【マンガ作:木村彩日香さん】
韓国で就職したい!そう考える日本人が増えています。
けれど、近いとはいってもやはり海外。文化の違いや働き方に対する考え方が違うのも当然です。
そして、実際に日本人が働ける仕事はあるでしょうか?
実際に働き始める前に、働くに当たって気をつけるべきこと、現地の暮らしや福利厚生など、詳しく確認しましょう。
韓国で働きたい!と強く希望する人には、どんな働き方があるのでしょうか。韓国で働きたい場合、大きく分けて2つの働き方があります。
一つは日本企業に転職し、韓国で駐在員として働く方法。もう一つは韓国企業で直接雇用され、正社員として働く方法です。
詳しくはどのように違うのでしょうか。
こちらの雇用形態は、雇用主が日本企業になります。
就職・転職活動は基本的には日本で行われ、給料や福利厚生、勤務形態などの各種雇用条件は日本の法律に基づいています。
雇用されてすぐに韓国に配属というわけにはいかない場合が多いと思われるので、すぐにでも韓国に行きたい!という方には不向きかもしれません。
韓国での勤務を望むなら、まずは韓国支社がある日本企業を探しましょう。
日本企業の韓国駐在員のメリット
日本企業の韓国駐在員のデメリット
こちらは雇用主が韓国企業となります。
そのため、基本的には就職・転職活動は韓国で行われることになるでしょう。また、給料・福利厚生・勤務形態などの雇用条件も、韓国の法律基準になります。
日本の常識は通じないと考えて、活動を行う必要があります。
そのため、こちらを希望する場合は、まず現地の文化や雇用条件などをしっかりと確認しておくべきです。
韓国企業で現地採用のメリット
韓国企業で現地採用のデメリット
もしも安定を求めるのであれば、日本企業で韓国駐在員を目指す方法をおすすめします。理由は、海外で仕事をする上では「話が違う」「騙された」「足元を見られた」というケースがどうしてもついてまわるからです。
「日本人はお人よしだ」というイメージもあるため、冒頭のマンガのようなことも起こりえます。しかし、日本企業であればその不安はありません。
さらに韓国は儒教の国なので、年功序列、男女格差などの風潮が強く根付いています。そんな文化の違いに戸惑う人も多くいます。日系企業であれば、現地駐在員でもそれらの風潮はさほど感じられずに済むでしょう。
もちろん、現地に行くからにはその土地の文化も楽しみの一つ!と割り切れる人は、現地採用に挑戦してみてください。
現在日本で仕事をしている人は、できれば今の仕事を辞める前に次の就職先を見つけたいですよね。
日本で韓国の転職先を見つけるには、転職サービスを利用すると有利になります。
ここでは、韓国や海外就職に強いおすすめのエージェントを紹介します。
ただし、登録後すぐに転職できるかというと難しいです。韓国の求人は常にあるわけではないからです。
そのため登録だけはしておき、いざ韓国向け求人が来たときにすぐに動けるようにしておきましょう!
年収アップしたいなら【ビズリーチ】
ビズリーチは企業やヘッドハンターからスカウトが届く転職サイトです。
人気の求人やおすすめの独占求人は会員だけに公開しています。
ハイクラス求人が多いため、現在の年収が500万円以上あり韓国で働きたいなら登録必須。韓国就職を得意とするヘッドハンターから好条件の求人を紹介してもらいましょう。
自分の市場価値の確認にも利用できます。登録後はレジュメ(職務経歴書)を必ず記載しましょう。
公式サイト | https://www.bizreach.jp/ |
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特徴 | 海外求人の中でも年収500万以上のハイクラス向けが多数 |
いま日本にいる人へのサービスが手厚い!【リクルートエージェント】
リクルートエージェントは、言わずと知れた業界大手の転職エージェント。
国内外に関わらず求人数の多さは大手ならでは!
海外就職に関していえば、特に現在日本に住んでいる人へのフォローが手厚いのが魅力です。
韓国企業の日本法人や、韓国語を活かせる仕事の求人も見つかりやすいため、「まずは日本国内の韓国関連企業に勤めてからステップアップしたい」という人にもおすすめ!
公式サイト | https://r-agent.jp/ |
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特徴 | 求人数が多い |
アジアへの就職ならおさえておきたい!【doda】
dodaは、業界屈指の求人数を誇る大手転職支援サービスです。
グローバル求人を扱うサービスは数多くありますが、中でもdodaは特にアジアの転職に強いという特徴があり、アジアで働きたい人に向けた「アジア転職相談デスク」を設置しています。
韓国をはじめアジアで働きたい人はスタッフと一対一で相談ができるので、情報収集のためだけでも使用する価値のあるエージェントです。
公式サイト | https://doda.jp/ |
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特徴 | アジアの就職・転職に強い。専門の相談デスクあり。 |
日本人は世界的に見て働きすぎだと言われています。
でも、実は韓国人も日本人に負けないくらい…むしろ、日本人以上に働いている国と言われているのを知っていますか?
