「もうこんな年齢だし海外転職は無理だ・・・」と諦めていませんか?日本と海外では転職事情が異なりますので、年齢であきらめる必要はありません。
この記事では、海外と日本の転職事情の比較から、海外就職のために日本人が気を付けるポイントを解説します。
参照:労働政策研究・研修機構『データブック国際労働比較2022』
この表は世界各国の平均勤続年数を示しています。抜粋すると以下の通りです。
国 | 平均勤続年数 |
日本 | 11.9年 |
アメリカ | 4.1年 |
イギリス | 8.1年 |
ドイツ | 10.8年 |
フランス | 11.0年 |
イタリア | 12.4年 |
デンマーク | 7.2年 |
韓国 | 6.0年 |
平均勤続年数を見るとアメリカが一番短く4.1年でした。また、意外に感じるかもしれませんがヨーロッパ圏は日本と同じか、むしろ日本より長い国もあります。
海外で就職するなら、こういった違いも頭に入れておきましょう。
海外転職に年齢は関係ありません。アメリカでは“Age is just a number.(年齢はただの数字)”と言われ、履歴書に年齢や性別を書く必要がありません。
これは年齢や性別を理由に雇用に対する差別があってはならないという法律で決められているからであり、日本のように年齢が上がると転職が不利になりやすいのではなく全ての人にチャンスがあることを意味しています。
だからこそ重要なのが「経験」「実力」「実績」です。これまでの実務経験が評価されますので、何の経験も技術もないと不利といえます。何歳か?ではなく「何ができるのか?」。そして、語学力と専門性の高いスキルや技術を持っていることが海外転職成功にグッと近づきます。
専門的な知識や技術のある方なら年齢を問わず積極的に採用してくれますので、30代・40代はもちろん、50代・60代であっても健康であれば年齢にとらわれずどんどんチャレンジしてみましょう。
ただし、海外で転職するわけですから、その国の言語を話せることは必須です。
海外で日本語だけで仕事をするとなると、かなり職種・業界も限られてきますので、海外転職を考えているなら普段から語学学習には時間を費やしたいところです。
年功序列・終身雇用制度のある日本のような国は、世界でも珍しい国です。
転職をせずに定年まで勤め上げることが当たり前、安定している、美徳であるとされていた日本。
転職回数が多い人に対する考え方には世界と大きな違いがあります。
日本でいう「転職」は「悪いこと」とされ、ネガティブなイメージが根強く残りますが、世界ではポジティブなイメージそのものです。
もちろん、ただ単に仕事を長く続けられない人も中にはいると思います。しかし「何度も転職ができる人はそれだけの実力がある、行動力がある」とポジティブにとらえることができるのも確かです。
これまでどのような仕事をしてきたか?どんな成果を上げたのか?が重要なのです。
日本でも転職でキャリアアップを目指すことが当たり前となりつつある今、外資系企業だけに限らず、日本の企業でも転職回数に対する見方が変わってくるのではないでしょうか。
年功序列・終身雇用が一般的であった日本では、勤続年数が長くなるほど役職が上がり給料が高くなる仕組みのため入社して転職をせずに定年まで働き続けることが普通でした。
むしろ勤続年数が短い人や転職回数の多い人はマイナスなイメージを持たれる風潮があります。
しかし、年功序列・終身雇用が崩壊しつつある現状では自らが積極的に行動し転職をする必要性のある世の中に少しずつ変わってきています。
転職大国とも言われるアメリカの平均勤続年数は4.1年と世界でも短く、転職はキャリアアップのための一つの手段として根付いています。
利益追求・実力主義のアメリカでは少しでも良い条件・待遇であれば転職するのが普通であり、常にスキルアップできる環境に身を置くことで需要のある人材であり続けることにも大きな意味を持ちます。会社のために仕事をするのではなく自分のための転職が当たり前です。
「働くことが生きがい」ではなく「生きるために働く」。仕事よりも家族や個人を第一優先とするカナダでは数年で転職をすることが当たり前です。
アメリカと同様に実力主義であるカナダでは仕事ができる優秀な人はヘッドハンティングをされる、レベルの高い企業へ移ることが一般的。日本の考え方とは異なり転職回数が多い人ほど優秀と見なされる傾向があります。
また、家族や個人を第一と考える人が多いカナダでは労働環境に不満がありストレスを抱えながら働くことを無意味と感じ、新しい環境を求めるために転職をする人も多くいます。
「転職をしながらキャリアアップを図る」このような考え方のあるイギリスでは3年程度で転職を繰り返すことが一般的です。
自分の理想とする職場・雇用環境に近づくために小さな会社からキャリアをスタートさせ、前職の経験・スキル・実績を武器にキャリアアップを目指します。
そのためイギリスでは新卒で評価してもらうこと、異業種・職種への転職が厳しいと言われています。
ドイツは教育システムが特殊であり、日本で言う小学5年生になる10歳から将来の職業を意識した自分の進む道を選ぶ必要があります。小さい頃から専門に特化した教育を受けるドイツで需要視されているのが「即戦力」であることです。
日本のように20代の若さやポテンシャルを評価するのではなく年齢に関係なく経験・実力・実績のある人がより評価されるため、ジョブチェンジを伴う転職は難しい傾向にあります。
