「40代だけど、会社を辞めたい。なんとかなる?」
「40代から新しいキャリアを積むことは可能?」
そう悩みながらも、年齢がネックで転職の決断ができない方は多いと思います。
実際に、転職は30代までに行う方が多いため、一般的に40代は不利とされているのが現状です。
しかし、40代から転職ができないわけではありません。
本記事では。本気で会社を辞めたいと考えている40代の方に40代で会社を辞めた人のリアルな現状、40代転職を成功させるコツなどを詳しく解説します。
40代で会社を辞め、転職する人は少ないながらも毎年一定数いることは間違いありません。厚生労働省の令和3年雇用動向調査結果の概況によると、40代男性の約7%、女性の約11%が離職したとの結果が出ています。
調査結果から毎年10~13人に1人のペースで、40代の離職者・転職者がいることがわかります。また、離職率とほぼ同じ水準で入職率も推移していることから、会社を辞めても過度に不安を抱くことはないでしょう。
実際に40代で会社を辞めた人、転職した人にはどのような意見があるのでしょうか。退職・転職した人のリアルな声は次のようなものがありました。
40代での退職、転職は厳しいことは確かですが、悩みながら仕事を続けるよりも、退職した自分の行動をポジティブに評価する意見が多く見られました。
ただし、転職するなら高度なスキルや管理職経験がある人ほど有利になるため、仕事から逃れるためだけに会社を辞めるのは避けたほうがよいでしょう。
引用:X(旧Twitter) 「くみ@ママ看護師」のポストより
引用:X(旧Twitter) 「エノ@ブログ初心者」のポストより
引用:X(旧Twitter) 「40代」のポストより
引用:X(旧Twitter) 「もこぴ」のポストより
引用:X(旧Twitter) 「鶴川」のポストより
40代での退職は20代・30代の若手に比べて、不利な立場になることを理解して決断する必要があります。
勢いで退職するのはNGですから、事前に押さえておくべきポイントを5つご紹介します。
会社を辞めるにあたって、まず問題となるのが生活費です。
失業手当の支給で多少カバーすることはできますが、安定した生活を送りつつ転職活動をするには、最低でも半年分以上の貯金が必要です。
また、転職活動にも交通費や通信費などの費用が発生するため、1年分の生活費を用意しておけば安心して活動できるでしょう。
40代の転職は綿密に計画してもすぐに決まらないことが多いため、金銭的な余裕を見てから退職することをおすすめします。
会社を辞める決断をする際、気持ちが強くなりすぎて冷静な判断力を失うことがあります。
後悔しないためにも「会社を辞めたい」という気持ちを一旦抑えて、なぜ会社を辞めたいと思ったのか振り返ってみましょう。
例えば、人間関係や苦手な業務、仕事のやりがいなど、人によって辞めたくなる理由は様々です。
転職先を探すにしても、どんな条件が望ましいのか考えるためには、辞めたいと思うようになったきっかけを知ることが大切です。
一時の感情で退職するのではなく、自分にとって何が悩みの原因になっているか知ることが退職に向けたスタートラインになります。
退職を本気で決断する前に、次の職場を決めてから行動することも重要です。
転職先が決まらないまま退職すると収入源がなくなり、不安定な精神状態で転職活動を進めることになるからです。
現職を続けられる状態であれば、安定した収入を得ながら、休日や有給を取得して転職活動を進めるのがよいでしょう。
ただし、現職では心身に不調をきたすほどの状況であれば、先に退職を申し出てから転職活動を進めることをおすすめします。
勢いで退職する前に押さえておきたいこととして、退職後に何をしたいか考えることも大切です。
40代からの退職と転職はリスクが大きく、20代・30代の若手のように「なんとなく」という気持ちで進めると後悔するからです。
社会人として自分にどのような経験とスキルがあるのか把握し、退職後にできることとのギャップを理解しましょう。
全く未経験の分野に挑戦するのはリスクが高いですから、自分が何をしたいか考えたうえで退職を決断してください。
会社を辞めるという決断は、自分だけでなく家族や周囲の人にも影響を与える出来事です。
