オーストラリアは就職、留学、観光など日本人に人気です。しかし、就職して暮らしていくとなると、壁があります。
かつては移住しやすいオーストラリアでしたが、就労ビザの取得も難しくなってきています。しっかり準備して就活に臨みましょう。
ここでは、オーストラリアの日本人就職事情を徹底解説します。
オーストラリアは就職、留学、観光いずれをとっても日本人に人気のある国です。
都市ごとに異なる気候をもっており、タスマニアをはじめ美しい自然や海を楽しめる魅力が満載です。
給料や平均年収が日本より高いですがその分生活費が高く、生活費のことを除けば暮らしやすい国と言えるでしょう。人種差別なども少なく、日本食を扱っているお店も多いので生活しやすいです。
日系企業は首都キャンベラをはじめ、経済都市のシドニー、メルボルン、アデレード、パースなどオーストラリア全土で進出しており、営業職や事務職、エンジニアなど一連の業種で現地採用を行っています。しかしワーキングホリデービザで就労する日本人も多いため、レストランなどのサービス業は競争率が高くなっています。
オーストラリアで就職を目指す場合は、まずは就労ビザのサポートを得られる企業での仕事を見つけることです。職種・雇用形態に柔軟で、相応のスキルを備えた方であればビザサポートありきの就職も実現可能です。また、英語が公用語の国ですので、高度な英語力もあればそれだけ就職にも有利です。
主要都市 | シドニー、キャンベラ、メルボルン、ブリスベン、パース、アデレード、ゴールドコースト、ニューカッスル、ウロンゴン、ゴスフォード 他 |
---|---|
オーストラリア企業一例 | ANZ銀行、レッドブル、ロンリープラネット、カンタス航空、テルストラ、Billabong | 求人情報 | オーストラリアに強い転職エージェント5社比較 |
親日としてとても有名なオーストラリアですが、働くためにはたくさんのハードルが設けられています。どんなことが必要で、日本人である自分が価値を発揮できるのはどんな仕事なのか、よく考えて準備を進めましょう。
オーストラリアでの海外就職を成功させるために必要なのは以下の3つです。
1.職務経験
2.IELTS5.0以上の英語力
3.オーストラリア求人に強い転職サイトの利用
一つずつ詳しくご紹介します。
海外での就業経験があればなおよいですが、最低でも日本で3年以上の経験を有していることが必要となります。諸外国と同様にオーストラリアでも日本企業のように「入社してから教える」という概念はありません。新卒でオーストラリアで働くのは困難なことがわかります。
採用する人に何をどこまでやってもらうのかを明確にしているので、それができない人であれば採用するに値しないという判断が下されます。また、TSSビザの場合、高度な技術を持っていて人材が不足している業界での雇用が優先されます。
また、実際に職務経験があったとしても自分でアピールしなければなりません。自分には何ができるのか、御社でどのような力を発揮できるのかなどを明確に伝えましょう。それが企業側に伝わらないと、あなたが「探している1ピース」であることに気がついてもらえません。
日本人の場合は主張をすることが苦手という方も多いです。ましてや母国語でない言葉で伝えるわけですから、日本での面接よりも準備に時間が必要となります。
募集している職種の内容などをしっかり把握し、自分ができることに落とし込んで他の人との違いをどう伝えるのか、細かく決めて話せるようにしておきましょう。
そもそもIELTS(アイエルツ)とは何かをご説明していきます。
IELTSはInternational English Language Testing Systemの頭文字をとったテストのことを表しています。イギリス教育機関が行っています。
日本では馴染みが薄い試験ではありますが、海外での就職を考えている方、留学などでも英語力を証明するのに使われたり140か国、合計10,000以上の期間が認定。オーストラリアへの海外移住申請時に最適なテストです。最近ではTOEFLの代わりとして入学審査に使われるなど、標準化しつつある試験として有名になってきています。
オーストラリアに限らず、現地法人で働きたいと考えるのであればサービス業以外はこのIELTS5.0以上の英語力が必要となります。
ビジネスシーンでは日常会話のようにゆっくり話すように頼むこともできませんし、専門的な用語が並んだ資料を読み込むだけでなく作成する必要も出てきます。
日本語でいうビジネスで使う敬語のような言い回しを知っていないと、環境になじめず仕事の妨げになる可能性が高いです。そもそも採用されるときに英語力に不安があると、採用しようと考えてくれないため、英語力は鍛えておきましょう。
ビズリーチはグローバル人材の年収500万円以上の方を対象としており、ハイクラス求人に特化した会員制の転職サイト。
あらかじめレジュメを登録しておく事で、採用企業やヘッドハンターからのスカウトを受けられるチャンスがあり、他転職サービスでは出会えなかったような案件に出会える可能性も◎
2023年1月現在、オーストラリアの公開求人は60件。求人にはスーパーゼネコン、国内大手食品メーカー、大手証券会社、電機メーカー、大手総合商社等の国内外含む注目企業多数。人気求人は会員のみに公開しています。
日本では物足りない!
