少子高齢化と言われ、年々出生率が下がっているにもかかわらず待機児童問題が一向に解決しない。
安倍内閣の政策“アベノミクス”でも「女性が輝く日本へ」として女性の社会進出が含まれているように、結婚後に専業主婦ではなく共働きを選ぶ女性が多くなったことは女性の社会進出が進んでいると同時に待機児童問題の理由の一つとなっています。
待機児童問題を考えると共働きをすることは難しいのでは?と思うかもしれませんが、昔のように「夫が外で働き、妻は家庭を守る」のではなく、今では「夫と妻で家計を守る」ことが老後の安心に繋がる!と言われています。
ここでは夫婦で正社員として共働きすることのメリット・デメリットから、正社員の仕事を見つける方法など‥これからのことを考え共働きを検討している人に役立つ情報を紹介してきたいと思います。
※参照:男女共同参画局「男女共同参画白書(概要版) 平成30年版」
http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h30/gaiyou/html/honpen/b1_s03.html
男女共同参画局が発表した共働き等世帯数の推移を見てみると、昭和55年の614万世帯から年々増え続け、平成9年に共働き等世帯が無業の妻を上回り平成29年には共働き等世帯数が1,188万世帯となっています。
働きたい女性が増えたことも確かですが、昔のように妻が専業主婦でも暮らしていけた時代ではなくなってきている(働かないと家計が回らない)と感じている人も多いのではないでしょうか?
このように女性の社会進出が進み共働き世帯が増加傾向にありますが、20代後半から30代にかけての女性の就業率が低くなっているというデータも別にあることから、結婚・出産・子育てなどライフイベントの変化により仕事を続けたくても離れなければいけない状況におかれてしまうことは今後の課題でもあります。
厚生労働省の2019年国民生活基礎調査の結果から、18歳未満の子どものいる世帯における末子の母の仕事状況を見ると、「仕事あり」と答えたのは72.2%、「仕事なし」と答えたのは27.8%でした。「仕事あり」のうち、正規の職員・従業員は26.3%で、非正規は36.9%、その他9.0%となっています。
こちらの調査では父が就業しているか不明にはなってしまっていますが、正規の職員・従業員の数は10年前と比べると10%ほど増えています。
2019年 国民生活基礎調査の概況
(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/02.pdf)
私は専業主婦も経験したことがありますが、現在は共働きです。
専業主婦のときは生活にメリハリをつけることで一苦労。趣味も特にないのでとにかくヒマでした。
今は共働きで家事を分担して、お互いに文句も言わず上手くやっている方だと思います。
お金は稼げても時間に余裕がなくなることもあるので、家事代行のようなものもたまに利用しつつネットスーパーや生協なども上手く活用してメリハリのある生活をしています。
子供が小さいうちは専業主婦でしたが、子供の手が離れてきたことと家に居ることにストレスを感じるようになったので働き始めました。
共働きになり、私個人としては会社の人達と触れ合うことで生活に張り合いを持てるようになり、イキイキしていると自分でも思います。
家事は完璧には出来ていませんが、夫や娘達が手伝ってくれるので家族の協力なしでは無理だな‥と思うこともあります。
家事を完璧にこなしたい人、妥協できない人では共働きは難しいかもしれません。
子供が1歳になってから共働きですが、出来ることを無理のない範囲で頑張っています。
平日の昼間は家に誰も居ないので部屋も汚れず、光熱費も安く済む。
お金も貯めやすいのでこのまま仕事は続けていきたいと思っています。
3歳と7ヶ月の子供を2人保育園に預け、夫婦で共働きをしています。
私の帰宅は子供を迎えに行き買い物をして19時頃、主人は20時過ぎに帰宅します。
家事分担はほとんど出来ておらず、主人がしてくれるのはゴミ捨てと風呂掃除のみです。そのため、仕事から帰った後は食事の支度から子供との食事、お風呂、寝かしつけ、片付け、洗濯、明日の準備‥と寝るのはいつも深夜2時過ぎです。
主人は「疲れた」と言い、子供の面倒も少ししか見てくれずスマホで動画を見ています。
疲れすぎて仕事中も居眠りをしてしまうことすらある状態でこの先やっていけるのか不安です。
共働き体験談を見てみると、夫婦で共働きをすることにメリットを感じている人が居る反面、心身共に疲れてしまいデメリットと感じている人も居ることが分かると思います。
これらを踏まえ、共働きのメリット・デメリットを挙げていきます。
夫だけが働きに出る場合と比べ共働きでは2倍近くの世帯収入となる場合も。
経済的な余裕が生まれ、マイホーム購入・貯蓄・レジャー・趣味・子供への投資(学費など)など生活が豊かになり老後の安心にも繋がる。
また、妻も正社員として働き厚生年金に加入していれば定年後の年金額も大幅にアップする。
働きに出ることで社会との接点ができ、人間関係が広がる。
専業主婦でも近所のコミュニティやママ友付き合いなど人間関係を広がることが出来ますが、職場で働き視野を広げることで社会性を得られることが考えられ、仕事を通してやりがいを見つけられることも。
