日本人の1%は海外在住!令和時代の海外就職とは?

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日本人にとって、外国で働くということがだいぶ浸透してきました。

2017年の海外在留邦人は、約135万人(※1)
日本人の人口(1.27億人)の1.06%にあたります。

100人に1人以上が外国に住んでいるということです。

皆さんにも、外国で働くチャンスはあるのでしょうか?

海外就職というと、アメリカやイギリスの大学のMBAをとって、英語ペラペラで、世界を股にかけるスーパーエリートを想像するかもしれません。

いわゆる、「グローバルエリート」です。

もちろん、彼らはアメリカだろうがイギリスだろうがインドだろうが、どこでも就職するチャンスがあり、高い報酬を受けることが出来ます。

私がお伝えするのは、そういった特別な人の海外就職ではなく、普通に日本で働いていた人が、外国人と関連する仕事をする方法です。

近年、東南アジアを中心に日本企業が多く海外に進出しています。

特に、製造業の進出は著しく、日本の自動車メーカーやハイテクメーカー、そしてそこに部品や金型を提供するメーカーが次々と工場を設立しています。

タイには10万人(外務省の統計では約4万人)、インドネシアが約2万人、マレーシアも約2万人の日本人が住んでいると言われており、その数は日に日に増加しています。(※1)

海外で働く日本人の多くは「駐在員」と「現地採用」にわかれます。

「駐在員」とは、日本にある企業で働く社員が、辞令をうけて、一定期間海外で働くというものです。

会社から「海外勤務を命ずる」と言われたとき「チャンスだ!」と思う人と「最悪だ」と思う人、大きく分かれるのが特徴です。

駐在員のデメリットは、いつ、どれくらいの期間、どこの国に行くかを自分が選べないことです。

大企業では「マイホームを建てた瞬間海外勤務が決まる」と言われているように、Noと言えないタイミングを見計らって辞令が出されることもあります。

香辛料嫌いなのにインド勤務になり10kg痩せたとか、日本でも押しが弱くて負けるのに、中国で部下の自己主張の嵐に飲まれて心の病になったなど、辛い体験もよく聞きます。

逆に、タイ勤務になり、3年間の任期期間中にタイが好きになりすぎて、タイ勤務の延長を申し出るも、却下され、会社を辞めて現地で就職活動をする人もいます。

このように、いつ、どれくらいの期間、どこの国に行くかを自分が選べないことは、人生を良くも悪くも揺るがします。

なお、駐在員のメリットは、金銭面です。

高級マンションを会社が無料で提供してくれる上に、毎日車で送り迎え、現地での生活費は海外手当でまかない、本来の給料は手をつけずに生活ができる。数年間のプチセレブ生活が味わえる会社が多いです。

もちろん、海外で得た経験をふまえて、帰国後、出世街道に乗る人も多数です。

「現地採用」とは?

これに対し、「現地採用」とは、現地の法人が現地で面接をし、採用する日本人です。

自分でどの国で働くかを決め、自分で仕事を探し、就職活動をして、働くという働き方。

現地採用は「駐在員」と比べれば給料は低くなりますが、現地人と比べれば非常に高い給料をもらえます。

その相場は、国によって変わってきますが、若手社員で12万円から25万円くらいが相場です。

額面は日本国内の初任給より少し上くらいだと思いますが、現地の物価は日本の半分から2/3程度です。家賃が2-7万円、食事が1食2-300円程度の国での生活ですので、金銭的にはある程度余裕がある生活がおくれます。

このように、「自由はないが、セレブになれる、駐在員」「自由はあるが、金銭的にはそれほどでもない現地採用」というのが大まかな特徴になります。

そして、このどちらの働き方も、海外で外国人と仕事をするという、日本国内では一部の人しかできない経験を、日常的に体験できるため、語学や異文化の人とのコミュニケーション力という、これからの世の中でサバイブしていくのに非常に重要な力を否が応でも伸ばすことができるというメリットがあります。

