履歴書を書くときに悩む項目といえば「趣味・特技」の項目ではないでしょうか。
「当たり障りないものを書いておけばいいや」と適当に書いている方はいらっしゃいませんか?
自分の好きなことを自由にアピールでき、どんな人物像かを表す大切な項目、趣味・特技の項目を工夫することで、面接の際に採用担当者とのスムーズなコミュニケーションのきかっけにもなります。
あなたが自慢できること、好きなこと、得意なことはなんですか?
今回は採用担当者の注目となる、履歴書で使える特技を10選ご紹介します。
なぜ趣味や特技を質問されているのか不思議に思う方も多いはず。
趣味や特技の項目は、ただ単に好きなことや得意なことを聞いているわけではなく、人間性や仕事への適正をチェックする項目でもあるのです。
採用担当者の目的は、企業のキャリアビジョンに適応できる人材です。学歴が高い人材や資格をたくさん持っている人材が欲しいわけではありません。
自社で働いている人材とうまくコミュニケーションがとれる、職場環境に馴染む学生を1番に臨んでいます。
例えば、「趣味・特技:野球」とされ、学生時代野球部で汗を流している学生の履歴書を見たときに、ただ単に野球が上手なんだなと思うのではなく、野球というチームワークが必要なスポーツを長年やっていたということは、他者とのコミュニケーションスキルも高く、努力家で根気のある学生なんだなと感じます。
また、チームワークをメインとする〇〇事業部が合っている、〇〇事業部は学ぶことが多く大変かもしれないけれど長年野球部で鍛えていたのならじっくりと取り組み頑張ってくれそうだなと採用を検討し、自社のキャリアビジョンのひとつに組み込み想像します。
また、野球が好きな取引先がいれば、この学生とうまくやっていけそうだなということも考えることがあり、趣味や特技の項目は、人間性の想像や、職場環境との適正やキャリアビジョンを推測するのに用いられる大事な項目なのです。
では、企業の採用担当者が望む理想の特技と現実の特技とはいったいどんなものなのか、趣味・特技に結び付けて企業はこれらのベース能力を望んでいます。
趣味・特技の項目に書く内容が一言で終わっていたり、抽象的過ぎたりすると、採用担当者は趣味・特技から人物像を想像しにくく、書類選考の時点でスルーされてしまう可能性も。
趣味・特技は相手が想像しやすいように具体的に記入する
例えば、「特技:ピアノ」だけでしたら面白みもなく、どんな人物かも想像できませんが、「特技:ピアノ(5歳から継続中、〇〇音楽コンクールで入賞、得意な曲は〇〇)」といったように具体的に記入することで、採用担当者は「根気があって努力家なんだな」という印象をもち、得意な曲が偶然好きな曲だったりすると、面接で話が盛り上がることもあります。
企業が望む理想の特技とは、企業に入社した際に培ったスキルを活かすことのできる特技で、関心を持ち、ぜひとも面接で話を聞いてみたいという人物像が想像できるものでしょう。
現実に、自信の特技を企業が望む理想の特技に結びつくかどうかわからない方も多いかと思いますが、実は書き方次第で多くの特技は理想の特技に結びつくことができるのです。
特技の実績、年数、実力などを具体的に記入し、理想の特技に近づけましょう。
履歴書に書きやすい特技の一覧をベーススキル・ビジネススキル・ネタスキルに分けてご紹介します。
サークル・ボランティアなど
仕事の多くはチームワークを中心として業務を行いますので、コミュニケーションスキルは社会人として必須スキルといえます。
チームとの協調性やチームメンバーを尊重できるコミュニケーションスキル、取引先との対話スキルや円滑に仕事を進めるため、適切な敬語を使えること、話を聞く態度、共感性などを持ち、相手のニーズに合った対応をできる学生が求められます。
中でも、同年代との活動だけでなく老若男女様々な年代とのコミュニケーションを行った学生は重宝されやすいでしょう。
マラソン・水泳・登山など
学生時代から社会人となり企業に属すると、ハードワークとなることもあり、ストレスに耐性できる精神力が必要な場合もあります。すぐに仕事を投げ出したり、仕事に対してやる気を失ったりしない人材を求める企業が多くあります。
そのため、マラソン、水泳、登山といった心身ともに負荷のかかる趣味や特技をもつ人材はストレスへの耐性が強いと判断されやすいようです。
イラスト・デザイン・写真など
最近ではインスタグラムを利用する学生が増え、写真が身近なものとなってきました。どんな企業や職業であってもクリエイティブな感覚は必要不可欠です。
新しいことへのチャレンジや取り組み、想像力などを大切にして、既存のサービスだけでなくどんどんポジティブでクリエイティブなサービスを創り出す能力が求められます。
仕事に直結するビジネススキルがあれば積極的に記入し、自己PRして印象付けましょう。
英語・フランス語など
特技に語学力を記入できるケースは目安としてはネイティブとスムーズに会話できる、電話対応できるレベルが必要です。
海外進出のキャリアビジョンを掲げている企業では、語学力の高い学生は役立ちますので、
留学経験がある方などは期間や留学先で学んだこと、経験したことTOEIC○点なども記入しましょう。
書道・将棋・伝統芸など
書道や将棋などは長時間の集中力を必要としますが、仕事においても高い集中力は必要不可欠。仕事に対する取組みにおいても集中して業務ができる人材であると判断されやすいです。書道や将棋など取り組んできた期間や段位も欠かさず記入して実力をアピールします。
また、落語や浪曲など伝統芸の経験のある方は、集中力とともに伝統を大事にする、目上の人を尊重できる、マナーもできる方なんだなと思われやすいですよ。
