リハビリ職は男性が多く働いているイメージを持つ方もいらっしゃると思いますが、女性の理学療法士もたくさん活躍しています。
理学療法士の仕事に興味があっても「理学療法士の仕事は体力的にきつい?」と不安に感じている女性も少なくないのでは?
ここでは、女性理学療法士の割合、平均年齢、女性理学療法士のメリット・強み‥など、女性理学療法士の働き方について紹介していきます。
理学療法士を目指している方や実際に理学療法士として働いている女性の今後の働き方の参考にしていただけたら幸いです。
1966年に日本で初めての理学療法士国家試験が実施され183名が合格し、日本初の理学療法士が誕生しました。そして、女性初の理学療法士は1970年に誕生。
その当時は全体の約1割程度だったと言います。
2023年3月末
日本理学療法士協会の統計データによると、2023年3月末時点での男性理学療法士は82,879名、女性理学療法士は53,476名であり男女比率ではおおよそ6:4。女性理学療法士の割合が4割程度まで上昇しました。
1990年以降に理学療法士養成校が増加したことで資格取得を目指しやすい環境が整ったこと、結婚・出産後も仕事を続けやすい一生モノの資格として認識されていることなどが理由として考えられます。
2023年3月末
次に、女性理学療法士の年齢分布を見てみると20代~40代までと幅広い年齢層が活躍しており平均年齢は34.7歳。
特に20代後半・30代後半の女性理学療法士が多いことが分かっています。
26-30歳をピークに女性理学療法士の人数は徐々に少なくなってきていますが、理学療法士の経験を積み医療施設や福祉施設の管理職として活躍する女性理学療法士も多く、男女関係なく管理職になるチャンスが平等にあります。
女性でもキャリアパスを描きながら仕事に取り組める環境があることはやりがいを感じられるのではないでしょうか。
医療専門職である理学療法士の平均年収はどのくらいなのでしょうか?
これらを厚生労働省が発表している賃金構造基本統計調査を参考に見ていきましょう。
※理学療法士だけでなく、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士も含む
【男女別平均年収】
平均月収 | 平均年収 | 平均年齢 | |
---|---|---|---|
男女計 | 約30.1万円 | 約430.7万円 | 34.7歳 |
男性 | 約31.4万円 | 約447.8万円 | 35.4歳 |
【年齢別平均年収(男女計)】
平均月収 | 平均年収 | |
---|---|---|
20 ~ 24歳 | 約25.2万円 | 約335.8万円 |
25 ~ 29歳 | 約27.2万円 | 約392.0万円 |
30 ~ 34歳 | 約29.3万円 | 約421.4万円 |
35 ~ 39歳 | 約31.7万円 | 約455.5万円 |
40 ~ 44歳 | 約34.1万円 | 約497.6万円 |
45 ~ 49歳 | 約35.4万円 | 約518.0万円 |
50 ~ 54歳 | 約34.6万円 | 約515.0万円 |
55 ~ 59歳 | 約38.8万円 | 約570.2万円 |
60 ~ 64歳 | 約32.8万円 | 約462.8万円 |
65 ~ 69歳 | 約31.5万円 | 約467.0万円 |
【経験年数別平均年収】
平均月収 | 平均年収 | |
---|---|---|
経験年数計 | 約28.9万円 | 約416.8万円 |
0年 | 約23.9万円 | 約292.7万円 |
1 ~ 4年 | 約26.0万円 | 約372.2万円 |
5 ~ 9年 | 約27.7万円 | 約402.3万円 |
10 ~ 14年 | 約30.6万円 | 約443.6万円 |
15年以上 | 約34.0万円 | 約505.7万円 |
このように理学療法士の平均年収は男性と女性とで35万円程の差があります。
一般的に理学療法士としての経験年数や勤続年数が長いほど給料が高くなり、管理職になるチャンスも上がるため結婚や出産などライフステージの変化により一時的に仕事を離れることが多い女性は男性よりも平均年収が低い傾向にあると考えられます。
厚生労働省が公表している令和4年賃金構造基本統計調査によると、産業全体の平均年収は約496.5万円であり理学療法士の平均年収である約430.7万円よりも高いことが分かります。
女性の平均年収に限っては産業全体が約394.3万円、理学療法士が約412.2万円のため理学療法士の方が高いですが、より年収を上げるための方法を幾つか挙げていきたいと思います。
経験年数や勤続年収は給料に大きく関わるため、同じ職場で長く勤め役職に就くことで年収アップを目指すことができます。
理学療法士が活躍できる職場はさまざまありますが、働く施設によっても平均年収に違いが出てきます。
年収350万円~450万円 福利厚生が充実している!
年収300万円~500万円 専門性が高くスキルアップできる環境!
年収400万円~650万円 インセンティブ制度がある!
