高卒でも大卒に負けない収入を得るには?転職時のポイントも徹底解説!

高卒と大卒、就職や年収で学歴の差はでるのか

人生の大きな転機の一つとして、高校の先の進路選択があります。「進学か就職か」を選ぶことが、人生で最初の大きな選択だという人も少なくありません。

昨今の日本では「高卒よりも大卒の方が優遇される」「大卒の方が就職に有利」など、学歴によって就職に差が出るとされています。

特に高卒の人にとって、学歴格差は非常に大きな問題です。色々な理由から高卒での就職を決意したとしても、望む通り就職できるのかどうかという不安は、実際に就職するまでぬぐえないこともあるでしょう。

ですが、実際に言われている通り、高卒と大卒にはそれほど大きな差があるのでしょうか? 

今回は、転職市場における高卒と大卒の差の実態と、高卒が転職活動を行う上で大切にしたいポイントをご紹介いたします。

[高卒と大卒の違い] 就職事情を比較

高卒と大卒にどのような差や違いがあるか、具体的な数値やデータから比較してみましょう。

大卒より高い!高卒で就職している人の割合

意外と思われるかもしれませんが、高卒者と大卒者で就職率に差はほとんどありません。

厚生労働省のデータによると、平成30年3月に高校を卒業し、就職を選択した人の就職内定率は98.1%でした。一方、平成30年3月に大学を卒業し就職した人の就職内定率は98.0%。

この年、高卒就職者と大卒就職者の就職率は0.1%程度の差しかありませんでした。

高卒大卒以前は大卒の方が高かったのですが、高卒の就職率がここ近年で上昇しています。

労働政策研究・研究機構の報告書によりますと、その理由は建設と介護職の増加にあると言います。

この2つの職種は時代とともに急速に需要が増え、今なお人手不足が続いている状態です。

建設業では資格が不問であることが多く、介護職は資格が必要ですが比較的難易度が低いこと、さらにどちらの仕事も体力が必要という特徴が挙げられます。こうした条件が年齢が若い高卒就職希望者とマッチングしたようです。

さらに平成23年以降高卒の求人率は右肩上がりで、バブル景気期以来の高い水準を記録しています。求人自体の増加も就職率に貢献しているようです。

※引用元 労働政策研究・研究機構 報告書No.201
https://www.jil.go.jp/institute/reports/2018/0201.html

高卒は就職が難しい、大卒だから就職は安心、という以前の風潮はなくなりつつあると言って良いでしょう。

ちなみに転職における就職成功率は、正式なデータは発表されていませんが、大手転職サイトの調査によると高卒も大卒も就職成功率にそれほど差がないことがわかっています。

これは、中途採用では新卒採用と異なり、ポテンシャルよりもスキルや経験を重視する傾向にあるためです。

高卒は離職率が高い

高卒大卒
先ほどもお伝えした通り、平成30年度卒の高卒者と大卒者で、就職率の違いはわずか0.1%。それに加え、わずかなポイントですが就職率が上回っているのは高卒者の方でした。

ではどこで差が出たかと言えば「離職率」です。同じく、厚生労働省が発表したデータによれば、就職後3年以内に離職する割合は、同じく平成30年度3月卒の大卒者では31.2%であるのに対し、高卒者は36.9%と大きな差があることがわかります。

この背景には、日本の高卒の就職活動は学校からの斡旋をメインに行われていることが挙げられます。

学校からの斡旋を受ける場合、ほとんどが「1人1社制」を原則としているため、大卒の就活生のように複数社から比較検討するということができません。

しかも、学校に送られる求人票のほとんどは待遇面が簡単に書かれただけのものであったり、内定が出た場合は辞退NGという暗黙のルールも未だ根強く存在しているため、実際働いてみたら思っていたものと違ったという事象が起きやすいのです。

また、高校生は大学生よりもアルバイトの機会が少なく、社会体験を得られないまま社会人になる人が圧倒的に多いという面もあります。そのため、高校生の就活環境では“社会人として働く”ことのイメージがつきにくく、ミスマッチを起こしやすいと考えられます。

しかし転職市場においては、残念ながらこうした背景はあまり考慮されていません。単に『離職率が高い=すぐ辞める』というイメージがつきまとっているため、高卒はすぐ辞めると考えてしまう採用担当者も少なくないでしょう。
引用元:厚生労働省 学歴別就職後3年以内離職率の推移(https://www.mhlw.go.jp/content/11652000/000845624.pdf)

[高卒と大卒の違い] 転職事情を比較

転職活動の際にも、応募条件に学歴を設定してある企業もまだ多数あります。

そのため「やっぱり高卒だと‥」と自分でも思いがちですが、転職時は学歴よりも経験・スキルが大事です!

