子供に手は掛からなくなってきたがお金が掛かる。
20代、30代の既婚女性は子育てに追われ、40代、50代になってくると教育資金や老後の蓄えのためにお金のやりくりに追われている‥という人も多いのでは?
40・50代女性は子育ても一段落し、いざ働きに出ようと思っても「仕事がない」「仕事が決まらない」といった事態に陥るケースもあります。
年齢が上がっていくにつれて仕事探しが難しくなってしまうことは考えられますが、本当に仕事がないのでしょうか?
もしかしたら「仕事がない」「仕事が決まらない」と悩んでいる人は求職活動の方法を間違えているのかもしれません。
ここでは、50代女性の仕事探しのポイント・採用されるためにアピール出来ることなどを詳しく紹介していきたいと思います。
50代女性が仕事探しで直面する壁は、具体的にどのようなものがあるのでしょうか?一つ一つ見ていきましょう。
平成19年10月に雇用対策法が改正され、募集・採用における年齢制限の廃止が義務化されています。
普通に考えれば「年齢不問」の求人に50代が応募するのは可能なため、世の中には溢れるほどの求人があるため“仕事がない”訳ではないはずです。
しかし、年齢とは言わず様々な理由で断られ面接まで辿り着くことが難しいと感じてしまう人がいることも確かです。
定年までの年数によっては若い人を‥と考えられてしまうことも。
また、採用された場合でも一緒に働くスタッフの年齢が自分と離れていると「馴染めない」「浮いている」と気が引けてしまうこともあります。
最後に働いたのが結婚前や出産前である場合、ブランク期間が長いため働く感覚が鈍くなっている、新しいシステムについていけない、仕事が覚えられない(時間が掛かる)、身体がついていかない‥といったような不安を感じてしまうものです。
50代はまだまだ元気!体力には自信がある!と思っていても、20代・30代と比べると疲れやすい、疲れが取れにくい、身体の痛みといった問題が出てくることもあるため、無理をし過ぎて体調を崩してしまうことのないような仕事選びをしていく必要があります。
50代女性の仕事探しで不安な気持ちを抱えている人は意外と多くいるものです。
どのような悩み、どのような経験をしているのかネットに投稿された体験談を見ていきましょう。
長年勤めていた会社を退職しました。
本当ならこのままリタイアしたいのですが、働かないわけにもいかないので現在仕事探しをしていますが全く仕事が決まりません。
50代になると仕事を選んではいけないのか、雇ってくれるだけで有り難いものなのかと考えてしまいます。
56歳で事務の仕事に採用され働きだし、もうすぐ1ヶ月が経ちます。
パソコン操作が苦手な私の働きぶりを見た社員が「続けていくのは大変じゃないですか?」と声を掛けてきました。
上司に相談すると「居てくれるだけでいいよ」と言ってくれたのですが、周りの社員の反応を見ていると辞めた方がいいのでは?と考えてしまいます。
年齢不問の事務員の求人を見つけ、応募可能か企業に問い合わせたところ「年齢は?」と聞かれたため正直に50代であることを伝えました。
そうすると「もう募集は締め切っています」と言われ電話を切られてしましました。
その後も求人を確認すると募集中になっており、結局は年齢で断られてしまったようです。
このように、仕事が決まらない、採用後も苦戦してしまうといった50代女性の体験談を見ることが出来ました。
私の40代後半になる知人も病院内レストランの求人にネットで応募したけれど一向に連絡が来ないと言っていました。連絡が来ない理由は定かではありませんが「年齢かな?」と思っているようです。
理不尽に感じてしまいますが、落ち込んでいても仕方ないのでどのように仕事探しをしていけばいいのかを次に紹介します。
50代女性の仕事探しでは、年齢、ブランクの長さ、体力面のような不安要素をどのようにカバーしていくのかが大切なポイントとなります。
50代女性が意識すべき仕事探しのポイントを見ていきましょう。
働く上で給料は大事ですが、通勤のしやすさや働く時間帯、1週間の勤務日数、雇用形態、経験の有無、体力面での負担の大小など自分のライフスタイルに合わせ無理をし過ぎず働ける環境であることが大切!
