自己否定、自己嫌悪、喪失感…仕事ができない負のスパイラル。会社での居場所がない、仕事に行きたくない、辞めたい…こんな風に毎日過ごしている方いませんか?
仕事ができないのにはあなた自身の問題だけでなく会社に問題があるのかもしれません。
自分はダメ人間なんだ!と自分を責めるのをやめて自信を取り戻しましょう。
この記事の監修者:原わか奈さん
- 株式会社ワーク・ライフバランス
- 国家資格キャリアコンサルタント
- ワーク・ライフバランスコンサルタント
- 財団法人生涯学習開発財団認定コーチ
プロフィール
2008年株式会社マイナビ入社。中途採用サイトのWEB広告・研修等提案営業に従事。2013年に第一子出産後2015年に職場復帰をし、事業部唯一のワーキングマザー営業として従事。2018年からは人事課長としてキャリア採用を担当しながら女性活躍推進、ダイバーシティ企画の社内プロジェクトを始動。ワーキングマザーのネットワーキンググループの立ち上げ、勉強会の開催、イベントの実施などを行う。その後、株式会社ワーク・ライフバランスに転職。前職で培ったHR領域の知見を活かし、働き方改革×採用広報での連載を執筆。採用を強くするコンサルティングにも定評がある。
https://work-life-b.co.jp/staffprofile/wakana_hara
仕事ができなくて情けないなぁと思うのはこんなとき
会社で上司に仕事ができないと怒られたり、ミスをしてへこんでしまったり…仕事ができないといっても様々な意味があります。
例えばどんなときに仕事ができなくて自分を責めるのでしょうか?
業務効率が悪いとき
- 与えられた業務を時間内に終わらせることができない
- 簡単な業務にも時間がかかってしまう
「あの人、1日何してるの?」とシンプルに業務効率が悪い方。「まだそんなことやってるの?」「何でできないの?」と上司に怒られることもしばしば…
のんびりした性格でテキパキと行動できない方や、ある一定の業務に関してだけ効率が悪い方、業務が遅いことを自覚しているのになかなかうまくできず怒られたとき、自分ってダメだなぁと思ってしまいますよね。
ミスばかりするとき
- 何度も同じミスを繰り返してしまう
- 指示されたことをすぐ忘れ同じミスをしてしまう
- 段取りが悪くミスが続く
人間はそもそも失敗し成長するものですが、何度も同じミスを繰り返してしまったとき「どうして自分はミスばっかりするんだろう」と責めてしまいます。
ちゃんとメモを取っているのにうっかりミスが多い方もいますね。シンプルなミスは入社したての頃、少し慣れた中堅に多くみられます。
うっかりミスには自分ならではの特長がある
ミスを防ぐには、自らの仕事の特徴や癖を理解する必要があります。
例えば、マルチタスクが苦手な方は、会議中にタスクが発生した際に聞きながら仕事を受け取ることが難しい、思い込みが強い方は、仕事の依頼を受け取るときに自分の勝手な解釈で認識し、間違ったことをしてしまうなどといった事象が発生します。
自分の苦手な仕事、得意な仕事は何かを自己認識することでミスを防ぐことができます。
適切な対応ができないとき
- トラブルへの対応ができず焦っているばかり
- ミスを誰かのせいにしてしまう
- 電話での対応が苦手
ミスは誰にでもあり得ることですが、多くの場合適切な対応をすれば大ごとにはなにません。
しかし、ミスをしたことでパニックになってしまい適切な謝罪や対応ができずさらに大きなトラブルに発展させてしまったり…こんなとき情けなさを感じる方が多いようです。
指示がないとき
- 指示がないと動けない
- 言われた業務しかできない
- 優先順位を考えて行動できない
1日の仕事の流れは分かっているはずなのに、ひとつひとつの指示がないと何をしていいか分からないとき、突拍子もない業務に手を出して怒られてしまったり…
新人ならば許される行動ですが、1年以上働いている社員なら「もうそろそろ自分で考えて仕事してよ」と言われてしまいます。
指示がないままする仕事が怖いと感じたり、自分で考えて仕事に取り組むことができません。こんな自分を見てイライラする周りの空気を感じ、自己嫌悪に陥ってしまいますね。
プレッシャーに弱いとき
- 取引先と対面すると緊張してコミュニケーションできない
- プレゼンでパニックになってしまう
- 練習ではできるのにセールスになるとできない
営業職にもかかわらず、本番に弱く、プレゼン当日にパニックになってしまい結局何を伝えたかったのか分からなくなってしまう。また慣れない人を前にすると焦って喋れなくなってしまったり…なんてことがあると、営業としては辛いものです。
「おれ営業なのに…」と自己嫌悪に陥ってしまうこともあるでしょう。
仕事ができないのは、あなたのせいだけではない可能性も!
