転職するのが普通になった現在、30代・40代で今の仕事から転職を考えている方も多いと思います。
ただ、転職によって年収が100万下がってしまうなんていわれると、どうしたらそこまで年収を下げずに転職できるか不安になってしまいますよね。
本記事では、転職すると年収が下がるといわれる理由・年収を下げずに転職する方法をお伝えします。
「転職すると年収が100万円下がってしまう」という噂はよく耳にしますが、実際のところどうなのでしょうか。
結論からいうと、100万円もしくはそれより下がる人もいるというのが答えです。
というのも、当たり前ですが、転職後に年収が下がるかどうかは就く仕事や年代によって異なるからです。
ここからは、30代・40代に焦点をあて年収が100万円下がる人はどのくらいいるのかを解説します。
30代で年収100万円以上ダウンした人の割合について、参考となる直接的なデータはありませんでした。
しかし、国が出している2つのデータを合わせると、30歳?34歳では12.7%以上の方が、35歳?39歳では13.0%以上の方が年収100万円以上ダウンしていると推測できます。
下記は、厚生労働省が出している30代転職者の賃金の変化の分布です。
増加 | 変わらない | 減少 | |
---|---|---|---|
30歳~34歳 | 48.6%(※うち3割以上増加した人は7.7%) | 18.4% | 32.8% (※うち3割以上減少した人は12.7%) |
35歳~39歳 | 40.6%(※うち3割以上増加した人は6.7%) | 20.5% | 37.7% (※うち3割以上減少した人は13.0%) |
このデータから、30歳~34歳で転職して年収が下がった32.8%のうち年収が3割以上下がった人は12.7%いることがわかります。
同様に、35歳~39歳では減少した37.7%のうち年収が3割以上下がった人は13.0%です。
次に、同年の国税庁の調査によると平均年収は、30歳?34歳は400万円、35歳?39歳は437万円でした。
400万円の3割は120万円、437万円の3割は131万円と計算できるため、3割以上下がった12.7%および13.0%の方は100万円以上の年収ダウンがあると推測はできるでしょう。
ただし、これはあくまで平均年収から計算した推測になるため、実際の数値を明確に示すものではありません。(*)
40代で年収100万円以上ダウンした人の割合について、参考となる直接的なデータはありませんでした。
しかし、国が出している2つのデータを合わせると、40歳~44歳では9.9%以上の方が、45歳~49歳では7.5%以上の方が年収100万円以上ダウンしていると推測できます。
下記は、厚生労働省が出している40代転職者の賃金の変化の分布です。
増加 | 変わらない | 減少 | |
---|---|---|---|
40歳~44歳 | 41.7% (※うち3割以上増加した人は10.6%) |
20.7% | 37.4% (※うち3割以上減少した人は9.9%) |
45歳~49歳 | 39.7% (※うち3割以上増加した人は8.5%) |
27.5% | 32.5% (※うち3割以上減少した人は7.5%?) |
このデータから、40歳~44歳で転職して年収が下がった37.4%のうち年収が3割以上下がった人は9.9%いることがわかります。
同様に、45歳~49歳では減少した32.5%のうち年収が3割以上下がった人は7.5%です。
次に、同年の国税庁の調査によると平均年収は、40歳~44歳は470万円、45歳~49歳は498万円でした。
470万円の3割は141万円、498万円の3割は149万円と計算できるため、3割以上下がった9.9%および7.5%の方は100万円以上の年収ダウンがあると推測はできるでしょう。
ただし、これはあくまで平均年収から計算した推測になるため、実際の数値を明確に示すものではありません。(*)
転職で年収が下がる理由にはどんなものがあるのでしょうか。
ここでは主な理由を3つ紹介します。
転職で年収が下がる主な理由3つ
転職して年収が下がるケースで多いのが、未経験の業種や職種に入社することがあります。
これまでのスキルや経験を活かせる職場に就く場合は、経験者として入社出来ます。
企業側も教育に割く時間やお金がかからないので、即戦力として転職前と変わらない・もしくはそれ以上の年収を提示するケースが多いです。
しかし、未経験の仕事にチャレンジする場合は別です。
新卒の社員と同じように1から教育する必要があるため、はじめの年収は低く設定される場合が多いでしょう。
また、現職で役職に就いていた方であれば、役職手当が無くなるためその分お給料が下がることもあります。
転職先の企業規模が今までよりも小さくなったことは、年収が下がる理由になりやすいです。
大手企業は大きな売り上げを出しているため、中小企業に比べて年収は高くなります。
大手企業に勤めて高収入を得ている方ならば、中小企業に移って年収は減ることはあるでしょう。
あるいは、業界として市場が小さくて給与水準が今より低いところに移ったことで年収が下がる場合もありますね。
転職先の給与制度や職場の環境が異なることが理由で、実際に得られる年収が今までよりも下がることもあります。
例えば、基本給に大差はなくても、以前の職場では存在した成果によるインセンティブ契約がなくなってしまってダウンすることがあります。
また、在籍年数によって変動する賞与の制度が採用されていることで、転職先ではたいした額の賞与が得られなかったり。
