イギリスで就職したい、イギリスで暮らしてみたいと思っている人はいませんか?海外就職は稼げると聞くけど、いったいどのような仕事があるのか、どうやって仕事を見つけるのか。
それが分からないと何も始められません。また、日本人向けの求人はあるのか、どれくらいの英語力が必要なのか、そして本当に稼げるのか。また日本との働き方の違いはあるのか、海外で働くために必須のビザは簡単にとれるのかどうかなど。
海外で就職をして暮らすためのさまざまな疑問や必要なスキル、方法などについてまとめてみました。
日本人向けの求人を探したいという人のために、イギリスでの就職事情、仕事探しについてご紹介します。
イギリス在住の日本人の職探しで良く使われているのは、「MixB」というウェブサイトです。ここには日本人向けに、求人だけでなく住まいやサービスについてもさまざまな情報が載っています。
イギリス在住の日本人が頼りにしているコミュニティサイトです。
ロンドンをメインとして、求人情報が毎日更新されています。仕事紹介のエージェントの情報もここから見つけることができます。
日本人向けの求人だけではなく、グローバルな採用情報のなかから仕事を探したいのであれば、「Indeed」や「LinkedIn」などを利用します。
日本人向けの求人となるとやはり日系企業がメインの就職口です。
飲食店でも日本から進出しているところが増えていて、ラーメン屋やカレー屋、うどん屋などが順調に店舗を増やしています。
日系企業は日本のレベルの接客を目指しているようで、現地のスタッフにも教育をしている様子が伺えます。日本人の真面目さ、丁寧さは大きく評価され、歓迎されるでしょう。
求人も頻繁に出ているので、比較的簡単に仕事を見つけられます。飲食店のキッチンの仕事では英語力をそこまで必要としていないので、英語力に不安がある方でも始められます。
ただし、日本人の経営だからといって安心しすぎてはいけません。契約内容をきちんと確認し、不当な扱いを受けないように気を付ける必要があります。
オフィスワークを希望している場合は、エージェントに登録して、仕事を紹介してもらうのもおすすめです。ロンドンにはいくつかの日系のエージェントがあり、日本語で相談ができます。日系企業の求人も多く取り扱っています。
オフィスワークでは英語力が必要になってきますが、日系企業なら日本人としての丁寧さをスキルのひとつとして評価してくれる企業も多いです。
日本にある企業との取引も多いので、日本で働いた経験があり、日本のビジネス文化を理解しているということも、スキルのひとつとして評価されます。
面接はオンライン形式も増えています。面接に進む前に、日本での履歴書の代わりにCVを提出します。CVには写真を載せることや、年齢、性別の記載はしません。
とくに決まった形式はなく、今までの職務経歴や学歴について記載します。イギリスでは学歴よりも、職務経験が重視されます。そのため経験がない分野に飛び込むのはとても困難です。
日本では当たり前だと思っていたことが、こちらでは十分にアピールできるスキルかもしれません。
逆に、謙虚すぎる姿勢が誤解を招くことがあるので注意です。とにかく自信を持って、少し自信がないことでも恐縮せずに大げさにアピールすることが、就職を成功させるコツです。
ビザの取得については、とてもストレスとお金がかかる作業です。イギリスで働くためには何らかのビザが必要ですが、日本からの駐在員でなければ、学生ビザかワーキングホリデービザから始めることになるでしょう。
学生ビザには働く時間に制限がありますが、ワーキングホリデービザには制限がないので、採用もされやすいでしょう。
ワーキングホリデービザなどが切れるときに、就労ビザを取得できる人もいますが、就労ビザのスポンサーとなってくれる企業は多くはありません。
また、パートナービザであっても申請費用が高額です。ビザについては学位、職種、経済状況などによって条件が異なります。自分自身で良く調べて申請する必要があります。
最近では、週の半分が在宅ワーク、半分がオフィスへ出社というハイブリッド式の就業スタイルも増えて、フレキシブルな働き方が可能になっています。
日本人ほど仕事を優先してる人は少ないという印象です。定時に帰り、子どもの学校の休みに合わせて休み、長期休暇を満喫します。
しかしイギリスの祝日は2023年は9日、通常は8日です。2023年は国王の戴冠式があるので一日多くなっています。
一方、日本では2023年は17日、2024年は21日です。イギリスでは自ら積極的に休暇をとらないと、休めないのです。
そして交通費は基本的に支給されません。毎年のインフレーションに合わせて、電車の運賃もあがります。生活費もあがるので、給料は毎年上げてもらう必要があるのです。
*参照:内閣府『「国民の祝日」について』
イギリスではコロナによるパンデミックからのロックダウン、EU離脱、さらに世界情勢の影響を受け、急激なインフレーションや生活コストが上昇しました。そのために、各カ所でストライキが起きているというのが現状です。
ちなみにイギリスでの23歳以上の最低賃金(時給)は、2022年の4月で£9.50、2023年の4月で£10.42で、インフレーションが10%ほどとなっています。
*参照:GOV.UK『National Minimum Wage and National Living Wage rates』
*参照:TRADING ECONOMICS『United Kingdom Inflation Rate』
最低賃金はその土地で暮らすために最低限に必要な費用をもとに設定されています。給料があがっても物価もあがるので、暮らしに余裕はできません。
しかし、スーパーなどでの野菜や果物、お肉などについては消費税が0%、一方でレストランでは20%なので、暮らし方によっては節約することも可能です。
日々の暮らしのなかで感じることは、イギリスでは、電車の券売機が壊れていたり、エスカレーターが止まっていて動かなかったり、なんてことがよくあります。
何か困ったときに相談する窓口や電話番号が見つからなかったりすることも多く、満足するカスタマーサービスを受けられません。
日本ではひとりひとりが真面目に働いているからこそ、社会や暮らしの中での不都合が比較的少ないのかなと思います。
また、イギリスでは歴史のある中古の家を購入し、リフォームして住む人も多いので、修理やDIYなど、家に関する手間も増えます。
また、子どもの学校への送り迎えも小学校中学年くらいまでは必須なので、仕事を中断したり、短時間労働に切り替えることもあります。仕事を定時に切り上げることが必要なのです。
夢の海外就職、海外暮らし、といってもいいことばかりではありません。英語力に自信があったとしても、こちらの人にとっては英語を話すことは当たり前のことです。
ほとんどの日本人にとっては、就職の選択肢が狭まる可能性が高いといえるでしょう。しかし、日本人としての素質をスキルとして生かすことも十分に可能です。
そしてイギリス社会のなかで、日本とは違ったライフスタイルを体験することはとても価値のあることです。理想を追いすぎず、それでも理想のライフスタイルを求めて、まずはチャレンジしてみることをおすすめします。