自分が情けなくなるときについてご紹介しましたが、もしかするとあなたのせいじゃなく会社自体に問題があるのかもしれません。
仕事ができないという洗脳、ブラック企業
ブラック企業といえばこんなイメージがあります。
- 残業や休日出勤が多い
- 離職率が高い
- パワハラ、モラハラが日常
- ノルマが厳しい
- 退職できない
あなたが「仕事ができない」と思っているのは、幻なのかもしれませんよ。
「最近の新人は仕事ができないな」と罵倒する上司、会社にいませんか?ブラック企業の上司に多くみられるタイプで自主的に仕事ができない、保守的であることを強調し「仕事ができない」と決めつけてしまいます。
ブラック企業は立派な企業戦士・社畜を作りあげるためパワハラやモラハラを駆使して洗脳教育を行います。
「仕事ができない」と罵倒し続け、仕事以外のことを考えられなくさせる目的があるのかもしれません。
あるいは、そもそも1日で終わるはずのないノルマを与えられているのに、「業務時間内に終わらないのは仕事ができないあなたが悪い」などと言われていませんか?
こういったケースでは、あなた自身が「自分はできない人間だ」と思い込み、感覚が麻痺してしまうこともあるようです。
求人数が多く、ホワイト企業求人も豊富。転職エージェントは複数利用するのが推奨されていますが、dodaは必ず登録しておきたいエージェントです。
ただの放置プレイ、OJTという名の放置
OJT(On-the-Job Training)とは、企業内で実務をしながら行う職業訓練のことで、企業内の教育のひとつです。反対にOFF-JT(Off The Job Training)とは、職場外で行う企業研修やセミナー、通信教育などの教育訓練のことを指します。
OJT教育を行うために必要なこと
- OJT担当者に指導するスキルや知識があること
- OJTの目的や目標が明確であること
- OJTの責任と意欲を持っていること
OJT教育を行うために必要なことは上の3つです。
OJT体制は整っていないと辞める引き金を引く
OFF-JT を行わずOJTのみにこだわる企業の特徴として「自己責任」「自助努力」のもとで社員をほったらかしにするということ。
突然現場に配置し、「仕事は見て覚えるんだ」の指示。
これでは、仕事を覚える前に辞めたくなってしまいますよね。
「みんなこうやって仕事ができるようになったんだ」と言われたら自分がダメなのかと落ち込んでしまう方も少なくありません。
OJTという名の放置プレイのもと、いつまでたっても仕事ができない、ミスばかりしてしまうと「仕事ができない」と思い込み辞めたくなってしまいます。
企業は、社員が基本的なスキルを身につけるまで育成する必要があります。OJTはまさに、人材育成のベースとなるべきものですが、問題のある企業ではベースを作らず、本人のやる気すら失われてしまいます。
「仕事ができない」と感じるあなたではなく、無責任で自助努力のみで成り立っている企業こそが根本的な問題なのではないでしょうか。
新人は仕事ができなくて当たり前
入社してもう何年も経っているのに同じミスばかり繰り返してしまう、怒られてばかりで居場所がないという方はその仕事が自分に合っていない可能性があります。
しかし、あなたが入社したばかりなら「仕事ができない」というのは当たり前のことです。
年齢問わず、たとえ同じ業界から転職して入社したとしても、その会社でのやり方や進め方が全く違うので一から学ばなければいけません。
そのため経験者採用の中途でも、全てを教えてもらえる姿勢ではダメですが、入社後しばらくは新人として見守り役を立てる事がベストです。
分からないことがあれば上司に尋ね対応する、少しずつ成功体験を積み重ねていくことで、ミスをなくし仕事への自信をもつことができるはずです。
入社したばかりなのに「仕事ができない」と叱咤される、会社での居場所がなく落ち込んでいる人は、会社に問題がある可能性も否定できません。
最近は高スキルの人材を求め、教育を放棄している企業が多いとSNSのニュースやコメントでも見れる世の中です。
新人の頃に会社の体制が整っているのか確かめることは重要です。
仕事ができないと悩む人の性格や特徴は?