オーストラリアはイギリスと同じように平均で3年ごとに転職をすると言われるほど転職が活発な国です。
理由としては個人主義者の多いオーストラリアでは常に今よりも条件の良い仕事がないのかとアンテナを張っており、給与アップ・キャリアアップを求めて転職をすることが当たり前だからです。
経験や実力が伴っている即戦力を求める傾向が強いため、日本のような新卒至上主義はありえません。
最低賃金が世界2位のオーストラリアは稼げる国になっています。日本からの出稼ぎ先として注目されています。
平均勤続年数が6.0年とデータブック国際労働比較2022に掲載された国の中でアメリカに次いで短いのが韓国。
スペック重視の韓国社会では新卒であっても資格取得に励みインターシップは当たり前ですが大企業に正規雇用で就職できるのはほんの一握りです。就職後もより良いチャンスを求め在職中に資格取得などスキルアップをしながら転職をすることが一般的です。
日本と海外では異なる文化や考えが多いもの。日本人が海外転職で意識すべきなのは、どんなポイントでしょうか。
諸外国が取り入れている実力主義や成果主義とは、年齢や勤続年数に関係なく仕事の成果に応じて評価する制度です。成果に対して給与アップ・キャリアアップが約束されます。
日本の年功序列制度では、20代がどれだけ仕事で成果を上げても50代の高い給料を超えることは不可能という理不尽さがあります。
実力主義のメリット・デメリット
実力主義が日本人に合わないわけではなく、自分の性格や理想的な働き方と照らし合わしマッチしているのか考えておくことが大切です。
技術職では、「機械系・IT系の技術者」、「歯科技工士」などは日本人の技術が大変高く評価されており、現地の人材では代わりが利かないことから採用に積極的です。
会計職では、「米国公認会計士(USCPA)」や「BATIC(国際会計検定)」もお勧めです。コンサルタント系・営業職では、「経営管理学修士(MBA)」を必要条件に課すところもあります。
また、現地の人たちとディベートや交渉できるだけの英語力やコミュニケーション能力の高さをアピールする必要もあります。そんなとき「IELTS」や「TOEFL」の高いスコアも証明できれば尚有利です。
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海外転職をしたら年収アップするのでしょうか?こればかりはその人次第です。
現地でヘッドハンティングされるくらい有能な方であれば、現状の収入を大幅に上回る高収入も期待できるかもしれません。
新卒・エントリーレベルのポジションであれば、社会経験のある中途採用者でも同じ扱いで再スタートになるため、年収がダウンしてしまうことも珍しくありません。それでもその企業やそのポジションに魅力を感じていれば、年収に関係なく喜んで引き受ける人たちも大勢います。
日本の企業から派遣される海外駐在であれば、年収アップが期待できます。日本での給料や年金にプラスして赴任手当がもらえたり、家賃や帰省時の航空券代までも会社負担してくれる場合がありますので、トータルでみれば年収アップといえそうです。
しかし、現地企業に採用された場合は、あくまでも現地での給与水準となります。年収は国や地域、また職種によってもさまざまです。日本での収入と比較して、大幅アップしている人もいれば、大幅ダウンしている人もいます。ただしダウンといっても、その分生活コストも下がっていると考えれば、実はさほど大差なかったりもします。
海外転職で年収が下がっても、そんなことを全く気にせず、現地で楽しく充実した毎日を送っている人も大勢います。海外転職には年収だけでは計れない価値があるのは確かといえます。
現地の日系企業で日本語のみを使った仕事をするなら、英語力はさほどなくても就職できます。現地の工場ラインやレストランなども、簡単な英語が話せれば十分です。
ただし、その乏しい英語力のために、自分に任せられる仕事も昇進の機会も限られてしまうことを覚悟しておきましょう。
実際に現地で暮らすようになれば、必然的に日常会話は必要になります。難しい英単語や細かい文法まで完璧に身に付けてTOEIC満点を目指すなど、そこまで極める必要はありませんが、やはり日常会話くらいはこなせるよう努力したいところです。
職場の人たちとのコミュニケーションも難しいようでは、仕事に支障をきたしていると言わざるを得ません。
海外転職をしたいなら、基本は「その国の言語を話せること」です。旅行者であれば片言で十分ですが、海外で転職してビジネス環境に身をおくわけですから、相応の語学力は磨くようにしましょう。
「海外で働きたい!」
思うのは簡単ですが、いざ転職活動をはじめてみると思いの他やることが多くで疲れてしまうと思います。転職活動は一人になりがちですが、仲間のいない海外での就職ともなればなおさらです。
また、職種や仕事内容が重要なのは日本でも海外でも一緒です。むしろ慣れない外国での生活に加えて、希望しない仕事を頑張ることは相当なストレスになるでしょう。
海外で就職するにあたっても、自分の属性や希望をしっかりと把握して、転職活動を笑顔で終えられるようにしましょう。そしてこの記事を読んで、事前準備をしっかりして臨みましょう。
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