例えば、住宅ローンや子供の学費を支払いながら生活するには、安定して高い収入が必要です。
しかし、転職すれば年収は大きく下がるのが一般的ですから、家族や自分に関わる人からの理解なくしては成功しません。
自分を支えてくれている周囲の人としっかり相談し、どのような条件なら転職してもよいのか、転職後の生活をどうしたいか決めましょう。
40代からの転職を成功させるには、外せない5つのポイントがあります。重要なポイントですから、それぞれ詳しくご紹介します。
40代まで働いてきた方の場合、多くの方が業界や会社独自のスキルを持っています。転職する際は培ったスキルを活かし、自分が活躍しやすい職場を選ぶことが成功へのポイントです。
例えば、営業経験が豊富な方なら、業界が変わっても営業職として活躍できるでしょう。また、特殊な資格を持つ人の場合、有資格者を優遇してくれる職場を選べば、即戦力として採用成功につながりやすいです。
自己分析で自分の持つスキルや経験を振り返り、能力を発揮しやすい仕事を探すことが転職成功への鍵になります。
退職時の有給の買い取り制度がない職場の場合、余った有給は退職とともに消えてしまいます。
そのまま有給休暇がなくなってしまうより、退職までに少しずつ紹介しつつ、転職活動に有効活用するのがおすすめです。
日本の企業は土日祝日の休みが多く、休日は転職活動を進めにくいです。
転職活動を効率的に進めるには、有給休暇で平日に時間を取り、職場見学や面接を予定するのがよいでしょう。
有給休暇は会社員の権利ですから、使用期限が過ぎて消えてしまう前に、将来のために有効活用してください。
転職でよくある失敗には、高い年収に注目してしまい、勢いで転職先を決めてしまうパターンがあります。
しかし、自分が転職先に求める条件と会社のニーズが合っているとは限らないため、あらかじめ「本当に自分が求める条件は何か」を明確にしましょう。
そして、会社のミッション・ビジョン・バリューも調査し、自分が転職後にできること、組織に貢献できることを考えてください。
転職後のミスマッチを減らすためには、自分が転職先に求める優先条件と会社のニーズの一致が重要です。
失業手当とは、退職後にハローワークで手続きを進めることで、待機期間経過後に支給される給付金です。
自己都合退職の場合は2カ月程度の待機期間があり、その後5~10カ月間支給を受けられます。
ただし、次の条件に当てはまる方は受給期間の延長が可能です。
40代で退職する場合、病気や怪我で働けない人、60歳以下での定年退職、公共職業訓練を受ける人などの条件に当てはまることがあります。
また、独立開業やフリーランスでも同じく受給期間の延長が可能ですから、制度をうまく活用しましょう。(*)
*参照:厚生労働省『求職者の方へ』
40代の転職を効率よく進めて成功させるには、40代向けの転職エージェントを利用する方法もおすすめです。一般的な転職エージェントは20代や30代を対象にしているため、40代の求人は極端に少なくなります。
一方、40代向けの転職エージェントは中高年向け、管理職向けの求人を中心に扱っているため、他の転職エージェントよりも良い求人に巡り合える可能性が高いです。
そのため、ハードルの高い40代からの転職活動では、40代向け転職エージェントの利用が必須と言えるでしょう。
40代からの利用がおすすめの転職エージェントを2つご紹介します。
リクルートエージェント|業種・業界を問わず幅広い求人を探したい方におすすめ
リクルートエージェントは、20代から40代まで幅広い年齢層に利用されている転職エージェントです。
総合型の転職エージェントですから、業界・業種を問わず様々な求人を探したい方におすすめです。
ハイクラスの求人は少なめですが、条件を定めずに未経験の業界にも挑戦するなら登録しておくのがよいでしょう。そして、リクルートエージェントに掲載されている40代以上の求人は、即戦力を前提にしているものが多いです。
若手に比べるとどうしても選択肢が少なくなってしまうため、多くの企業から自分に合ったところを探せるリクルートエージェントは、40代の転職に向いたサービスと言えます。
公式サイト | https://www.r-agent.com/ |