残業手当の有無、また残業を日常的にする環境かどうかでも変わります。
前職では時間外労働の手当によって年収が加算されていたところ、転職先では残業がなく期待していた実質的な収入を得られない場合もあるのです。
転職しても年収を下げないためにはどうすればよいのでしょうか。
以下では、年収を下げないためのコツを3つ紹介します。
年収を下げないためのコツ3つ
企業によって契約内容等は違っても、まずできるのは転職先との年収等の条件交渉をしっかり行うこと、これが年収を下げないために重要です。
内定通知を受け取った後に希望年収を聞かれることなどが一般的ですが、その際に相手企業を説得できるように希望を伝えましょう。
単に提示された金額を鵜呑みにするのではなく、業界の平均年収のデータや自分のスキルの客観的な価値を示してポジティブに伝えられると良いです。
内定を他の企業からも獲得できていれば、その比較相手が提示している金額を示すのも交渉の上で有利な材料になりますね。
とはいえ、「今後就職するかもしれない相手企業と年収の交渉をするのは不安だ」という方も多いでしょう。
そんな方は、転職エージェントに年収交渉をお任せる選択肢もあることを覚えておいてください。
今後も急成長が見込める業種や具体的な企業に狙いを定めて転職先を選ぶことも、年収を下げないコツです。
たしかに、現在自分の持っているスキルをそのまま使えるかも大事です。
その一方で、業界全体や個別の企業の成長と共に、自分が出す成果次第で年収も上がっていくという環境はとても魅力的です。
広い視野で業界の潮流を読んだり、現実的に財務諸表を確認したりして、成長の見込める企業を探し当ててください。
年収の下がらない最適な企業を探すには、転職にまつわる準備をサポートしてくれる転職エージェントを利用することも吉です。
転職エージェントを利用して希望年収を伝えれば、転職の専門家がその希望に見合った求人を紹介してくれます。
自分で一から探すよりも、企業側ともパイプのあるアドバイザーに任せたほうが希望の求人を見つけやすく便利です。
実際に応募を決めた企業との条件交渉も代行してくれるので、交渉に関して不安のある方は積極的に利用したほうがいいでしょう。
転職で年収を下げないためには、転職エージェントを利用するのが賢いです。
以下では、目的に分けて利用すべき転職エージェントを説明します。
「転職しても年収を下げたくない」
「なんなら今よりもっと多く欲しい!」
そんな方が使うべきエージェントのひとつは、リクルートエージェントです。
言わずとしれた大手転職エージェントですが、扱う求人数が多いだけに年収の高い求人も豊富です。
年収を下げずに転職を叶えたい方は、はじめに登録しておきましょう。
公式サイト | https://www.r-agent.com/ |
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おすすめポイント | 全国に豊富な求人数。高収入求人もアリ |
現年収の維持のみならず更なる高みを目指す方には、年収500万以上のハイクラス層に特化したビズリーチがおすすめです。
ビズリーチでは、保有する求人の3分の1以上が年収1,000万円越え※!年収が下がる恐れは低いでしょう。
※2023年10月時点。
マイページから職務経歴書を提出するだけでスカウトも受けられるので、忙しい管理職の方などでも転職活動が叶います。
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転職で年収ダウンが気になる方には、年収を下げないためのコツ以外にも気になることがあると思います。
そこで、以下ではよくある質問について回答します。
転職に踏み切っても良い年収の下げ幅の許容範囲は、現在の年収の1割程度が妥当でしょう。
年収が下がるとしても、その仕事内容にやりがいを持てたり、ワークライフバランスが向上するのであれば、その転職はその方にとって成功と言える場合も当然あります。
もっとも、今までとあまり変わらない生活水準を維持できるか、一時的に収入が下がっても中長期的にはキャリアアップに結びついて収入が上がっていくかの視点は重要です。
総合的な資産状況にもよりますが、平均年収の1割程度である40?50万円くらいの下がり幅であれば、支出を減らす工夫などで現状の収入減を乗り越えることはできそうです。
転職することによって年収が下がったときは、就業促進定着手当という補助金の制度が準備されているので、これを国からもらえる可能性があります。
就業促進定着手当は、雇用保険に加入していたことによって支給される就職促進給付の一種で、下がった年収の一部を補助してもらえます。
もっとも、これを受給するには以下の条件を満たしていなくてはなりません。
これらを満たせば、再就職手当の支給申請を行った同じハローワークから就業促進定着手当も申請できます。
条件を満たす方はぜひ申請してみましょう。
本記事では、転職によって年収をさげないコツを紹介しました。
在職中の企業とは異なる企業では、今と同様の役職につけなかったり、そもそも小さな企業で年収水準が低かったりと、様々な理由で年収が下がる可能性はあります。
年収ダウンを回避するには、転職エージェントをうまく活用して年収交渉を行う・狙い目の企業を教えてもらうなどするのが大切です。
とはいえ、あなたやりがいを重視した転職をする場合などは、一時的に少し年収が下がっても、その転職はその人にとって成功といっていいはず。
どんな仕事がしたいのか、今後どれだけの収入が希望するのか。
まずはしっかり調べた上で、後悔のない転職を実現してください。