更衣室がない、医師に間違われる…元男性看護師が語る【男性ナースあるある】とは

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医療機関で働く看護師の男女比は、女性が9割以上を占めています。

少数派の男性看護師には、男性ならではの立場、人間関係、患者様対応などのあるある話も多いです。

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元男性看護師の筆者が、苦労・仕事・人間関係などでのあるある話を紹介します。

男性看護師は苦労もありますが、面白さとやりがいもあります。看護の仕事に興味のある方はぜひ参考にしてください。

男性看護師あるある~苦労編~

男性看護師の多くが苦労しているあるあるの事例をご紹介します。

  • 相談できる先輩が職場にいない
  • 女性患者様や男性嫌いの患者様に拒否される
  • 院内に男性用スペースが少ない
  • トイレで着替えることがある
  • 過去の男性看護師の行いで偏見を持たれることがある

相談できる先輩が職場にいない

男性看護師は女性中心の職場で働いているため、病棟で相談できる男性の先輩がほとんどいません。

そのため、同じ病棟の仕事や人間関係の悩みを相談できる相手がおらず、自分の中で抱え込むことがあります。

病院で働く場合は他の病棟の話や相談を聞いたり、院内研修でお互いの話をしたりすることで、悩みを相談するのがおすすめです。

色々な話を聞くことで悩み事解決の糸口が見つかることもあるため、人に相談することが大切です。

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筆者の場合は学校の先輩が同じ病棟で働いていたため相談できましたが、先輩のいない同期の男性看護師は大変苦労していました。

女性患者様や男性嫌いの患者様に拒否される

看護師として働いていると、女性患者様や男性嫌いの患者様にあたることもあります。

男性看護師が嫌いな方からは、明確な拒否の意思を示されたり、心ない言葉をぶつけられたりすることもあります。

その場合、ショックを受けることもありますが、落ち着いて女性看護師を呼ぶなど、大人の対応を行うことが大事です。

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筆者も拒否された経験があり、その後は患者様に対して「男性看護師が担当でも問題はないか」と尋ね、ワンクッション置く対応を行うようになりました。

女性患者様は特に男性への警戒心を抱きやすいですから、慎重な配慮を行いましょう。

院内に男性用スペースが少ない

近年は改善していますが、かつては男性看護師用のスペースが少ない病院もありました。

特に築年数が古い病院では、女性用のスペースは多かったものの、男性用の休憩室などがないことも珍しくありませんでした。

男性でも過ごせるスペースがない場合、休憩や食事は時々別の部屋または男性職員の集まる場所に行くと、気分転換になるのでおすすめです。

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筆者も築40年以上の病院に一時期勤めており、休憩も食事も女性専用スペースで過ごさざるを得ないことがありました。
他に男性もいないため、男性看護師にとっては居心地の悪さとストレスを感じていました。

トイレで着替えることがある

古いクリニックや病院のあるある話の一つとして、女性用の更衣室しかなく、男性看護師がトイレで着替えることもあります。

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筆者の知る男性看護師にも、場所がなかったためトイレで着替えた経験のある方がいました。

もちろん、新しいクリニックや部屋が余っているクリニックであれば、男性用の更衣室に割り当てられることはあります。

男性看護師が就職や転職をする際は、更衣室についても確認したほうがよいでしょう。

過去の男性看護師の行いで偏見を持たれることがある

過去に在籍していた男性看護師が原因で、他の男性看護師まで偏見を持たれることもあります。

例えば、過去に患者様への言葉づかい・態度の悪い人や勤務態度の悪い人がいた場合、同じ男性看護師というだけで偏見に苦労する人もいます。

真剣に仕事へと取り組んでいれば評価も変わりますが、最初のうちは苦労することも多くなるでしょう。

この場合、社会人としてのマナーや言葉遣いを守り、良好な人間関係を保つようにすると徐々に偏見はなくなります。

また、人から指導や注意を受けたら、素直に受け入れる真摯な姿勢も大事にしましょう。

男性看護師あるある~患者様対応編~

患者さまへの対応でも、男性看護師ならではあるある話があるためご紹介します。

  • 患者様からすぐ覚えてもらえる
  • よく医師に間違われる
  • 女性嫌いの患者様対応を任される
  • 検査や処置で指名されやすい

患者様からすぐ覚えてもらえる

男性看護師は看護師の中では少数ですから、患者様から名前を覚えてもらいやすいです。

一つの病棟に30人程度の看護師が在籍している場合、男性の人数は3~4人ほどです。

全員白衣で患者様に接するため、患者様は顔と名前で特徴を覚えるしかなく、女性看護師は覚えられていないことも少なくありません。

しかし、男性看護師は人数が少ないため患者様から覚えてもらいやすく、信頼関係を築きやすい点が強みでもあります。

患者様から覚えていてもらえれば、仕事への意欲にもつながり、医療も提供しやすくなるため、男性看護師でよかったと感じるでしょう。

よく医師に間違われる

医療機関で働く男性看護師は、患者様から医師と間違われることがよくあります。

昔から「医師=男性」のイメージがあり、男性看護師は服装や年齢を問わず医師と間違われるからです。

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筆者の先輩もよく医師と間違われていたため、初めて会う方には必ず「看護師の○○です」と自己紹介をしていました。
実際に筆者も医師と間違われたことが何度もあり、最初に「看護師」と名乗ることにしていました。