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特徴 | 幅広い年齢層の転職に対応しており、未経験向けの求人も多数掲載している |
利用料金 | 無料 |
対応地域 | 全国 |
おすすめポイント | 転職サービスの中でも広く知られており、信頼性が高い |
ビズリーチ|40代で高収入の転職を狙いたい方におすすめ
ビズリーチはハイクラス転職に強く、ヘッドハンティング方式を採用している転職エージェントです。
40代以上の方は自分の年収やスキルなどを登録することで、転職市場における自分の価値を知る機会としても利用できます。無料でもサービスは利用できますが、有料のプレミアムステージを利用すると、すべてのサービスを利用できるようになります。
高収入・ハイクラス求人に応募したい方は、プレミアムステージを利用すると、応募できる企業の選択肢が大きく広がるでしょう。
公式サイト | https://www.bizreach.jp/ |
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特徴 | プロヘッドハンターからスカウトが届き、自分の市場価値を客観的に把握できる |
利用料金 | 無料(一部サービスは有料) |
おすすめポイント | 高年収の求人が多数掲載されており、40代以上は管理職求人が豊富 |
会社を辞めたいと考えている40代の方からのよくある質問をご紹介します。
転職活動を進める際は、安定した収入を得られる在職中に行うのが基本です。
生活費に余裕があるのなら退職してからでもできますが、目減りする貯蓄に焦りや不安を覚えやすい点は理解しておきましょう。
在職中に転職活動を進める場合は、退職の意思と予定を先に伝えておく方法と、転職先が決まってから退職の意思を伝える方法があります。
40代の転職は厳しいことが多いため、活動期間は余裕を持ったスケジュールを立てて進めてください。
一般的に転職直後の年は年収が下がりやすいとされています。40代まで昇給を続けていた企業から転職することになるため、基本的に年収ダウンは避けられないと覚悟しておきましょう。
ただし、転職後にも昇給が続き、結果として年収アップにつながることもあるため、長期的な視点で転職先を選ぶことが重要です。
40代の転職活動は3~6カ月ほどかかるとされています。ただし、場合によっては1年近くかかることもあるため、経験やスキル、タイミングによって、うまくいく人とそうでない人がいます。
1日でも早く転職先を決めたいのであれば、より多くの企業に応募し、積極的に活動することが重要です。積極的に行動する方は応募先企業からも評価されやすく、採用につながる可能性が高いからです。
年齢や条件に見合わない転職エージェントに申し込むと、断られることがあります。例えば、20代や30代前半向けの転職エージェントに40代から申し込んでも、サポートの範囲外として断られるでしょう。
また、自分に合っていない転職エージェントに登録しても、時間だけが経過して求人紹介を受けられないことがあります。自分の年齢、スキル、経験に合わせて転職エージェントも選んでください。
都市部から地方にUターンする場合、都市部ほど求人の選択肢がないことは覚悟しておくべきです。特に少子高齢化が進んだ地域では、産業の空洞化が進んでおり、介護や医療しか仕事が見つからないケースもあります。
Uターンする前に、転職エージェントや求人サイトに登録し、地元の求人を検索しましょう。また、ハローワークや自治体によっては、Uターン後の就職支援をしているところもあるため、登録することをおすすめします。
今回は40代で会社を辞めたいとお考えの方のために、後悔しないためにできるポイントを解説しました。40代の転職は若手に比べて厳しいことは確かで、経験とスキルが重要になります。
しかし、40代でも未経験から働ける仕事はあるため、視野を広げることが大切です。転職活動に時間はかかりやすいですが、仕事を辞めてもなんとかなるケースも珍しくありません。
大切なのは年齢を理由に諦めず、積極的に行動することです。「会社を辞めたらもう後がない」「40代で雇ってくれるところなんてないのでは」と不安を抱く気持ちも理解できますが、自分から一歩踏み出してみることで新しい道を開きましょう。