家事や育児のため家に居る時間が長くなる、子供以外の人と話す機会が減ることでストレスを感じてしまうことや気持ちが滅入ってしまうことも考えられます。
働きに出ることで一時的に家事・育児から離れる時間が精神的な余裕に繋がり、生活にメリハリができ気分転換となる場合も。
夫婦のどちらかが病気やケガで働けなくなった場合や、リストラに遭い職を失ってしまうことがあっても共働きをしていることで完全に収入がなくなるわけではない。
会社で働くことの大変さ、家事や育児の大変さ、それぞれが同じ立場で経験することでお互いの理解を深めることが出来る。
世帯収入が増える反面、社会保険料、子供預ける場合の保育料、交際費、外食が増える、夕食としてお惣菜やお弁当が増えるなど支出が膨らむ可能性もあります。
仕事が忙しく家事がおろそかになってしまう、子供との時間が減る、家で自分の時間が持てなくなるといったように体力的にも精神的にも一杯一杯になってしまうことも。
出勤時間・帰宅時間の違い、異なる休日となってしまう場合、夫婦でゆっくり話す時間を確保出来なくなりすれ違いが生じることもあります。
また、育児・家事分担が上手くいかないことでお互いにストレスを感じ最悪の場合は離婚となるケースも。
家事、子供の送り迎え、園・学校行事への参加、子供が急病のときの対応など毎日のことだけでなくイレギュラーなことが起こったときの負担で時間や気持ちに余裕がなくなる。
共働きのメリットを大きく感じ「共働きで良かった」と思える人、またはデメリットとなる部分を負担に感じ「限界」と感じてしまう人と分かれるケースがあります。
老後のことを考えると共働き世帯と専業主婦世帯では3,000~4,000万の格差があると言われています。
働けるうちの今頑張り安心の老後生活を送るのか?それとも‥と考えると、上手く仕事と家庭とを両立させ共働きとして頑張っていきたいと思う人も多いのではないでしょうか?
仕事と家庭の両立には夫婦の協力があってこそ実現できるのではないでしょうか?
仕事の関係上、どちらかに負担が大きいことがあっても「ありがとう」「いつもごめんね」と思いやりや感謝の気持ちを伝えるだけでも全く違います。
また、帰宅時間や休みが合わずどうしても夫婦で話す時間が持てない人は、カレンダー・スケジュール共有アプリ等を上手く活用し離れていてもお互いのことが分かる環境を作ることも良いかもしれません。
共働きに向いている人
家事も育児も完璧にこなしたい、ダメな部分がストレスになる、子供の成長を近くで見ていたいと思う人は共働きには向いていないかもしれません。
目標のため、家族のために「このくらい平気」と割り切れるくらいの人、仕事と家庭とのオンオフが付けられる人は共働きとして頑張ってみてはいかがでしょうか。
いざ正社員として働こう!と思っても、どのように求人を探していけばいいのでしょうか?
ブランクが長い、結婚していることや子供が居ることで敬遠されやすいと言ったように、働きたくても思うように就職・転職活動が進んでいかない可能性もあります。
また、入社後にも残業ができないことでの周りからの視線、休みが取りづらいことでイレギュラーな事態への対応が難しいなど問題を多く抱えてしまうかもしれません。
共働きとして仕事と家庭とを両立させるためには、給料・勤務地・勤務時間・休みだけでなく一歩踏み込んだ職場の内部事情までをしっかりと確認をした上で仕事探しをしていくべきです。
「どうしたら内部事情まで分かるの?」
と疑問に感じるかもしれませんが、その方法は転職エージェントを活用し就職・転職活動を進めて行くことです。
転職エージェントでは希望条件に合わせた求人紹介をしてくれるだけでなく、個人の就職・転職活動ではなかなか知ることが難しい職場の内部事情まで詳しく情報を提供してくれます。
これらは一例ですが、このように事前に知っておきたい情報を入社前に知ることが出来るのでミスマッチのない仕事選びが可能となります。
この他にも、「応募書類作成サポート」「面接日程調整・面接対策」「雇用条件交渉」など正社員として働くことが久しぶりであっても、仕事が決まるまで就職・転職活動を一貫してサポートしてくれるので安心です。
また、転職エージェントによっては「入社後サポート」を行っているところもあるので入社後に悩みや困ったことがあった場合、いつでも相談することが可能です。
理想的な共働きを実現させるためのはじめの一歩として転職エージェントの活用をおすすめします。
ここまで女性目線での“共働きとして正社員で働く”ことについて様々な視点から紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
共働きであっても家事・育児はどうしても女性の負担が大きくなってしまうケースが多いのですが、協力をしながら共働きをしていくことが理想であるため男性側としても考えさせられる部分は大きいと思います。
しかし、余裕のある生活をするため、老後資金のため、子供のため、自分のため‥と共働きをすることだけが一番良い方法だとは限りません。
子供の成長を間近で見られる、ずっと一緒に居られるのは小さいうちだけです。
貴重な時間を犠牲にしてまで働く必要があるのかも考えてみましょう。
収入アップを願うなら、夫の転職も一つの方法です。
いずれにしても、仕事の悩みがある時や仕事探しを始めたいときは転職エージェントに相談をすることで理想的な働き方が見つかる可能性が高くあります。
無理をし過ぎない程度に頑張ってみましょう。