ヒント3 前職にしがみつかない働き方を選ぶ

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昔取った杵柄は横におく

年齢が高くなるにつれて、それまで働いてきた実績や過去のスキルにこだわりを持つことが多いようです。

60歳以上のシニア向け相談では、特にそれを感じることがあります。

「40年間営業一筋、最後は部長職で定年退職しました。接客は得意なので経験を活かした仕事を希望します。」

こんな相談があるとします。ご本人の経験は素晴らしいし、接客が好きなのも理解出来ます。
でも、態度が椅子にふんぞり返っていて、言葉の調子が「上から目線」を感じてしまうのならこの人が接客で大丈夫だろうか?と採用側は不安になります。(男性に限らず女性にも見受けられます)
まだ部長気分が抜けていない方に、いきなり現場を任せられないものです。

また、ブランクがある女性に多いのが「昔は~」タイプです。

結婚や育児で退職されて久しい方は、現状が見えていない場合があります。

「結婚前は事務を10年ほどやっていました。パソコン操作はあまり得意じゃなくてワードやエクセルはよく分からないので教えてもらえると助かります。」

今どきパソコンが使えないという時点で事務職は難しいですし、手取り足取り教える暇は職場にはありません。即戦力が欲しいという採用側の意図を汲み取れない例です。

以前の仕事が何年前なのかにもよりますが、あまりにも年数が経っているのであればそれは現状にそぐわないですね。
ひと昔前のスキルは使えるものかどうかの判断が冷静に出来るようになっておきたいものです。

経験を無駄にしないためにやる事

では、これまでやってきたことは無駄になるのでしょうか?
そんなことは決してありません。
キーワードは「しがみつかない」です。

基本に戻りましょう。なんのために転職を考えましたか?

  • 他にやりたいことがある→どんどんチャレンジしてみましょう
  • もっと収入を増やしたい→同じ業界で条件のいい企業を探しましょう
  • とにかく仕事がキツイ(体力、気力)→無理せず今出来る範囲の仕事を考えましょう

あなたが求める転職先に行くために必要なことは、前職での輝かしい成績でも想い出でもありません。
今何が出来るかということです。

仕事にブランクがある先ほどの女性の場合は、過去の事務経験を自己PRしてもダメでした。退職から現在に至るまでを伝える必要があるのです。

どうしても事務職に就きたいと思うなら、事前にパソコンの勉強は必要です。最低ワード・エクセルの基本操作が出来ないと職場では誰も教えてはくれませんね。
プラス、今どきの事務職に求められることも情報収集しておく。

その上で、職場で自分が役に立つ人材であることを伝えていかなければならないのです。
ここまで準備する中で「もしかして、私は事務職をそれほどやりたいと思わないのかも?」と気付くことも出て来ます。

同じ事務職でも、企業によって仕事内容は違いますね。前職で慣れているから次も、と安易に決めつけることがないようにしたいものです。

これがラストチャンスだとしたら?

ミドル・シニアという言葉をご存じでしょうか?
「ミドル」は30代後半から50代前半「シニア」は55歳以降と言われています。

40代で転職するということは、定年まで約20年。
50代での転職ならば、定年まで約10年働くことになります。
(但し、定年が60歳の場合)

もしかすると、この転職が職業人生の最後の場所選びになるかも知れません。

ならば、これまでの仕事内容にしがみつく必要性があるかどうかをもう一度考えてみませんか。
積み重ねてきた実績やスキルを捨ててしまうのではなく、それを基に新しい分野に挑戦してみる。
大人になるほど失敗を恐れる傾向にはあります。でも、転職するということはすでに次へ一歩を踏み出すことですね。

「自分の可能性を信じてみること。」これが転職を成功させる秘訣です。

勤務条件や働き方、自分の立ち位置など考えることはたくさんあるでしょうが、これまで身にまとってきた思い込みが実は独りよがりなものだったと気づくのが転職時だったりします。

せっかくの機会です。
実はやってみたいと思っていた仕事や、ちょっと面白そうと感じる企業を見つけたらチャレンジしてみてはいかがですか?
年齢で諦めるのではなく、年齢を重ねてきたからこその経験や魅力を発揮しましょう。

プロフィール

著者写真
相田 良子(あいだ りょうこ)

スイッチプレス代表
キャリアコンサルタント・未来作りアドバイザー

経歴・実績

専門学校卒業後、旅行会社に入社。8年間の勤続後、結婚を機に退職。しばらく主婦業に専念。45歳でキャリコンサルタントの資格を取得。

行政機関の若者就職支援の相談員として5年間勤めることとなる。のべ5300人余の支援をしてきた。主な活動は、各種講演・セミナー、キャリア教育講座、個別キャリアコンサルティング。

運営サイト

年齢であきらめない!40代からの女性の転職5つのヒント

ヒント1「転職したい本当の理由に気づく」
転職したい理由は人それぞれですが、早まって何も考えずに転職しようとしていませんか?
転職してよかったと思えるよう多くのアドバイスを頂きました。

ヒント2「キャリアプランとライフプランを立てる」
転職する時に何を重視して仕事を選びますか?
将来を想像どのように想像するか、自己分析から自分に合った仕事をどのように見つけるかアドバイスを頂きました!

ヒント3「前職にしがみつかない働き方を選ぶ」
年齢が高くなるにつれて、それまで働いてきた実績や過去のスキルにこだわりを持つことが多いようです。
過去にこだわらずにどのように仕事を見つけるかアドバイスを頂きました!

ヒント4「転職前に環境を整える」
親や家族は関係ないと考えがちですが、実は仕事ことも親や家族と共有することは大切です。
それはなぜなのかアドバイスを頂きました!

ヒント5「年齢であきらめない!」
年齢を理由に仕事を諦めようとしていませんでしたか?
「年齢で仕事を諦めるべきではない」相田先生の熱意ある解説を見てみましょう!

参考サイト
厚生労働省
内閣府
ハローワーク
職業情報提供サイト
日本経済連合会
転職コンサルタント
中谷 充宏
梅田 幸子
伊藤 真哉
上田 晶美
ケニー・奥谷