仕事ができないと感じている人には本人の性格や特徴も影響します。どんな性格や特徴の方が「仕事ができない」と感じてしまうのでしょうか。
人の目が気になる
怒られたくないといつも人の目が気になり、オドオドしているタイプ。
「こんなことしたら怒られるんじゃないか」と気になって指示がないと動けない、あらかじめ決められた仕事しかできません。
人の目を気にせず、自主的に行動できるようにしましょう。
周りと比べてしまう
自分は決して仕事ができないわけではないのに、周りに優秀な同僚がいる場合。
どうしても「デキる人」と比べて「仕事ができない」と落ち込んでしまいます。いつも人より優位に立ちたい性格の方に多く、人と劣っていることが許せません。
人は人、自分は自分と考え業務に取り組むことが必要です。
打たれ弱い
仕事にミスはつきものです。どんなに優秀な人でもミスはしますし、怒られることもあります。
しかし、怒られることに慣れていなくて打たれ弱い人は怒られた記憶ばかりが残ります。
1度怒られると1日中怒られたことで頭がいっぱいになり、1週間引きずることもしばしば。
仕事で怒られるのは当たり前、と割り切りミスをした後に適切な対応ができるよう努力することが大切です。
言い訳や愚痴が多い
「仕事ができない」といわれる人の特徴で多いのは、言い訳や愚痴が多い性格の人といわれています。
ミスや仕事ができないことを誰かのせいにしたり、自分が悪者になりたくないタイプでいつまでも成長することができません。一言、「すいませんでした」と言えば収まるのにその一言がなかなか言えません。
ミスをしたときは言い訳をするのではなく、自分の行動を振り返り失敗を次に生かしましょう。
優先順位がつけられない
仕事ができない人はスケジュール管理ができず、業務の優先順位を考えて行動することができないという特徴があります。
それぞれ与えられた仕事について、どれだけ時間が必要かを考えられないため業務効率が悪くなってしまいます。
業務に取り組む際は、その業務にどれだけの時間が必要か意識を持って進めることで改善されるでしょう。
目標設定が高すぎる
高い目標をもつことは素敵なことですが、自分のスキルや範疇を越えて高い場合、達成できず「自分は仕事ができない」と自己嫌悪に陥ってしまいます。
頑張ったら達成できるラインを目標設定にして成功を積み重ねていくことで、「仕事ができない」と落ち込むことが少なくなります。
質問できない
仕事でミスをしやすい人の中には、質問するのが苦手という人が多くいます。
「分からない」ことが恥ずかしい、自分で認めたくないと思い自分なりに対処したことでミスをしてしまったという結果になることも。
業務中に分からないことがあればすぐに質問し対応することで、ミスを防ぎ良い結果につなげることができるでしょう。
マイナス思考
基本的にマイナス思考の性格な方は、仕事でミスが続き怒られるとマイナスの感情に支配されてしまいます。
そうすると小さなミスでも「自分はダメな人間なんだ」と悪循環が止まりません。マイナスの感情が続くことで、いつも不安な気持ちになり、仕事もうまくいかず最後は会社に行きたくないと暗い気持ちになってしまいます。
マイナス思考の性格をプラス思考に変えることは簡単ではありませんが、仕事のミスをプライベートに持ち込まず気分転換をして気持ちに余裕をもつことが大切です。
会社の為ではなく自分のために働こう
できないからといって下を向いているばかりいると、ますます負のスパイラルに陥ってしまうことがあります。
今働いている会社だけではなく他の会社にも目を向けてみましょう。
働くことはお金を稼ぐ手段だけでなく、仕事から人生の楽しみや充実感を得るものでもあるのです。
「仕事ができなくて辞めたい」ときにできる対処法5選
「仕事ができない」というマイナスの感情からついに「会社に行きたくない、辞めたい」と感じてしまうと、ネガティブな気持ちがループして全てのことが嫌になってしまいます。
心身が疲れ果て、最終的にうつ状態になってしまう方も少なくありません。
そうならないために、「仕事ができない」という考えからポジティブな気持ちに感情を切り替えることが必要です。
気持ちの切り替えができる対処法5つをご紹介します。
1日1つ自分を褒める
仕事でクタクタになって落ち込みながら帰宅したとき、仕事を振り返るとどうしても自分がミスしたことばかりになってしまいます。
しかし、1日の中で自分なりに頑張ったことや「ありがとう」と言われたことなどを1つ書き出し、自分で自分を褒めてあげましょう。
to doリストを作る
今日中にしなければいけないリストを書き出し、達成したらチェックしていきましょう。
to doリストを作れば、業務忘れなどのミスがなくなり優先順位も考えやすくなるので仕事での失敗を減らすことができます。
