オーストラリアは就職、留学、観光など日本人に人気です。しかし、就職して暮らしていくとなると、壁があります。
かつては移住しやすいオーストラリアでしたが、就労ビザの取得も難しくなってきています。
「ワーキングホリデーなら就職しやすい」と思う方もいるかもしれませんが、甘い考えは禁物。
しっかり準備して就活に臨みましょう。
ここでは、オーストラリアの日本人就職事情を解説します。
日系企業はオーストラリア全土(首都キャンベラをはじめ、経済都市のシドニー、メルボルン、アデレード、パースなど)に進出しています。営業職や事務職、エンジニアなどの業種では現地採用を行っています。
ワーキングホリデービザで就労する日本人も多いため、レストランなどのサービス業は競争率が高いのが特徴です。
そして、オーストラリアでは2018年に、オーストラリア国内の人の雇用を守るため、外国人向けの長期就労ビザが廃止されました。
つまり、国内の人の就職を優先させるため、日本人をはじめとする外国人が長期的に就職するにはハードルが高くなっているといえます。
主要都市 | シドニー、キャンベラ、メルボルン、ブリスベン、パース、アデレード、ゴールドコースト、ニューカッスル、ウロンゴン、ゴスフォード 他 |
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オーストラリア企業一例 | ANZ銀行、レッドブル、ロンリープラネット、カンタス航空、テルストラ、Billabong | 求人情報 | オーストラリアに強い転職エージェント2社 |
年収は高いが生活費も高い
日本人がオーストラリアでの就職を成功させるために、前もって知っておくべきことを紹介します。
ひとつひとつ解説していきます。
日本人がオーストラリアで就職するためには、IELTS 5.0以上の語学レベルが必要です。
IELTS(アイエルツ)とは、International English Language Testing Systemという英語力を測れる試験のことです。
日本では馴染みが薄い試験ではありますが、海外での就職や留学のために英語力を証明するのに使われます。
最近ではTOEFLの代わりとして入学審査に使われるなど、標準化しつつある試験として有名になってきています。
日本語でいうビジネスで使う敬語のような言い回しを知っていないと、環境になじめず仕事の妨げになる可能性が高いです。そもそも英語力に不安があると採用してもらえないため、英語力は鍛えておきましょう。
海外での就業経験があればなおよいですが、最低でも日本で3年以上の経験を有していることが必要となります。
オーストラリアでは、日本企業のように「入社してから教える」という概念はありません。新卒でオーストラリアで働くのはかなり困難です。
人を採用する場合、何をどこまでやってもらうのかを明確にしているので、それができない人であれば採用するに値しないという判断が下されます。
また、TSSビザの場合、高度な技術を持っていて人材が不足している業界での雇用が優先されます。
オーストラリア就職を実現するためには、アピールできることを話すための準備をしておきましょう。
実際に職務経験があったとしても、自分でうまくアピールができなければ意味がありません。
自分には何ができるのか、どのような力を発揮できるのかなどを明確に伝えましょう。
それが企業側に伝わらないと、あなたが「探している1ピース」であることに気がついてもらえません。
日本人の場合、主張することが苦手な人も多いです。ましてや母国語でない言葉で伝えるわけですから、日本での面接よりも準備に時間が必要となります。
募集している職種の内容などをしっかり把握し、自分ができることに落とし込んで他の人との違いをどう伝えるのか、細かく決めて話せるようにしておきましょう。
「とりあえずワーキングホリデーでオーストラリアに行って1~2年働けば、そのまま現地就職できるだろう」と考えている人も多いと思います。
結論から言うと、「ワーホリから現地就職は可能だが、誰でもできるほど簡単なことではない」と理解しておきましょう。
実は、日本人が「ワーホリ難民」「ワーホリ貧困」になっているというニュースも増えているんです。
理由は、以下の二つです。
日本語を活かした日本人相手の仕事や日本食レストランでならチャンスはあるでしょうが、そうでなければわざわざ日本人を採用するメリットはあまりありません。
「ワーキングホリデーで働いていた会社がスポンサー(雇用主)となり、ビジネスビザを取得できるケースがあるのでは?」と思う方もいるでしょう。
実際にそういうケースもあります。
しかし、そうなるためには、現地での人脈や勤務態度の良さ、英語力は欠かすことが出来ません。
「オーナーに気に入ってもらう」「仕事を紹介してもらえる人脈を築く」「英語力を身につける」ことが必要で、やはり簡単ではないと理解しておきましょう。
ワーキングホリデーに行くなら、以後現地でどのような仕事に繋げたいのかをしっかりと考えておくと良いでしょう。
オーストラリアで日本人が重宝される業種・職種や人手不足の職種などを紹介します。
日本人が就職しやすい業種・職種
専門職や技術職、日本語を活用する仕事、ビザの取得がしやすい仕事が日本人の就職しやすい職業です。
また、Web系や電気工事士、施工管理技士、US CPA(米国公認会計士)、日商簿記などの専門資格を持っている人は有利になります。