もちろん、日本国内にいては経験しなかったであろう大変さもあるわけですが。

また、もう一つ海外に関連する仕事をする方法があります。

それは、日本のグローバル企業で外国人相手の仕事をすることです。

私は、以前、日本のグローバル自動車会社で働いておりましたが、その時毎日テレビ電話で各国の工場のスタッフと話をしていました。仕事の6割くらいが英語での外国人との仕事です。

また、今は、海外から日本に来る外国人観光客相手の商売や、外国からきた労働者と一緒に仕事をすることも増えています。(ちなみに、メルカリの新入社員の9割が外国人です。※2)

このように、自分が海外に行って仕事をするだけではなく、日本にきた外国人と仕事をするという選択肢も増えています。

そして、この外国仕事ができる日本人は、今、ものすごく重宝されています。

 
 
次回、この様な外国仕事ができる日本人がなぜ有利なのか、その様な人材になるために必要なスキルと心構えをお伝えします。

※1 参考資料:海外在留邦人調査統計
※2 参考記事:メルカリの新卒エンジニア9割が外国人、インドの次はどの国から採る?
https://diamond.jp/articles/-/181725

プロフィール

著者写真
森山 たつを(もりやま たつを)

(株)スパイスアップ・アカデミア 代表取締役社長
キャリアコンサルタント
未来作りアドバイザー
桃山学院大学兼任講師
i専門職大学 客員教員
インフィニティ国際学院 プログラムナビゲーター

経歴・実績

早稲田大学理工学部卒業後、日本オラクル、日産自動車などに15年勤務の後、日本人の海外就職に関する調査・研究を行う「海外就職研究家」として独立。

2014年に、日本人を「出入自由に」を体現すべく、海外で働く体験ができる実践型インターンシッププログラム「サムライカレープロジェクト」をスタートする。

現在、世界6カ国で学生向けのインターンシッププログラム「サムライカレープロジェクト」を運営中。

著書4冊、電子書籍20冊以上を執筆。主な著書に「セカ就!」(朝日出版社)「普通のサラリーマンのためのグローバル転職ガイド」(東洋経済新報社)など。

運営サイト

外国人と働くために必要な3つのスキル

第1回 日本人の1%は海外在住!令和時代の海外就職とは?
日本人にとって、外国で働くということがだいぶ浸透してきました。2017年の海外在留邦人は、約135万人。日本人の人口(1.27億人)の1.06%にあたり、100人に1人以上が外国に住んでいるということです。今回は令和時代の海外就職に関してお伝えします。

第2回 外国仕事が美味しい理由。外国仕事に必要な三要素とは?
日本企業の海外拠点数は2006年に32,495拠点だったものが、2016年には71,820拠点に。10年で2倍以上に増えています。次々と海外進出しているものの、多くの中高年社員は海外で働くスキルを持っていません。そこで、「外国で働ける人材」は引く手あまたの状態になっています。

第3回 外国人相手の仕事をするために必要なことは「実績」
前回、外国仕事は競争率が低く、チャンスが大きいというお話をしました。そして、そのチャンスを掴むためにはこのような人材になる必要があります。1.外国で働ける人材、2.外国人を喜ばせることができる人材、3.外国人と働ける人材

第4回 外国仕事をしたい人が、語学を学ぶ前にやるべきことは?
前回、外国仕事ができるようになるための3要素のうち2つの身に付け方をお伝えしました。今回は、3つめの「3.外国人と働ける人材」について解説します。

第5回 外国仕事にアサインされるための立ち回り方
外国仕事をするための3箇条を身につけたら、実際に海外で働きたくなると思います。自分で海外に行って、海外で就職活動をする以外に、日本にある企業に入り、駐在員や転籍という形で、海外に行くこともできます。


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参考サイト
厚生労働省
内閣府
ハローワーク
職業情報提供サイト
日本経済連合会
転職コンサルタント
中谷 充宏
梅田 幸子
伊藤 真哉
上田 晶美
ケニー・奥谷