また、「毎日これだけの仕事が達成できた」と目に見えて分かるので自己価値を高めることにもつながるでしょう。
できない原因を考える
「仕事ができない自分」はかっこ悪いし、恥ずかしい、周りの迷惑になるから辞めようと思うのは簡単です。
しかし転職した会社でも同じようなことになってしまう可能性があります。仕事ができないことを振り返り、原因分析することが大切です。
仕事を振り返ることで、自分自身の改善策が見つかることもありますし、会社自体の問題が把握できることもあります。
周りに相談する
同僚や上司に相談できる環境なら、誰かに相談してみましょう。
自分で「仕事ができない」と思い込んでいるだけでは何も解決できません。
客観的なアドバイスをもらうことで改善した方が良いところのほかにも、できているところも見つけてくれるでしょう。
誰かに相談することで辛い気持ちがスッキリし、チームとしての信頼関係も強くなるでしょう。
職場で相談できる人がいない場合は、友人や家族など身内の方を始め、仕事のプロであるハローワーク、転職エージェントに相談すると客観的な視点からアドバイスがもらえます。
気分転換する
仕事とプライベートを切り替えて休日はしっかりと休みましょう。落ち込んだ感情のまま過ごしていると仕事のパフォーマンスも向上できません。
悩んでばかりではなく、映画を見たり旅行に行ったりと気持ちを切り替えてリフレッシュすることが大切です。プライベートを充実させることで仕事にもしっかり向き合うことができるでしょう。
しっかりした睡眠がポジティブな気持ちと体調をつくります
鬱々とした気持ちで仕事のことを考えても、有効な解決策は思いつきません。ミスやトラブルの原因には、日常の睡眠不足が大きく関係しています。
ペンシルベニア大学の研究結果によると、6時間睡眠を2週間続けていると、2日間徹夜した状態と同じような集中力、認知力になると言われています。
脳機能が低下した状態で仕事をしても、いい仕事はできません。7時間以上の睡眠時間を毎日しっかり確保することで、日中の仕事に集中でき、高い生産性をキープできるようになります。まずは、睡眠の習慣を見直すことから始めてみましょう。
仕事ができない…辛いと感じている40代はどうすれば良い?
先ほどご紹介した対処法を実践しても「やっぱり辞めたい」「仕事が辛い」という方、もう後がないと諦めてしまっている40代に突入した方は仕事を変えてみるのもひとつの方法です。
どれだけ頑張っても努力が実らない、ブラック企業だった場合には、自助努力だけで対応できない可能性もあります。そもそも自分に合った仕事でなかったという可能性もあるでしょう。
不得意な分野の仕事をいくら頑張っても、なかなか結果は出ないでしょう。
今の仕事が向いていない、辞めたいと思っているなら体を壊し、心を病む前に思い切って転職してみると良い結果が出るかもしれません。
仕事を変えることで、気づかなかった自分の強みや隠れた才能が発揮されることもよくあることです。
40代では年齢を重ね求人数が少なくなるので新しい職場を探すのも大変です。
そもそも本当に自分は仕事ができていないのか?どんな仕事が向いているのか?という客観的な評価や分析が必要不可欠です。
もし、40代の方が転職を決めたなら、転職エージェントを活用しキャリアカウンセリングで自分に合った仕事を探すことをおすすめします。
自身の年齢に合わせた職業選択とリスキリングを!
20代、30代では、何の問題もなくできていた仕事が、40代になってやりにくくなることがあります。これは、年齢によって能力のピークが異なることが影響しています。
情報処理能力・記憶力は18歳、顔を認識する能力は32歳がピークといわれています。40代以降では、集中力、感情認知能力、語彙力が能力のピークを迎えます。
これらの背景から、年齢に合わせて、職種や役割を変化させていったり、現段階の能力を捉えて強みを発揮できる領域にチャレンジしたりすることが必要とされ、その上で、リスキリング(職業能力の再開発)に積極的に取り組んでいくことが求められます。
【まとめ】やまない雨はない!辛い仕事から脱却してチャンスを掴もう!
「人生=仕事」という思い込みはやめましょう。
仕事は人生において大切ですが、もっと大切なのはあなた自身です。
人生の中で仕事をしている時間は、実は20~30%程度。
一度きりの人生なのに仕事のことだけを考え、仕事ができないということだけに捉われて自分を責め、悩み続けるのはもったいないです!辛い職場に別れを告げ、ぜひ新しい人生に一歩踏み出してみてください。
勇気を出してスイッチを切り替えることで、あなたという人材を求めている企業ときっと出会えるはずです。”
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