韓国では残業・休日出勤当たり前で、年功序列の意識が根強いため、上司よりも先に帰らないという風潮が強くあります。
ただし、日本と違うのはサービス残業がなく、しっかりと残業代や休日出勤手当てがつくという点です。それにより、手取りが高くなるというメリットを受け入れているのです。
けれど、韓国でも働き方改革が行われ、少しずつ労働時間にも変化が現れ始めました。「週52時間勤務制」と呼ばれる法律改正がその一つです。
「週52時間勤務制」とは、一週間の労働時間を、残業時間も含め52時間までに制限するという制度です。2018年から段階的に施行されました。
そして2023年には、この「週52時間勤務制」も見直されるようになってきています。なぜなら、急速に施行された制度だったため対応できない企業があったことや、結局残業できず残業代を稼げない人が増え、収入が減ってしまうという問題があったからです。
このように韓国では、人々がより働きやすいように改革を進めている真っ最中です。制度の急な変更もありえるため、現地で仕事を探す場合には注意が必要です。
韓国の福利厚生はかなり手厚いものになっています。やはりこれも家族を大事にするという儒教の影響なのか、社内で行われるイベントが多いのも特徴のようです。
日本から見れば「こんなものまで!?」と驚くようなものも多くあります。
保険
各種手当ての一例
もちろん企業ごとの裁量や規模によっても様々な形態があるため、ここで挙げるものが全て正しいというわけではありません。
福利厚生にこだわるのであれば、より大きな企業を狙うべきですが、競争率は日本の大企業と比較できないほど激しくなっています。
若い世代は一流大学を出ていなければ、大企業で採用されるのは不可能とも言われています。
そして大企業=財閥系企業とかなり狭い範囲に限られていて、大企業と中小企業との待遇格差も問題になっています。
日本とは違って、新卒の採用基準もポテンシャル採用ではなく、中途採用同様に実力主義となっているため、いかに周囲と差をつけるかということに韓国の学生は日々の努力を費やしているのです。
韓国の一流企業で働きたいと思ったら、そんな人たちと競争していくのだということを認識しておきましょう。
学歴社会の韓国では、資格と語学力を採用基準として重要視している企業が多いようです。
日本人にしてみれば、日本語に韓国語を習得しているだけで武器になるだろうと考えがちかもしれません。しかし韓国企業で働くのであれば、韓国語がネイティブレベルにできて当たり前です。
更に日本語は日本人相手にしか通用しない言語であり、外国人対応必須の求人であれば、英語も必須スキルと考えられてしまいます。
事実、韓国の財閥系企業は軒並み欧米との取引がある企業ばかりです。中小企業であれば、そこまでの語学力がなくても平気かもしれませんが、収入格差が大きく、生活するのがやっとという声もあります。
ソウルの物価は現在かなり上がっていて、中小企業の収入では生活が苦しいとも言われています。夢ばかりでなく、一度しっかり現実を見て考えてみる必要があるでしょう。
ただでさえ就職難の韓国では、外国人が優先的に採用されることは難しいでしょう。
韓国で仕事を探すなら、自分の希望ばかりが通るほど甘くはないと考えるべきです。
そのため、一番の近道であり安全策はやはり、日本で韓国駐在のできる会社を探し採用されることです。
ですが、もし「韓国で働くことが目的で、仕事の内容は問わない!」と思い切れるのであれば、日本語ができることは武器になります。
韓国で日本人でも採用されやすい職種は、下記のようなものがあります。
基本的に、日本人を相手にすることが多い職業は需要があります。
韓国では美容サービスの需要が多く、現地の人だけでなく海外からの旅行客にも人気のサービスです。また日本人特有のきめ細やかなサービスも海外では評価が高いので、日本人の転職先としては人気の職種です。
韓国の芸能事務所への就職は、かなりの狭き門です。韓国のエンターテインメント業界は日本のみならず世界でも注目を集めているためです。
たくさんのK-popアイドルが世界中で人気になっていることを考えても、芸能事務所ではグローバルなサポートができる人材が望まれているはずです。
日本人が韓国の芸能事務所に就職するために必要なものは以下の2つです。
まずは語学が必要です。韓国語は日常会話レベル~ネイティブ(企業によって求めるレベルが異なります)であること、それに加えて企業によっては世界への進出も見据えて、英語や中国語を求められることもあります。