年収300万円~500万円 教育体制が整っているところが多い!
年収350万円~450万円 ワークライフバランス◎!
就業先は理学療法士として興味のある分野、どのような人にリハビリを提供したいのかによって選ぶ人も多いと思いますが、業務内容も含めた上で給料の違いを頭に入れておくと年収アップに繋がります。
「認定理学療法士」や「専門理学療法士」を取得することで知識・スキルの向上だけでなく、昇給に繋がることや転職を有利に進められる可能性があります。
理学療法士は国家資格のため雇用が安定しているだけでなく、患者さんのリハビリの効果を実感できたときに大きなやりがいを感じられる仕事です。
女性が理学療法士として働く場合は体力面の不安を感じる人も多いと思いますが、女性だからこそ感じられる理学療法士のメリットや強みを紹介します。
女性理学療法士のメリット
女性は結婚や出産、子育てといったライフステージの変化に伴い働き方を変えなければいけない場面に直面することがあります。
理学療法士として働く女性も同様ではありますが、医療・福祉関係の施設では看護師をはじめとして多くの女性が活躍しており産休・育休制度や復職後の時短勤務や託児所設備が充実している施設が多くあるので結婚や出産後もワークライフバランスに合わせて仕事を続けやすいことがメリットとして挙げられます。
女性理学療法士の強み
女性や子どもの中にはリハビリとは言え男性の理学療法士が身体に触れることへの抵抗感を持つ人もいるため、女性理学療法士は好まれる傾向にあります。
また、女性ならではの気遣いが患者さんに安心感をもたらす場合も。
赤ちゃんの発達支援から月経関連、産前・産後、尿漏れなど排泄の問題など理学療法士は女性の健康について専門的な立場から関わることも増えてきているため、女性理学療法士の活躍は益々広がっていくでしょう。
最近思うのは🤔
女性理学療法士って男性がしているのと同等の仕事こなしてるのよく考えたらすごいことなのでは…?体力的にも精神的にも。特にママさんPTは帰ってからも育児という仕事あるでしょ?私まだ結婚とか考えてないけど絶対こなせない自信ある😂訳:GW前で気が緩み凡ミスかましたので寝ます😇
— 水月きょうか (@amamyam0) May 1, 2020
女性が理学療法士として働くメリットや強みがある一方で、女性の理学療法士が男性理学療法士と同じ仕事をしていくことは体力的にきついことは確かです。
自分より体の大きな人のリハビリを行うこと、病気やケガなどで弱っている患者さんのサポートは体力を必要とする場面が多いため、理学療法士が体力不足だと患者さんに不安を与えてしまいます。
また、1日の単位数にノルマがある病院や施設もあり1日中動きっぱなしとなりハードワークから疲れが溜まってしまうことも考えられます。
体力に不安があるのなら体力をつけることが一番。
しかし、年齢的な問題や腰を痛めてしまった、職場が忙しすぎるなど体力づくりだけでは解決しない場合は体力的な負担が少ない職場で働くことがおすすめです。
急変リスクが少ない、症状が落ち着いた患者・利用者が多い、患者・利用者に寄り添ったリバビリを提供しやすい療養型病院やデイケア、デイサービスで理学療法士として働くこと、そして患者さんとは直接関わらない一般企業や行政機関、教員として働く方法もあります。
後者の場合は理学療法士としての経験・知識が必要となるため臨床経験を積んだ後に転職をする流れが一般的です。
理学療法士に特化した転職エージェントが◎
無理をして仕事を続けるよりも自分に合った職場で働くためには、理学療法士の転職に強みを持つ転職エージェントを利用して転職を進めていくことがおすすめです。
転職エージェントのサポート内容
このように転職エージェントでは、転職相談から始まり転職活動をスムーズに進めていくためのサービス・サポートが充実しています。
あなたの希望条件にマッチした求人の紹介に加え、個人ではなかなか知ることが難しい職場の内部情報も事前に教えてもらえるので人間関係に不安がある人も安心です。
また、自分からは言い出しにくい休みや給料などの交渉もキャリアアドバイザーが代行してくれるので理想的な転職を実現できる可能性が高まります!
転職エージェントのサービス・サポートはすべて無料で利用できるので気軽に相談から始めてみてはいかがでしょうか。
女性理学療法士の現状や働き方について紹介してきました。
昔と比べて女性理学療法士の人数が増えてきている理由には、一時的に仕事から離れても復職しやすくライフステージに合わせた働き方を実現しやすいことを大きなメリットと感じている人が多いからではないでしょうか?
また、男性よりも女性は平均寿命が長いため、介護やリハビリの現場では女性患者さんへの対応で女性理学療法士が求められる機会も益々広がっていくと思われます。
理学療法士という資格に誇りをもち、そして女性であることを強みに、あなたに合った働き方を見つけてください。