事務職はデスクワークである、残業が少なくワークライフバランスが取りやすい、営業職など他職種と比べ精神的な負担が少なそう、テレワークできそう‥このような理由から女性が転職をしたいと考える人が多い人気職種ですが、人気職種だからこその問題点があります。
それは経験者ですら事務職への転職に苦戦しているという現実があること。
「未経験から事務職への転職は無理なの?」
「好条件の事務職に転職する方法は?」
このような不安や焦りを感じた人も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では【なぜ事務職への転職は難しいのか、事務職で内定を勝ち取るための秘訣、事務職転職で働きたい女性が本当に使える転職エージェント、コロナ禍に於ける事務職転職】について詳しく解説していきたいと思います。
事務職転職成功への足がかりになれば幸いです。
なぜ事務職への転職は難しいのか?その理由として挙げられることは‥
事務職への転職は難しい理由
企業で事務職として働いている人がすべて正社員という訳ではありません。
事務職は正社員としての採用よりも派遣社員やアウトソーシングを使う企業が増えてきていること、業務のシステム化やAI技術の進歩により事務職の採用人数は他職種よりも正社員募集・採用枠が少ないのです。
そして、厚生労働省が毎月発表している全国のハローワークの求職者数、求人数をもとに算出した「一般職業紹介状況」から職業別の有効求人倍率を抜粋したものがこちらです。
職業別 | 有効求人倍率 |
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事務的職業 | |
専門的・技術的職業 | |
販売の職業 | |
サービスの職業 | |
建設・発掘の職業 | |
運搬・清掃・包装等の職業 |
有効求人倍率が1を上回ると求職者よりも求人数が多いことを表し、1を下回ると求職者よりも求人数が少ないことを表します。
人手不足と言われることの多い「建設・採掘の職業」は有効求人倍率4.86倍と高く、単純に考えると100人の求職者に対して486件の求人がある一方で、「事務的職業」の有効求人倍率は0.41倍。100人の求職者に対して41件の求人しかないということになります。
事務的職業を更に細かく見ていくと、
「一般事務の職業」の有効求人倍率は0.33倍と転職が難しい状況であることを実感していただけるのではないでしょうか。
しかし、事務職の種類によっては有効求人倍率が1を上回る職種もある、有効求人倍率は低いが求人がゼロではないので事務職の選び方・転職活動の進め方次第で事務職内定を勝ち取ることは十分可能です。
リクルートスタッフィングの調査によると、緊急事態宣言やまん延防止措置により、キャリアチェンジを希望し転職をした人が全体の約6割ほどいました。
コロナ禍で、働き方に対する考え方にも変化がおき、テレワークができるような企業や職種に転職したいと思う人が増えました。事務のIT化も進み、リモートワークできる求人は増えています。
参照:リクルートスタッフィング『転職者におけるキャリアチェンジの実態調査』
厚生労働省の「令和2年転職者実態調査の概況」によると転職活動方法で最も多かったのが求人サイト・情報専門誌・新聞・チラシ等(39.4%)、次いでハローワークなどの公的機関(34.3%)、縁故(26.8%)、企業のホームページ(15.1%)、民間の職業紹介(14.8%)と続きます。
インターネット時代の現在であっても、就職・転職と言えば“ハローワーク“との意識が根付いているのかもしれませんが、最終学歴別に見ると学歴が高くなるほど民間の職業紹介や企業のホームページを利用した転職者割合が高くなる傾向にあります。
では、事務職の転職にはどのような転職活動方法が合っているのでしょうか?「多くの人が利用するサービス=安心」という考えは危険です。
転職活動方法で多くの人が利用しているハローワークですが、事務職転職には向いていません!
実際にこのような求人をハローワークで見つけ応募するために紹介状をもらいにいくと、求人が掲載されてから3日目で応募者70人超え!‥ということがありました。
たまたま人気のあった求人というわけではなく、事務職の募集は応募が殺到しすぎて1週間以内に応募締め切りなんてことも多いのです。
先ほど紹介した厚生労働省の一般職業紹介状況は全国のハローワークの求職者数、求人数をもとに算出されていることからも分かるように、事務職の競争率が高いハローワークでは話になりません。
パソコンやスマホなどからいつでもどこでも求人を探し、そのまま応募できる転職サイトは手軽・便利・使い勝手がいいため利用者の多い人気サービスです。
だからこそライバルがとても多く、只でさえ高倍率な事務職募集の中ではあなたの存在が埋もれてしまう可能性が高いです。
転職サイトでいくら応募しても書類選考すら通過せず、転職へのモチベーションもどんどん下がり、本来の希望とは違う道を選んでしまう。。。なんてことも実際にあります。
使い方次第ではありますが転職サイトも事務職転職には不向きです。ライバルにも勝てる場所で効率的に転職活動することが大切です。
事務職の求人は倍率が高くライバルが多いことが特徴であるため、その中で内定を勝ち取るにはあなたの魅力をしっかりとアピールしていき転職成功確率を高める適切なサービスを活用すること!