就職年齢を比較すると、早い人で高卒は18歳、大卒は22歳から社会人として働き始めます。
その差は4年。大卒よりも社会人経験が長い高卒の経験・スキルを武器に転職を成功させている人も多く居ます。

とは言え、高卒は大卒と比べると転職先の選択肢が少ないことは確かですから、幅広い転職先から企業を選べるという面では大卒の方が有利であると認識しておく必要があります。

Point転職時に必要なのは、学歴より経験・スキル+やる気◎

高卒の人がいずれ転職をしたいと思っているのであれば転職時有利に働く“即戦力”としての『経験』『スキル』『実績』を身につけておくことを一番に考えましょう!
また、人間性やコミュニケーション能力を伸ばしておくことも転職に於いて重要なポイントとなってきます。

[高卒と大卒の違い] 就職後の待遇・賃金を比較

それでは高卒と大卒、実際に社会人となった後には、どのような差が出てくるのでしょうか。

初任給

生涯賃金

職種

出世

これらの項目においての高卒・大卒の違いを見ていきましょう。

学歴でみる初任給(男女別)

最も顕著にあらわれるのは給与額です。厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況」によると、高卒と大卒の初任給の時点で4万円~5万円の差が出ているのがわかります。

もちろん高卒は大卒よりも最低でも4年は長く社会人経験を積むことになるため、同年齢の大卒者が入社する頃には、昇給して大卒者よりも給与が多くなることもあるでしょう。

大卒 高卒
男性 21.2万円 16.8万円
女性 20.7万円 16.4万円
男女計 21万円 16.7万円

参照:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況」

しかし厚生労働省同調査のグラフを見てもわかるとおり、どの年齢においても高卒よりも大卒の賃金が上回っており、学歴による給与の差は簡単には埋められないということがわかります。
参考:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2018/dl/03.pdf)

生涯賃金(生涯年収)

初任給の差を見て想像はつくかもしれませんが、生涯年収においても高卒と大卒では大きな開きがあります。

大卒 高卒
生涯年収 2億5000万円 3億3000万円

参照:ユースフル労働統計 2019「生涯賃金など生涯に関する指標 」

職種

では、どうして賃金に大きな差が生まれてしまうのでしょうか?
その理由の一つには、就職する職種が挙げられます。

大卒 高卒
職種 一般職 総合職、専門職
(※専門的な知識と学力が必要)

総合職や専門職は他の職種と比べると給与が高い場合が多いため、年収も高くなりがちです。自分のスキルや能力を武器にしやすく、キャリアアップの転職も成功させやすいため年収アップも比較的可能なのです。

そのため、総合職や専門職で新卒入社がしやすい大卒者のほうが、給与や生涯年収も上がりやすくなるということなのです。

出世

では、高卒者と大卒者で、出世を目指すのであればどういう対応を取るのがいいでしょうか?比較してみましょう。

  • 高卒出世を目指すなら転職を考える必要も?
  • 大卒一企業で働き続ける場合、上役や経営幹部に就きやすい傾向

転職時の待遇面においては、学歴の差が生じることはほとんどないといっていいでしょう。

企業にもよりますが、転職時の給与を定めるポイントは、本人のスキルや経験と前職での給与です。大卒だから、高卒だからという理由だけで給与が設定されることはほぼありません。

新卒で入社した後のキャリア形成では、特に企業規模が大きいほど大卒と高卒で差がつけられることもあるので、現在の職場で大卒よりも出世したいがその環境がないという高卒者は、転職することで逆に実現できる可能性があるかもしれません。

学歴による有利不利は、本当に存在するのか

高卒と大卒の市場における違いが理解できたところで、いよいよ本題です。中途採用の現場では、学歴による有利不利は本当に存在するのでしょうか。

根深く残る、学力至上主義

転職活動中の方なら、1度は見たことのある求人広告。たくさんの求人に目を通すと、応募要件に『大卒以上』『学士号以上取得者』などという記載を見たことがある方もいるでしょう。