オーストラリアでは学歴よりも、経験や資格の有無を重視する傾向にあります。そのため、何らかの専門的な資格や技術を身につけていることが就職のチャンスを広げる一つの方法となります。
また業種に限らず、日本へのリテラシーが活かせる日系企業などの場合は、日本人を雇う理由は言わずもがなですので、比較的就職しやすい傾向にあります。
日本企業のオーストラリア支社で働きたいという人も多いはず。その場合、海外転職に強いエージェントを利用するのが近道です。
やみくもに求人情報を探してもなかなかいい企業には出会えません。
賢い人は「オーストラリア就職に強いエージェントサイト」を利用しています。
おすすめのサイトを2つ厳選しましたので紹介します。
海外転職に強いサイトではありますが、オーストラリアの求人はそもそも数が多くありません。できれば複数のサービスに同時登録しましょう。
おすすめは日系企業です。日本人であることが活かせて、かつ、現地の人よりも優先される理由が明確だからです。
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未経験からオーストラリア就職を目指すなら【リクルートエージェント】
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オーストラリアで就職するためには、就労ビザを取得する必要があります。しかし、失業率の高まりにより、2018年3月から「サブクラス457」と呼ばれる長期就労ビザが廃止され、新たなビザ「TSS(Temporary Skill Shortage)ビザ」が導入されました。
TSSビザは「2年まで」のものと「4年まで」のものの2種類があり、失業率の高いオーストラリア人の雇用を守る意味合いも持っています。
就労ビザを取得するためには2つのことが必要です。
最長2年の短期の場合はオーストラリア国内で1回だけビザ更新が可能、最長4年の場合は3年就労期間経過した後にオーストラリア国内で新しいビザと永住ビザの申請が可能になります。
できる限り最長4年のビザを取得できるよう、人材不足の業界を狙う、人脈をつくる、日系企業に就職するなどの手段を考えておきましょう。
求人市場もビザ取得の状況も刻一刻と変わっていきますから、常に状況をしっかり捉えて準備を進めてくださいね。
日本で就職をせず、大学卒業後にオーストラリア就職を目指すことはできるのでしょうか。
結論から言うと難しいでしょう。なぜならオーストラリアでは日本のように新卒一括採用の概念がないからです。
新卒でオーストラリアで就職したいなら、以下の3点をふまえて、大学在学中にできることをしておきましょう。
日本の大学に在籍していても、交換留学・休学し留学・短期留学などは可能。大学院への入学も。
海外就職では長期インターンシップが必須。新卒であっても職歴が重要
日本の新卒採用のように大学名重視ではなく、成績が重視されやすい
新卒からいきなりオーストラリア就職を目指すよりも、在学中から計画的に行動に移しておいた方が有利に進めていけることには違いありません。
大学卒業前後である場合は「インターンシップ」に参加しオーストラリア就職を目指す方法をおすすめします。
オーストラリアで新卒就職を目指すのであればインターンシップは必須だからです。
日本のように伸び代を見込んだ”ポテンシャル採用”ではなく、新卒であっても”即戦力”を求めています。そのため、長期間のインターンシップに参加し業務内容を知る、経験・スキルアップを図ることで採用に繋がる可能性が高まります。
また、オーストラリアではGrad Program(グラッドプログラム)という新卒対象の採用選考プログラムを設けている企業が300社程あります。
※Grad Program(グラッドプログラム)‥3月~4月中にエントリー
自分自身の価値を高めるためにもインターンシップやGrad Program(グラッドプログラム)に参加し、オーストラリア就職を叶えましょう。
インターンシップの募集先は自力でも探せますが、インターン斡旋サービスや人材紹介会社を利用してインターンシップの募集先を探すと良いでしょう。
現地のコネクションがないと就職が難しいオーストラリアでは、海外組はとても不利な状況となります。そこでぜひ利用したいのが、インターン斡旋会社です。
インターン制度を利用することで、実際にその仕事が自分とマッチしているのかがわかります。企業もインターンを利用してもらうことにより、ゆっくりと人選ができるメリットがあります。
インターン制度は、会社によって「期間中のお給料は発生しない」、また「斡旋費用が発生する」場合があります。事前に斡旋企業を調べておくことが必須です。
A. オーストラリアは一年を通して温暖な気候で過ごしやすいです。シドニーの場合、平均気温は18.2℃です。
A. アメリカやヨーロッパと比べれば治安は良いといえます。さまざまな人種の人が暮らすため差別もあまりありません。ただし、犯罪率の高い地域もあるため夜間の一人歩きは危険です。
A. 東部で+1時間、西部で-1時間、中部だと+0.5時間です。時差は少ないので日本の友人や家族とも連絡はとりやすいですよ。
A. はい。都市部では日本の食材を手に入れられるほか、日本食レストランもたくさんあります。
A. まず物価が高いです。日本で100円で売られているものが250円ほどの感覚です。家賃も高いといえます。また医療費も高く、メディケアという国民健康保険のようなものもありますが、目と歯の治療は対象外となります。ただその分年収も高いです。