仕事を覚え一人前に働けるようになった頃には定年を迎えてしまうのでは自分自身だけでなく企業としても残念な気持ちになるでしょう。
定年の有無や年齢を事前に確認して、健康で元気なうちは長く働ける職場を選ぶようにしましょう。
大手外食チェーンでは定年制の廃止や年齢を75歳まで延長など長く働ける環境が整っている所も少なくはありません。
ハローワーク、折り込みチラシやフリーペーパー、店頭の求人募集などから求人情報を集めることも大切ですが、インターネットを活用し自分の希望条件に合わせて豊富な求人の中からピンポイントに探せる求人サイトや、担当者のサポートを受けながら求職活動が行える転職エージェントの利用もおすすめです。
幅広い年代が利用出来るものから50代・60代向けの求人サイトや転職エージェントもあります。
※転職エージェントは希望条件に合わせた求人の紹介が受けられるだけでなく、紹介先企業の内部情報(人間関係、労働環境など)を事前に教えてくれるので入職後のミスマッチを防ぐことができます。
様々な職種を経験し自分に合った仕事を見つけたいのであれば派遣会社に登録をして派遣スタッフとして働いてみる選択肢もあります。
派遣スタッフはライフスタイルに合わせた働き方が可能であったり、時給が高いといったメリットがありますが、同じ職場で長く働きたい人にはあまり向いていません。
そして、年齢やブランクの長さをカバーしていくためには以下に挙げたような“50代女性の強み”を上手くアピールすることで採用される確率がグッと上がります。
就職を考えた際に資格をとった方がいいのではないか、と考える方も多いと思いますが、中途採用は資格より経験を重視されます。志望している職種で活かせる経験を持っているなら、具体性や根拠を示しながら、応募書類や面接でアピールしていきましょう。
未経験の職種であっても、仕事への意欲、職種の経験以外でアピールできることなどを伝えていきましょう。
50代女性には以下のような強みがあります。企業が採用したくなるような魅力をアピールしていきましょう。
50代女性の強み
このグラフは女性の年齢階級別就業者数の推移を表したものです。
※参照:男女共同参画局『女性就業者等の現状』
https://djrenrakukai.org/doc_pdf/2018/16th_keynote1.pdf
昭和52年、平成9年と比較して平成29年では全体的に女性の労働力率が上がっており、60代になると労働力率が下がるものの50代でも80%近くの労働力率があることが分かります。
女性の労働力率が上がった背景には、女性の社会進出が進みつつあることや共働き世帯の増加、多くの企業が人材不足であることなどが考えられます。
仕事探しのポイントを押さえつつ、50代女性ならではの強みをアピールしていくことで「仕事がない」「仕事が決まらない」といった悩みを抱えずスムーズな仕事探しをしていけるはずです。
そして、以下のグラフは年齢階級別非正規の職員・従業員の内訳を表しています。
※参照:総務省統計局「労働力調査 平成30年平均」
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/dt/pdf/index1.pdf
女性の非正規職員・従業員(パート・アルバイト、契約社員、派遣社員など)68.4%のうち、45歳以上が占める割合は56.4%(※割合は、内訳の合計に占める割合)と半数以上となっています。
家庭と両立できる範囲・家計の足しになる程度で働きたいと考える女性も多く、ライフスタイルに合わせた働き方や無理をしない働き方にはパート・アルバイトや契約社員、派遣社員が合っているのではないでしょうか。
それ以前に、ブランクがある人であれば尚更のこと50代から正社員として働くことはそう簡単ではないということも頭に入れておく必要があります。
以前、朝の情報番組で紹介された「子育て世帯の1ヶ月の消費支出額」が話題になりました。
京都総評が2019年12月に発表した『京都生活実態調査(最低生計費試算調査)』では、年代別の子育て世帯が普通の生活をするために必要な1ヶ月の金額を以下のように試算しました。
詳しい資料を見ていただくと分かりますが、特別贅沢な暮らしをしているわけでもないごく一般的な子育て世帯をモデルとしており、この結果は京都市ですが全国的にも同様の結果となるとも言われています。
あくまでもモデルケースであるため、実際にはここまでの金額は掛からないことも考えられますが夫だけでなく妻も働く“共働き”で家計を支えていく必要は少なからずあるのではないでしょうか。
「50代だから雇ってくれるところはないのでは?」と行動する前から諦めてしまっている人、「全然仕事が決まらない」と実際に苦労している人。
仕事に関する様々な不安や悩みを抱えている50代女性は多いと思いますが、やり方次第で状況が大きく変わることもあります。
言葉には出さずとも年齢を理由に断るような企業はこっちから願い下げくらいの気持ちで“仕事へのやる気” “努力する姿勢”を評価してくれる職場を見つけましょう。
自信が無さそうな様子では良い印象を与えることが出来ません。50代女性の強みを武器に自信を持って求職活動を進めてみましょう。