男性看護師の多くが経験することですから、間違われても徐々に対応にも慣れてくるでしょう。

女性嫌いの患者様対応を任される

患者様の中には、女性が身体に触れられることを嫌う方や女性看護師嫌いな方もいるため、男性看護師に対応を任されることがあります。

そうした方は多くが女性への不信感や過去の病歴が影響しているため、通常よりも丁寧に対応しなければなりません。

男性看護師には心を開いてくれることも多いため、男性ならではの仕事へのやりがいと言えるでしょう。

ただし、他に男性看護師がいない場合は、自分一人が専属で対応することになりやすいため、他の患者様への対応に支障が出ないように注意が必要です。

検査や処置で指名されやすい

外来や検査部門で働く男性看護師の場合、患者様から指名されることもあります。

患者様の中には男性看護師のほうが安心できる人や、技術が高いと感じている人もいるからです。

技術面に関しては男女の違いはほとんどありませんが、患者様を安心させるためにも、指名された男性看護師が対応しましょう。

指名されるということは患者様からの信頼の証でもあるため、看護師としてのやりがいにもなります。

男性看護師あるある~仕事編~

仕事での男性看護師あるあるについてもご紹介します。

  • 力仕事やトラブル対応を頼まれやすい
  • 医療機器やパソコンの不具合対応に呼ばれる
  • 夜勤回数が多めにされる

力仕事やトラブル対応を頼まれやすい

男性看護師は患者様の移乗介助、重量物の運搬、酸素ボンベの整理などの力仕事を依頼されることが多いです。

例えば、せん妄で暴れる患者様や、荒っぽい言動・行動で治療行為が難しい患者様への対応も、男性看護師に頼んでくるケースがあります。

また、クレームや暴力で問題のある患者様には、コードホワイトで男性看護師が招集されることもあります。

医療現場での力仕事やトラブルを解決するために、男性看護師の力が必要になる場面は少なくありません。

医療機器やパソコンの不具合対応に呼ばれる

男性は機械類や電子機器に強いイメージがあるため、医療機器やパソコンに不具合があると、真っ先に男性看護師へと声がかかります。

しかし、実際には男性全員が機械類に強いわけではないため、呼ばれても対応できない場合も多いです。

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筆者も男性という理由で何度も呼ばれましたが、対応できない不具合が何度もありました。

電子カルテを使用している医療機関では、電気工事士やエンジニアが配置されているところも多いため、わからない時は専門家に依頼しましょう。

夜勤回数が多めにされる

男性看護師は体力面で優れているため、女性看護師に比べて夜勤回数を多くされる傾向があります。

女性には急な体調不良で早退や欠勤することもあるため、その際も男性看護師が代わりに担当を依頼されることが多いです。

その代わり、夜勤回数が多い分は日勤業務で周囲からサポートしてもらい、助け合って働くのが基本でした。

男性であっても夜勤が多いと体力的に辛くなりますから、厳しいと感じた時は上司に相談しましょう。

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筆者の場合も、通常月8回程度の夜勤回数が10回以上になったことがあります。

男性看護師あるある~人間関係編~

男性看護師の人間関係のあるあるについてご紹介します。

  • 男性看護師同士で意気投合しやすい
  • トラブルの仲裁役になることがある

男性看護師同士で意気投合しやすい

男性看護師は全体数が少ないため、男性看護師同士で仲良くなりやすく、すぐ友達になれます。

男性看護師同士が集まると職場の話でお互い共感しやすく、男性ならではの悩みも相談しやすいからです。

男性が少数な看護師だからこそ仲間意識が強く、仕事外でも遊んだり、宴会を開いたりする機会も多いです。

男性看護師同士で仲良くなれれば、仕事のストレスを忘れて一緒にリフレッシュし、日々の仕事への意欲も高まります。

トラブルの仲裁役になることがある

女性の多い看護業界では、女性同士のトラブルや患者様とのトラブルが時々起こります。

仲の悪い人同士で仕事をしていると、お互いに協力しあうことが難しく、仕事がうまくいかなくなることもあります。

その場合、中立的な立場になりやすい男性看護師が仲裁役となり、仕事のフォローに入ることも珍しくありません。

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筆者が働いていた時も非常に仲が悪い女性看護師同士がおり、どちらもグループ化していたため、仲裁役を看護師長に頼まれた経験があります。

ただし、自分の範囲外の仕事を肩代わりする可能性もあるため、できる部分とできない部分は区別しましょう。

自分までトラブルに巻き込まれ、ストレスで体調を崩す看護師もいますから無理はしないことが重要です。

男性看護師の増加で働きやすい職場も増えている

20年ほど前までは看護師は女性の仕事で、男性看護師は珍しい存在でした。

しかし、男性看護師は2010年から2020年までの10年間で、5万3,000人ほどだったのが、10万4,000人と2倍近く増えています。

そして、全体数が増えるにつれ、男性も当たり前に看護師として働く時代が訪れました。それに伴い、男性看護師が働きやすい環境を作っている職場もあり、男性看護師あるあるも時代とともに変化しつつあります。

これからも男性ならではの苦労があることは間違いありませんが、時代とともに男性看護師にしかできない仕事、需要は増えていくでしょう。(*)

*参照:厚生労働省『令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況 P2』

まとめ:男性看護師のあるある話はコミュニケーションにも役立つ

看護師全体で男性の割合も年々増えており、色々な場所で男性看護師が働きやすくなっています。

どこで働く場合でも自分のあるある話は看護師同士、患者様との会話のネタとして役に立てられます。

看護の基本はコミュニケーションと信頼関係です。多くの人に信頼され、活躍できる男性看護師を目指して努力しましょう。

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