オーストラリアでもっとグローバルに活躍したい!
年収にもこだわりたい!
そんな希望を叶えるのに最適な転職サイトと言えます。
オーストラリアで就職したいなら、海外求人が多い転職サービスを利用しましょう。
公式サイト | https://www.bizreach.jp/ |
---|---|
年齢 | 全世代対応 |
特徴 | 海外や外資系求人が多い |
オーストラリアは南半球に位置し、日本の約20倍もの広大な国土を有します。オーストラリア最大の都市であるシドニーでは近代的なビル群で観光やショッピングを楽しむだけでなく、緑豊かな公園、歴史的な建造物、美しい港‥と大都市と自然、両方の魅力が詰まっています。都会から一歩離れれば、グレートバリアリーフやエアーズロック、ケアンズの熱帯雨林など見応えある壮大な大自然を楽しむことも出来ます。
メリット
平均気温は18.2℃ ※シドニー
治安が良い、衛生面・医療面の心配もない
東部:+1時間、西部:-1時間、中部:+0.5時間 ※サマータイムあり
生きた英語が学べる、第二外国語として日本語を学ぶ人も多く日本語も通じやすい
都市部では日本の食材を手に入れられるほか、日本食レストランも多い
広大な大地に広がる美しい自然、多民族・多文化国家であるオーストラリアで様々な文化に触れる
デメリット
日本で100円で売られているものが250円ほどの感覚、家賃も高い
メディケアという国民健康保険のようなものもありますが、目と歯の治療費は対象外
オーストラリアは治安が良いのですが、犯罪率の高い地域も。夜間の一人歩きは危険
オーストラリアの永住権申請の条件は難しくなる傾向にある
オーストラリアのビザにはたくさんの種類・種別があります。就労目的の場合は、雇用形態、目的等に合わせた就労ビザを選ぶ必要があり、短期滞在なのか?長期滞在なのか?永住権を見据えたビザなのか?によって自分に合ったビザを見極めなければいけません。ここでは現地就職を目指す人向けのビザ・取得方法を紹介します。
オーストラリアで就職するためには、就労ビザを取得する必要があります。しかし、失業立の高まりにより、2018年3月から「サブクラス457」と呼ばれる長期就労ビザが廃止され、新たなビザを導入することが決定しました。
そのビザというのがTemporary Skill Shortage(TSS)ビザです。このビザは最長2年の短期と、最長4年の中期間の2種類があり、失業率の高いオーストラリア人の雇用を守る意味合いも持っています。
就労ビザを取得するためには2つのことが必要です。
スポンサーとなってくれる企業を見つける
スポンサーとなる企業はスポンサー認可をもらうための費用を支払わなくてはなりません。
そして研修プランニングし、行わなくてはならないというルールがあります。さらにその企業がスポンサーとなれるのは◯名と決めておかなくてはならないため、既にスポンサーとなっている企業には入ることができません。
年収53,900ドル(約590万円)以上の仕事に就く
オーストラリアは物価が高いため、給与水準も高くなっています。日本でこんなに高い年収はもらったことがないという方でも大丈夫です。
最長2年の短期の場合はオーストラリア国内で1回だけビザ更新が可能、最長4年の場合は3年就労期間経過した後にオーストラリア国内で新しいビザと永住ビザの申請が可能になります。
できる限り最長4年のビザを取得できるよう、人材不足の業界を狙う、人脈をつくる、日系企業に就職するなどの手段を考えておきましょう。
人材が不足しているビジネスの場合は別ですが、人材を雇う企業がオーストラリア人より日本人を優先する理由を述べなくてはならないため、ハードルが高くなっています。