そのサービスこそ「民間の職業紹介」である転職エージェントです。
転職エージェントを利用するメリット
個人での転職活動よりも効率良くスムーズに、そして有利に進めていけるサポートを受けられる転職エージェントなら一人一人に合わせた理想的な事務職転職を叶える可能性が高まります。
転職に不安がある人、なかなか内定をもらえない人、書類選考すら通らずに悩んでいる人は転職エージェントの利用を検討してみましょう。
一口に転職エージェントと言ってもそれぞれに特徴があるので、自分の目的や状況に合わせたサービスを選ぶことが転職成功のポイントです。
数多くある転職エージェントの中から事務職転職におすすめ4社をピックアップしました。
※求人数は2020年1月時点
転職サイトとエージェントサービスの2つの機能を併せ持つ転職支援サービスがdoda。
20万件以上(※2023年3月時点、非公開求人を含む)の豊富な求人数、親切・親身な対応が利用者満足度の高さに繋がっています。
女性のキャリアアドバイザーが多数在籍。転職希望者のライフスタイルに合わせて働ける企業が豊富で、提案力も高く子育て中のママも安心。時短勤務や残業少なめの企業への転職もdodaなら可能です。
dodaにも様々な事務職求人があり「営業事務・一般事務」「総務・法務・知財・人事アシスタント」「経理事務・財務アシスタント」の順で求人が多く(※2023年3月時点)、ハローワークなどでは出会えないような大手・優良企業の事務職求人を紹介してもらえるサービスです!
スカウトサービスも併用すると隙間時間に効率良く転職活動を進めていけます。
公式サイト | https://doda.jp/ |
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年齢 | 全年代対象 |
実績 | 顧客満足度No.1 |
特徴 | 時短勤務や残業なしなど女性に理解のある優良求人豊富 |
事務職の求人数 | 約7,500件(※2023年3月時点) |
AI技術を駆使した日本最大級の求人データベースから、あなたにマッチした事務職求人を見つけ出してくれる転職サイトがリクナビネクストです。
“事務職転職に転職サイトはNG”とお話しましたが、リクナビネクストは豊富な求人数に加えスカウト機能が充実しているので転職エージェントと+αで併用して利用するのにぴったりなサービスです。
どのような転職先があるのか情報収集として使うこと、マイペースに転職活動を進めて行きたい人は登録して損はありません。
公式サイト | https://next.rikunabi.com/ |
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年齢 | 全年齢対象 |
実績 | 転職者の約8割が利用する定番転職サイト |
特徴 | 未経験・社会人経験なし歓迎求人豊富 / 雇用形態が様々 |
事務職の求人数 | 4,674件(うち、1,570件は未経験者歓迎の求人) |
フリーター・既卒・第二新卒など未経験からの正社員就職に特化した転職エージェントがハタラクティブです。
未経験者向けながら、内定率80.4%、書類通過率は91.4%と高い実績を誇ります。
ハタラクティブは採用職種全体の8%が事務職であり一般事務・アシスタント・貿易事務などの事務職求人を保有しています。
経歴よりも人柄を重視した採用を行う企業の求人が多いハタラクティブなら、経験ゼロからの事務職も夢ではありません!
公式サイト | https://hataractive.jp/ |
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年齢 | 18~29歳に特化 |
実績 | 正社員就職成功率80.4%、利用者実績は約15万人以上 |
特徴 | 求人の80%以上が正社員未経験可 |
転職エージェントのことを知れば知るほど、転職活動で転職エージェントを利用しない人は時間を無駄にしているのでは?利用している人と比べて損をしているのでは?と思うようになります。
転職エージェントのサポート
就職・転職活動では“自己分析”と“情報収集”が大切と言われますが、それらを行っていく中で個人の力だけではどうにもならないことや膨大な時間が掛かってしまうことがあります。
しかし、転職エージェントのサポートがあれば一貫したサポートの中で自己分析と情報収集を効率良く行うことが可能。
キャリアカウンセリングを通して自己分析を行うことができ、一般には公開されていない非公開求人からの紹介を受けられる。
個人では難しい応募先企業の内部事情(人間関係、労働環境など)を事前に知ることができ、応募先企業ごとに合わせた応募書類作成や面接対策、言い出しにくい年収など雇用条件の交渉を代行してもらえるなど‥転職希望者にとってのメリットがたくさんあります。
もちろん自分の力で道を切り開いていくことも大事ですが、転職エージェントのサポートを受けて効率良く有利に進めていくことも戦略の一つではないでしょうか。
高倍率な事務職転職を叶えたいのであれば転職エージェントの利用が必須です。
最低でも2~3社の転職エージェントに複数登録をして、比較検討をしながら転職活動を進めていきましょう!