サッカー・野球・ダンス・テニスなどスポーツ全般
スポーツを経験してこられた方はベースにチームワークが身についているケースが多く、さらに努力や根気といった精神面の強さやタフさも求められます。
仕事を始めて慣れない業務で落ち込むことや仕事でのミスもあるかと思いますが、それに耐え乗り越えていく精神力をもつ人材を望んでいます。
極端にネタとなるような特技を記入するのはNGですが、採用担当者が見て「面白いな、ちょっと聞いてみたいな」という程度のネタスキルを持っている方はぜひ自信をもって記入しましょう。
例えば、人がやっていないような楽器演奏や昭和の名曲を網羅している、紅茶やコーヒーなどの利き茶ができるなどです。自信のあるモノマネがある方は実践を要求されるかもしれませんが、書いてみる価値ありです。
採用担当者が食いついてきそうな、ちょっと笑える特技があれば書かないと損ですよ。
採用担当者に受けの良い特技10選をカテゴリーに毎にご紹介します。
心身共に鍛えることのできるスポーツを継続していた方の印象は大変良いものです。ポジションやスコアなど具体的に記入しましょう。
直接ビジネススキルに結び付くパソコンの技術は、入社後重宝されること間違いなしです。何をどこまでできるのか記入することで、採用担当者が入社後のビジョンを描きやすいです。
楽器演奏の経験年数やコンクール歴、受賞歴、得意な曲なども一緒に記入することで話のネタになりやすいでしょう。
字を綺麗に書ける方はどこへ行っても重宝されます。履歴書の字を丁寧に書き、書道の経験年数や段位を記入することで説得力も倍増。
部活動歴や経験年数、コンクール歴、得意な絵を記入します。
休みの日は〇〇でスケッチをしています等と具体的に記入することで、うまくストレス発散できるタイプだと判断されやすいでしょう。
特技が思い浮かばない方はウォーキングや散歩もおすすめです。健康に気を付けている点と、日課として行っているなら体力もあると判断できるからです。
あまり特技と言う方は少ないかもしれませんが、社会人は身だしなみが大切。毎朝パリッとしたスーツとシャツで出勤できる社員は好まれます。
もちろん、面接の日も丁寧にアイロンをして面接に臨みましょう。
人に教えることが得意な方は「なぜ教えるのが得意なのか」という根拠を挙げましょう。
例えば、学生時代に5人の生徒の家庭教師を受け持っていて高校受験に臨んだなどです。人に教えるスキルが高い方は後にリーダーシップをとることができる人材だと重宝されます。
自信がある場合には記入してOKでしょう。万が一面接時に披露することになるかもしれませんので心構えはしておきましょう。
ただ単にモノマネができるというだけでなく、モノマネを通じて相手を和ませる、明るくするといった具体例も必要です。
学生時代、バイトをされていた方も多いでしょう。
例えばレジの早打ちや暗記力、袋詰めの早さ、ピザが焼ける、カクテルを作ることができるといった内容です。他者と被らないものがあればぜひ記入しましょう。
採用担当者に受けない悪い特技は世間一般にもマイナスイメージの強い特技です。
例えば…
マイナスイメージの強い特技
というようなカテゴリーは記入しない方がベター。
計画性のなさをイメージされたり、借金の可能性を考えられたり…プラスイメージに結びつきません。
政治・宗教活動は、思想に深く関わるテーマですので、対応する人によって考え方が異なる場合や偏見をもっていることもあるため書かない方が無難です。
深く掘り下げることのできるテーマがない場合は、面接でウケが悪くなってしまう傾向がありますので注意しましょう。
これまで、様々な特技をご紹介してきましたが、「やっぱり自分にはなかなかアピールできるような特技がない!」という方もいらっしゃるかと思います。
でも実はアピールできる隠れた特技をもっているかもしれません。
特技がないと思っている方も、毎日続けていることや興味のあることはありませんか?
例えば節約、これだけではただの習慣としてとられてしまい特技とはいえませんが、書き方次第で特技に早変わりします。
節約をされている方、どんな理由で節約をしていますか?節約をするためにどのようなことをしていますか?スーパーの底値を調べて安い材料で毎日自炊をしたり、節約レシピを考案したり、日常生活のワンシーンですが、立派な特技です。
底値を調べるということは、根気も必要ですし計画性も必要、節約レシピは創造性も求められます。
特技を写真とすることもおすすめです。
写真はいつでもすぐに撮影することができますし、個人の感性が重要視されるものなので、エピソードを交えながら〇〇を撮ることが特技です、と言い切ってしまえば特技になるでしょう。
何かの目的に向かって努力するということは全て特技に繋がることを覚えておいてください。最もNGな記入は「特になし」と記入することや空欄のままにすることです。
積極性のない面白みのない人とイメージされるケースや、同じ程度の学歴や資格を持っている方と比べた時に不利になってしまいますので、アピールのチャンスは確実に逃さないことが大切です。
一般的に書類選考率は30%と言われていますので、まずは書類が通過しないと面接にたどり着くことができません。
趣味・特技の項目を軽視している企業はありませんので、採用担当者に「会いたい!」と思わせるような魅力ある特技を記入してください。
履歴書に記入する特技は、「〇〇ができたからすごい」ということをアピールするのではなく、採用担当者の心を引き付ける話のネタになることが本当の役割なのです。
コミュニケーションのひとつとなり、人物像を膨らますことが目的ということを忘れずに記入しましょう。