日本へのリテラシーが活かせる日系企業などの場合は、日本人を雇う理由は言わずもがなですので、比較的就職しやすい傾向にあります。
また、ビザ取得をするためにワーキングホリデーから入ってその企業にスポンサーになってもらってビジネスビザを取得する、留学して学生ビザでバイトをしてそのままビジネスビザを取得、あるいはそのあわせ技で取得するなどの方法があります。
求人市場もビザ取得の状況も刻一刻と変わっていきますから、常に状況をしっかり捉えて準備を進めてくださいね。
TSSビザ(サブクラス482)
研修ビザ(サブクラス407)
一時就労ビザ(サブクラス400)
ワーキングホリデービザ(サブクラス417)
ビザ申請に必要なもの
ETAS(電子旅行許可システム)で申請
オーストラリアでは大使館・領事館に出向きビザ申請をするのではなく、オンラインで手続きを行います。
事業内容、将来性、安定性、企業組織、従業員構成など
職務内容、給与など
英語力、犯罪歴の有無、職務経歴、資格など
オーストラリアのビザ規定などは頻繁に変更されるので、ビザ申請・渡航タイミングを調整していく必要があります。個人ではなかなか状況を把握するのが難しいので、ビザコンサルタントやエージェントに申請代行をしてもらうことが一般的です。
日本人がオーストラリアで就職を叶えるためには”自分がやりたい仕事”ではなく、時には”就職しやすい仕事”を探していくことも大切です。オーストラリアの就労ビザの取得条件が厳しくなってきている背景には、オーストラリア人の失業率が高くなってきていることも一つの要因と考えられます。そのため、採用するメリットのある外国人(日本人も含む)でなければなかなか就職をすることが難しい現状があります。オーストラリアで日本人が重宝される業種・職種や人手不足の職種などを紹介します。
日本人が就職しやすい業種・職種
専門職や技術職、日本語を活用する仕事、ビザの取得がしやすい仕事が日本人の就職しやすい職業です。これまでの経験・スキルを活かせる人はその職種を、少し難しいかな?と思う人はキャリアチェンジも視野にオーストラリア就職を目指しましょう。
少しでも有利な条件でオーストラリア就職を叶えるために、持っていると有利になる資格を紹介したいと思います。
英語力
・TOEIC(650点程度は最低でも必要)
専門資格
・マイクロソフト関係、WEB系資格
・日本語教師
・電気工事士(一種・二種)
・施工管理技士
・美容師
・調理師 など
会計・経理関係
・US CPA(米国公認会計士)
・日商簿記3級、2級 など
オーストラリアでは学歴よりも経験や資格の有無を重視する傾向にあります。そのため、何らかの専門的な資格や技術を身につけていることが就職のチャンスを広げる一つの方法となります。
日本で就職をせずに若いうちから海外経験を積むために、新卒でオーストラリア就職を目指すための最短ルートとは?
まず、卒業前から出来ることも含め海外就職を目指すための幾つかの方法を紹介します。
海外就職を成功させるために出来ること
進学:オーストラリアの大学に入学・編入・大学院へ入学
日本の大学に在籍:交換留学・休学し留学・短期留学
海外就職では長期インターンシップが必須、新卒であっても職歴が重要
即戦力となり得る専門知識があると◎
日本の新卒採用のように大学名重視ではなく、成績が重視されやすい
新卒からいきなりオーストラリア就職を目指すよりも、在学中から計画的に行動に移しておいた方が有利に進めていけることには違いありませんが、大学卒業前後である場合は「インターンシップ」に参加しオーストラリア就職を目指す方法をおすすめします!