もちろん、『学歴不問』という求人も数多く存在しますが、大手転職サイトに掲載されている求人の内、大卒以上を募集要件とする企業の割合は全体の約44%と半数近くに及びます。当然ながら、高卒は『大卒以上』を募集要件とする企業に応募することはできないので、求人の約半分は応募資格すらないということになります。

また、入社後のキャリア形成においても、役員まで昇進できるのは大卒のみという暗黙のルールや、高卒は管理職になれないなど、水面下でそうした実態のある企業が未だ見受けられることも事実。

まだまだ日本の転職市場においては、学歴を重視する企業が存在しているというのが現状です。

高卒と大卒に決定的な違いはあるのか

ここでは、高卒と大卒で大きな違いはあるのか?という点に注目し、「能力の差」「考え方」について解説します。

高卒と大卒で能力の差は?

大卒は難関な入学試験を合格したり、専門知識を学んできたという点で世間では能力が高いと認識されています。

確かに高卒よりも大卒の方が専門的な知識や課題解決能力は養う機会が多くあります。

しかしながら能力は自分で伸ばしていくもの。高卒でも仕事をしていく中で教養やスキルを伸ばしていくことは可能です。今自分にある能力を知り、伸ばしていこうとする姿勢が大切なのです。

高卒と大卒で考え方の差は?

結論から言うと高卒と大卒で考え方の違いはありません。

考え方はその人の生まれ持った感性と育ってきた環境によって形成されるものです。高卒だから大卒だからと学歴によって違いが出るものではありません

卒業した直後、新卒の状態であれば、高卒と大卒で考え方の成熟度に多少の差は出るかもしれません。しかし、仕事を始めて実務をこなし、社会人としての経験を積むことでその差は気にならなくなるでしょう。

しいて言えば高卒の人の方が大卒の人よりも職歴が長くなりますので、仕事に対する考え方は早く確立されるのではないでしょうか

企業から見た高卒と大卒の違い

高卒大卒
では実際に企業側からは、高卒と大卒の求職者にどんな違いがあると見られているのでしょうか。また、高卒と大卒ではどちらの方が採用したいなど、求職者側にとって有利不利はあるのでしょうか。

確かに新卒で採用する場合には、両社に社会経験の差を感じる採用担当者もいるでしょう。特に敬語やビジネスマナー、パソコンなどのITスキルには大きな差があると捉えられ、中途でも社会人歴が浅いうちはそれが顕著にあらわれることもあるかもしれません。

しかし1度社会人になった後は、同年齢であれば社会人経験が長いのは高卒者。特に20代や30代前半くらいまでは社会人歴の長さがスキルや知識に直結することも多く、大卒よりも長い社会経験の中で培われた技術や経験を買っている企業も多く存在します

Point一度社会人になったあとは、学歴より経験や能力が重要視される場合も

また、大卒者は学生時代にある程度の社会観や職業観を既に形成させていることもあり、高卒ならではの“素直さ”に魅力を感じている採用担当者も少なくありません。

上司や先輩から可愛がられやすいといった人間性は社会人歴を積んでも残るもの。そこを評価する採用担当者もいるでしょう。

違いはないと考えている企業も多い

前述のとり、高卒と大卒には違いがあり、故に募集要件で学歴を定める企業は確かに一定数存在しますが、学歴不問としている企業においては、学歴による差はほとんどないと考えられていると言えるでしょう。

実際人手不足といわれるITや福祉業界においては、未経験であれば大卒・高卒の差は特になく、どのようにスキルを磨き経験を積んでいくかは本人のポテンシャルによるという声もよく聞かれます。

また、高卒者と大卒者の間には「この人には負けられない!」という競争意識が生まれることも少なくありません。そうした両者の競争意識が生む良い影響を狙って、どちらも均等に採用しようという企業も実際にあります。

高卒の転職!成功させる3つのポイント

中途採用では学歴よりも職歴が重視されるとはいえ、やはり転職活動を有利に進めるためには高卒ならではの大切なポイントがいくつかあります。下記の3つのポイントを抑えて、ぜひ理想の転職を実現させましょう。

大卒との違いをアピールする

繰り返しになりますが、同じ年齢であれば大卒よりも高卒の方が社会人歴は長くなります。特に中途採用においては、学歴よりもスキルが重視される傾向にあるので、ぜひご自身の社会経験の中で培ったスキルを存分にアピールしてほしいと思います。