これらを見極め最終的に一番信頼出来る転職エージェントを選びましょう。
オフィスワークと言っても、たくさんの種類があります。簡単な特徴と、メリット・デメリットをまとめたので、自分の性格・スキルによって検討してみてください。
書類作成や電話応対、メール対応。郵便物の仕分け、ファイリング・データ集計など、庶務的な内容やアシスタント的な仕事が中心になります。
理想像:経験・資格がない人や、自分からガツガツ仕事をするのが苦手な人におすすめです。みんなのサポート役なので、それが苦にならない人がいいでしょう。事務経験者や、接客業からの転職だと物足りないと感じるかもしれません。
ビルの受付、企業の受付、クリーニングなどの店舗受付など。受付のみ、受付から案内まで、受付からその後の接客までと、企業によって業務範囲が多少違ってきます。
理想像:大手企業の受付事務は、ルックスはもちろんビジネスマナーも求められます。また、契約社員が多いのも特徴です。会社の信用問題に関わりますので、突発的な対応や、クレームがあった場合にも慌てず対応できる柔軟力が必要です。未経験者の狙い目は中小企業の受付・案内事務です。
コールセンターには、インバウンド(電話を受ける)とアウトバウント(アウトバウンド)の仕事があります。インバウンドの場合、総合案内やアフターフォローなど問い合わせに対して対応します。アウトバウンドなら、基本的に電話の営業と考えていいでしょう。
理想像:アウトバウンドなら、どんな内容にも答えられるように幅広く勉強する必須となってきます。覚えることが苦にならない人がいいでしょう。またクレーム対応に耐える心があるといいですね。アウトバウンドは、相手に話を聞いてもらえるとは限らないので、強い心が必要です。給料は事務職より高く、未経験募集も多いため単発や派遣でも人気の職種です。
OA事務の場合、書類・資料作成などがメイン。Word、Excel、PowerPoint、Accessの中級以上のスキルは必須。企業独自のソフトを使う場合もあります。データ入力は企業によってかな入力だったりと、自分の得意分野とは限らないので事前にチェックしてくださいね。
理想像:この仕事はある程度パソコンに強いことが前提です。データ入力、OAオペレーターともに確実さと速さを求められます。あまり自分で考える仕事ではないので、黙々と仕事をこなすのが好きな人におすすめ
営業アシスタントと呼ばれる場合もあります。企業によっては、営業事務=内勤営業を指す場合もあります。商社やメーカーに多く、見積書の作成や、受発注、納期調整、単価交渉などを行います。内勤営業の場合は、外に出ないだけで、営業の代わりにお客さんとやり取りすることも多くなります。
理想像:お客さんに左右される仕事ですが、量をこなすこと・人と関わりながら仕事を進めるのがすきな人におすすめです。パソコンスキルより、コミニュケーション能力と、折衝力が必要です。事務と営業の中間のようなこの仕事を気に入っている人もいます。給料は一般事務より少し高め・時期により残業が多めです。未経験OKの求人もあります。
小学校や中学校、高等学校、専門学校、大学など教育機関で働く事務職。学校施設・備品の管理や発注、データ入力、書類作成、ファイリング、郵便物の発送、学生・教員応対、電話・メール応対、来客応対、伝票処理・管理‥など施設の管理や総務・経理業務を行います。学校の規模や種類によって仕事内容が異なり、大学事務は「学生課」「教務課」「財務課」など担当業務により部署が設置されています。
理想像:学生・生徒の成長や夢をサポートできる大学事務・学校事務は、学生の悩みを解決してあげたい人や成長を近くで見守りたいお世話好きな人、窓口対応も多いのでコミュニケーションを取ることが好きな人にピッタリなお仕事です。また、デスクワークを中心とする事務処理が多いためコツコツ地道に作業をこなしていける人に向いています。
営業事務と似ている部分もありますが、貿易事務の場合、英語スキルは必須です。輸出入に関わる業務や、商品の手配納入、配送管理など企業によって業務範囲が異なります。
理想像:ビジネススキル、柔軟力、折衝力など求められるスキルが高いため、お給料も高めです。残業が多いですが、様々なスキルを身につけ転職しやすい職業でもあります。
請求書関連、入出金の管理、売掛・買掛管理、現金出納帳、仕分け、伝票の振り替え、決算、など企業によって様々。簿記の資格を持っていないと就きにくい職業です。事務未経験から就くことは難しく、一般事務より更に人数は限られ、給料も高めの為募集がほとんどでません。