オーストラリアで新卒就職を目指すのであればインターンシップは必須!
日本のように伸び代を見込んだ”ポテンシャル採用”ではなく、新卒であっても”即戦力”を求めています。そのため、長期間のインターンシップに参加し業務内容を知る、経験・スキルアップを図ることで採用に繋がる可能性が高まります。
また、オーストラリアではGrad Program(グラッドプログラム)という新卒対象の採用選考プログラムを設けている企業が300社程あります。
※Grad Program(グラッドプログラム)‥3月~4月中にエントリー
自分自身の価値を高めるためにもインターンシップやGrad Program(グラッドプログラム)に参加し、オーストラリア就職を叶えましょう。
インターンシップの募集先は自力でも探せますが、インターン斡旋サービスや人材紹介会社を利用してインターンシップの募集先を探すと良いでしょう。
現地のコネクションがないと就職が難しいオーストラリアでは、私たちのような海外組がとても不利な状況となります。そこでぜひ利用したいのが、インターン斡旋会社です。
インターン制度を利用することで、実際にその仕事が自分とマッチしているのかがわかります。企業もインターンを利用してもらうことにより、ゆっくりと人選ができるメリットがあります。
インターン制度は、会社によって「期間中のお給料は発生しない」、また「斡旋費用が発生する」場合があります。事前に斡旋企業を調べておくことが必須です。
ワーキングホリデーで1~2年の間オーストラリアで働き、そのまま現地就職をしたいなと考えている人も多いと思いますが、ワーキングホリデーから現地就職は可能なのでしょうか?
結論から言いますと”可能”です。しかし、誰でも現地就職できるほど簡単なことではありません。わざわざ日本人を採用するメリットがあるのか?ビジネスビザが取得できるのか?といった問題が出てきます。それらをカバーすることが出来れば現地採用も可能です。
日本人を採用するメリットを考えてみると、オーストラリアでも日本語を活かした日本人相手の仕事(日系企業・日本人顧客に向けた仕事など)や日本食レストランでは日本人と言うことが強みとなりやすい傾向にあるので職種によってはチャンスが多くあります。
また、ビザに関してはワーキングホリデーで働いていた会社がスポンサー(雇用主)となりビジネスビザを取得している人もたくさん居ます。
そうなるためには、現地での人脈や勤務態度の良さ、英語力は欠かすことが出来ません。「オーナーに気に入ってもらう」「仕事を紹介してもらえる人脈を築く」「英語力を身につける」ことでワーキングホリデーからの現地就職も夢ではありません。
ワーキングホリデーでは、現地でどのような仕事をするのかを今後に繋げるためにもしっかりと考えておくと良いでしょう。
オーストラリアでの現地採用には、日本人としてのメリットを活かす・手に職を付けておく(資格など)・ビザが取得しやすい職種を探すなど一筋縄ではいかない印象を受けますが、諦めずにオーストラリア就職に向けて準備をしていけばチャンスは必ずあります。
この他にも就職の方法として、オーストラリアの大学や専門学校などに進学・留学をし、インターンシップを経験したり、オーストラリアで需要の高い学部(理系・IT系・会計など)を専攻し就職に繋げる。
看護職・WEBデザイナー・料理人など専門職の経験やスキルを活かして就職に繋げる方法もあります。ワーキングホリデーでも同じように、オーストラリアで実際に働きやりたいこと・出来る仕事を見つけ就職に繋げられるように努力する人も多く居ます。
大切なことは日本人が就職しやすい仕事を探すことや、専門的な知識・技術を身につけている仕事に就くことだと思います。オーストラリアに就職する方法は幾つかありますが、現在の自分の経験・スキルを見直してみる、足りないところはしっかりと準備をして補っておきましょう。
自分にとって最善の方法でオーストラリア就職を叶えてください。