びることで、徐々にですが双方のわだかまりが解けていった次第です。