理想像:決算や仕分けがある場合は簿記2級は必須もしくは経験必須。請求書や現金出納帳、伝票振替などの仕事は稀に未経験OKの求人があります。時期により残業がありますが、給料が高く、募集人数がかなり限られるため人気の事務職です。管理職にキャリアアップしやすい職業でもあります。
法律にまつわる各種手続きの代行、それに付随する業務のアシスタントなど。個人事務所であれば庶務や、秘書的業務を任されることもあります。
理想像:責任があり、合わないと続けにくい仕事です。個人事務所であれば人間関係に大きく左右されるため、面接のフィーリングを大切にしましょう。シーズンにより残業が立て込むこともありますが、独立や、転職のときに強い職業でもあります。未経験なら、個人事務所でアシスタント・秘書を募集していることもありますので、そこから始めるのもいいでしょう。未経験ならリクナビやとらばーゆで探してみてくださいね。
スケジュール管理、来客対応、業務の代行、情報管理など求められることは、会社により様々。場合によっては、英語スキル必須の場合もあります。
理想像:コミニュケーション能力と、情報判断能力は必須です。誰かをサポートするのがすきな人にはやりがいのある仕事でしょう。秘書職の募集は年々少なくなり、ハードルも高くなっています。外見採用や、印象に残るアピールポイントが必要です。急募案件が少ないため、気に入られないと採用が難しい職業でもあります。未経験の場合、零細企業や個人事務所を狙いましょう。
病院やクリニックなどの医療機関で働く事務職であり、主な業務は受付・会計業務、審査支払機関に対して診療費用の請求を行うレトプト業務、患者さんと医療スタッフをつなぐクラーク業務があります。病院・クリニックの顔として患者さんと接し、医療機関の経営を支えるやりがいのある仕事です。
理想像:病院事務・医療事務の仕事は無資格・未経験OKの求人も多くありますが、病院事務・医療事務ではパソコンを使う作業が多く覚えることも多いので、ある程度の知識と基本的なパソコンスキルを持っていることが望ましいです。そのために医療事務資格の取得を目指してみてもいいでしょう。また、患者さんや医療現場のスタッフと良い関係を築くためにもコミュニケーション能力がある人や思いやり・心配りができる人に向いています。
2020年に起こった新型コロナウイルス感染拡大により様々な仕事への影響があり、2021年になっても収まる気配がありません。
こんな時に転職をしても大丈夫なのだろうか?と思う人は多いと思いますが、コロナ禍だからこそ他業種・他職種へ先を見越した転職をする人が増えているとも言われています。
コロナ禍の事務職転職への影響ですが、事務職の転職が難しい理由の一つとして「事務職は正社員よりも派遣社員やアウトソーシングを使う企業が増えてきている」とお話ししたことを覚えていますか?
コロナ以前であれば、未経験から正社員として事務職への転職が難しいのなら一度派遣社員として働き経験を積むことも一つの方法‥とお話ししていたかもしれませんが、コロナの影響で業績が悪化した企業の「派遣切り」が増えているのです。
事務職への転職を考えているのなら必ず正社員として採用してくれる企業であることを絶対条件とすることが大切です。
そして、令和3年1月の有効求人倍率との差を表したものがこちらです。
職業別 | 有効求人倍率(対前年同月差) |
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事務的職業 | |
専門的・技術的職業 | |
販売の職業 | |
サービスの職業 | |
建設・発掘の職業 | |
運搬・清掃・包装等の職業 |
全体を通し昨年よりも高くなっており、事務的職業も昨年との差は大きくはありません。
事務職という職種だけを考えると転職への影響はそれほど大きいものではありませんが、withコロナ時代の今、新たな職場・働き方を目指し転職を進めていくことが望ましいでしょう。
女性に人気の職種だからこそ事務職内定は狭き門となっており、未経験からの事務職転職であれば尚更困難となるでしょう。
数多くのライバルから事務職の内定を勝ち取るには手厚いサポートが受けられる転職エージェントの利用が欠かせません!
効率良く少しでも有利に転職活動を進めていくことで理想的な事務職転職へグッと近づきます。あなたの転職がより良いものとなることを願っています。