こんにちは、キャリアカウンセラーの藤井佐和子です。
私の仕事は、女性が活躍しつづけるためのキャリア相談に乗るカウンセリング業務や、女性活躍推進のための講演や研修です。
今までカウンセリングでは、述べ13,000人以上の女性とお会いしていますが、ご相談に来る方は幅広く、20代~50代全般の働き続けたいと思っている女性の皆さんです。
キャリア相談を15年ほど受けていますが、最初の頃の相談の特徴は、「いずれ結婚や出産のタイミングが来たら、仕事を辞めることもあると思います」、「パートナー次第です」という方が多かったことです。
しかし、ここ最近の相談の9割以上の方は「専業主婦では不安」とおっしゃり、「結婚出産も望んでいるが、結婚後も働き続けるためにはどうしたらいいのでしょう?」とおっしゃる方がほとんどなのです。
ずっと働きたい。でもどのように働き続けていくのか。そこには、ライフイベントとの両立への不安が見えてきます。
ライフイベントに左右されるのは、もちろん女性だけではありません。男性も同じく、ですが、大きな違いは、妊娠です。妊娠出産前後は、母親の方の負担が増えます。
女性のキャリア相談や研修では、ビジョン、未来の活躍イメージを描くお手伝いをします。しかし、特に若手女性の多くが「そこなんですよ、そこが明確だったらいいのですが・・・」とおっしゃいます。
明確に描けない理由として、
などがあります。
しかし、だからといって、行き当たりばったり、はよくありません。もちろん、思いもよらないこと、計画通りに行かないことは人生に起こります。
その時、その都度、プランを修正することもありますが、修正するためにも、最初からの計画があった方が、行き当たりばったりではなくなります。
ライフイベントは大事です、そして、それを守るためにも、プランを立て、できることを着々とやっておくことは、大事です。そこで、悩んでいる女性の皆さんにすべきこととしてお伝えしていることを3つ、紹介してみたいと思います。
これは、特に20代若手女性に贈りたいメッセージです。
社会人スタートの頃は、不慣れなことだらけで、「できた」という実感がないまま、自信がなく日々過ごしていることも多いもの。失敗も多く、不安だらけのなか、仕事だけでなく、プライベートもどうなっていくんだろう、と漠然と悩みがちです。
以前、「仕事は坦々とやり過ごし、それよりもプライベート重視で考えたいと思っているのですが・・・」とのご相談がありましたが、本当は両方得られることが、両立の秘訣なのです。
仕事もプライベートも繋がっています。そして、仕事にやりがいを感じられれば、自然とプライベートも充実していきます。
まだ若手のうちに答えを見つけるのは早い、とお伝えしたいです。仕事を頑張っていくと、ある時、急に出来るようになったり、やりがいが見えてきたりするものです。そうすると、おのずと「もっと頑張りたい」「この仕事は私がやりたい!」と思える執着心が湧いてきます。
そんないい意味での執着心を持つ女性たちを見ていると、皆さん共通して、「今の仕事を手放さず、なんとかやりくりする」方法を見つけています。仕方なくやりくりするのではなく、楽しみながら、どうやったら両方できるのか、をイキイキと前向きに考えているのです。
結婚出産前は、身軽な時期。ここですべきことは、より多くの実績を残すことと、人脈づくりです。
特に出産時期は、ペースダウンせざるを得ないですし、そんな中、なるべく成果を落とさないで、時短制度を利用しながら働くには、実績をもとにその経験を活かしながら活躍することと、助けてもらえる味方がいること大事。
今まで適当に仕事をしていたり、人のために何もしてくれない自己中心的な人には、手を差し伸べてくれる人も少ないのです。「あの人、以前頑張っていたし、私の時も助けてくれたから!」こんな風に周囲からたくさんのサポートを得られるようにしておくことです。
また、産休育休に入る際、上司との面談は欠かせません。
自分が復帰したらどんな仕事をしたいのか?例えば、今の役割は手放したくないのであれば、それは伝えるべきです。でないと会社や上司は復帰後、「育児に負担のないように」といった観点から仕事を割り振ることも。
「お休みする前に、私が頑張ってやってきた、手放したくなかった仕事を復帰したら、後輩に任されていて悔しい思いをした」こんな話をカウンセリングでされる方もいらっしゃいます。そうならないためにも、産休育休前、復帰時は勿論のこと、お休みの間も、上司と連絡を取り合ったり、同僚に状況を確認したり、と会社との縁は切らないようにしてほしいものです。
結婚したらゴールではありません。私のところへの相談でも、
「結婚後に初めて、旦那さんが何事も非協力的だったことを知った。」
「旦那さんは勿論、あちらの家族が揃って、私に専業主婦を望んでいたことを知った。」
「40代になったら、旦那さんが田舎に戻って家業を継ぐことを初めて聞かされた」
などなど、こんな声が実に多いのです。
自分の結婚観とは違うのに、適齢期だからと結婚に踏み切って、結婚後に後悔する人もいます。ワークとライフ、どのように考えているのか、自身の結婚観を相手に伝え理解しあえていることが、ライフイベントも仕事もうまくいかせるコツになります。
第2回「妊娠・出産するときは退職?それとも仕事と両立?」へ続く