また、高卒で就職すると決めた意識の高さや、仕事をすることに対する熱意などもアピールしたいポイントです。高卒であることを卑下するのではなく、逆に大卒にはない魅力として自身でも捉えることが大切です。

大卒との差を埋める努力をする

高卒大卒
大卒に比べて不利になる要素が自分にあると感じたら、何らかの形でそれを埋める努力も必要です。

大卒者は学生時代に資格取得や語学勉強をしている人も多く、書類審査では有利に働く場合もあります。資格があれば全て解決するわけではありませんが、履歴書に書けることを増やして損はありません。

ITパスポートやマイクロソフトオフィススペシャリストなどパソコン関連の資格やITスキルを身に付けたり、秘書検定やビジネス文書検定などを受験することも高卒者にとって更なる道が開けるでしょう。

Point

就きたい職業のために資格を取るほどの熱意があることのアピールにも繋がるため、資格を取りたい場合はどんどん取って◎

また宅地建物取引士や医療事務、介護福祉士といった専門分野の資格も、手に職をつけられるのでおすすめですし、TOEICなどの語学スキルを磨くことも増々グローバル化が加速する現代には有利に働きます。

大卒者との差を埋めるためには知識が最重要

もし転職市場で高卒者がより有利に転職を進め望む仕事へのキャリアアップを図るのであれば、大卒者との間にある“転職に必要な知識”の差を埋めることを第一に考えましょう。

高卒者は、大卒者のように本格的な就職活動を経験していない方がほとんどです。そのため応募の仕方から履歴書の書き方、面接の受け方など、大卒の就活経験者なら当たり前に知っている前提知識が不足している場合も。

  • 大卒者が当たり前に身に付けている「就職活動の作法・知識」を高卒者が身に付ける機会が少ない
中途採用において高卒が大卒よりも不利になる最大の要因かも

しかし、大げさに不安がる必要はありません。今は転職サイトや転職エージェントなど求職者向けの様々なサービスが展開され、無料の履歴書添削や模擬面接をしてくれるところもあります

そうしたサービスや情報を活用すれば、『高卒』ということだけを理由に転職が不利になることはないでしょう。

応募する企業の体質を見極める

応募する企業自体にも、高卒者が決まりやすいかどうか見極めるポイントがあります。募集要件が『高卒以上』か『学歴不問』であることを前提に、以下のポイントを企業HPでチェックしましょう。

このポイントを押さえると、その企業が学歴を重視する会社かどうかかを簡単に見極めることができます。

1.社員の年齢層の構成を見る

学歴を気にする傾向は、年齢があがるにつれて高まるように感じます。そのため構成される社員の年齢層が若ければ、学歴をそれ程重視しない傾向が強いです。

企業HPに掲載されている社員の年齢構成表や、社員の平均年齢などを参考にするといいかもしれません。
ただし、年齢構成の他に出身校の構成表が掲載されている場合は、ある程度学歴を重視する企業である可能性が高いと考えられます。

2.社長や役員の学歴を見る

企業の根幹となる社長や役員が高卒または中卒であると、学歴を重視しない傾向が強いです。企業HPの社長紹介ページに記載されていることも多いのでチェックしてみましょう。
ただし、面接で直接聞くことは避けましょう。失礼に当たります

学歴で人生は左右されない

高卒大卒
いかがでしたでしょうか。高卒と大卒には、具体的なデータや企業からの見られ方など、確かに違いはあります。

しかしそれが中途採用で直接的に有利不利につながるような差かというと、そうとは言い切れません。あくまで学歴というのは可能性の範囲を決める“資格”と同等のものであり、大卒でないと応募すらできない企業がある一方で、学歴にとらわれず人間性やスキルで判断する企業もたくさん存在します。

皆さんも学歴ばかりに注視せず、これまでの社会人歴で培ったスキルや経験に目を向け、どうキャリア形成するか、どういうキャリアプランにするかなど未来へ向けて注力してほしいと思います。

 
参考サイト
厚生労働省
内閣府
ハローワーク
職業情報提供サイト
日本経済連合会
転職コンサルタント
中谷 充宏
梅田 幸子
伊藤 真哉
上田 晶美
ケニー・奥谷