そして、K-popアイドルの近くで働きたいと思う人は多いため、即戦力として働ける経験や専門知識を持っていなければなりません。
マネージャー以外の職種で考えれば、会計、秘書、マーケティング、映像編集、振り付け、音響などの専門知識を持っていると就職できる可能性が広がります。
芸能事務所も会社としてきちんと運営をしていくことが必要ですから、会計などの管理部門系や社長・重役のスケジュールを管理や取引先とのやり取りを円滑にしてくれる秘書業務、日本や世界への進出を実現するためのマーケティングなどの能力が求められています。
また、パフォーマンスに直接関わる映像編集や振り付け師、音響関連の知識や経験を持っている場合は欠員や事務所規模の拡大などで募集される可能性もあります。
日本人は特に日本への進出をサポートする役目に起用されることが多いでしょうから、日本のエンタメ業界にいた、あるいは取引先として関わっていたなどの経験があると、有利になる可能性があります。
芸能事務所への就職を目指すのであれば、各事務所ごとの特徴や求める人物像を明確にとらえておくことが重要です。人物重視・経験重視、所属タレントの世界進出などの可能性によって求められる能力が変わってくるため、各事務所に照準を合わせて対策しておくことをおすすめします。
2024年現在、韓国は不景気を迎えています。2023年1月の時点で失業者数が100万人を超え、特に20代後半の失業率が大きく上昇しました。
これまでも大卒で正規社員として就職できず、アルバイトなどで生計を立てている人が多かったのが、コロナショックでさらに増加した模様です。
また失業率では正しい現状を把握できないとして、韓国政府は、潜在的な失業者(家が自営業をやっているため働いているが給料はもらっていない人、仕事を探していない人)や不完全就業者(週に18時間未満しか働いていない人)などを含めた、『拡張失業率』という数値を出すようになりました。
2020年6月時点の拡張失業率は15~29歳が26.8%。2022年には19.7%と前年に比べると上昇したものの、依然として一般的な失業率を2倍以上も上まる数値で、若者に厳しい社会構造であることがわかります。
大卒であっても、一流企業に勤めることができるのは、ソウル大学やコリョ大学、ヨンセ大学といった一部の一流大学を出た人のみです。それ以外に優秀な大学を出ている人は、ホワイトカラーの仕事や納得できるような仕事には就けていないのが現状です。
参照:朝鮮日報日本語版『韓国の失業者数、1年ぶりに100万人超え…20代の失業率だけ上昇』
A.あります。日本と同様に夏は蒸し暑く梅雨もありますが、秋冬は乾燥した空気になります。
首都のソウルは、福島あたりと同じくらいの緯度のため冬はマイナス10度になることも。夏には30度を超えることもあるので、寒暖差が非常にある都市だといえるでしょう。
釜山は真冬でもマイナス2度くらいでソウルほどは冷え込みません。夏は29度程度と暑いですが、東京ほどではないでしょう。
A.ソウルの人口密度は東京の3倍です。韓国の全体人口は約5100万人で、ソウルは約1000万人です。国の1/5ほどの人口が集中していることがわかります。
ソウルなどの首都圏に人口が集中しているため、それ以外の土地には森林や農地が残されています。
平均年収は日本とあまり変わらなくなってきたといわれていますが、大企業の平均年収で580万円程度です。
上位と下位で比べると400万円以上の年収差があるといわれていますので、かなり格差が生まれていることがわかります。
A.食費や医療費・水道光熱費、通信費などは日本とほとんど変わりません(水道代は安いが寒暖差が激しいため電気代の消費で同程度)。しかし、首都圏に賃貸で暮らすことを考えると、家賃や保証金が非常に高いため、生活費を圧迫するでしょう。
日本人が住んでいるエリアの場合、間取りは2LDK~3LDKなどが多く、そのため家賃が高めです。月に18万円~30万円程度でしょう。ただ、場所を選べば家賃10万円しない程度で2DKの部屋が借りられることもあります。
月々の家賃以外に、韓国では最初に「保証金」としてまとまった金額を支払う必要があります。この保証金が日本人にとっては驚くほど高く、180万~300万円程度です。
それ以外に、月々支払わなくてもいいけれども数千万円のお金を支払って住み、その保証金は家主から返してもらえるという形式の契約方法もあります。
憧れだけで簡単に踏み切る前に、一度しっかりと韓国の現状に目を向けてみてください。
韓国では日本製品の不買運動が起こったり、反日感情を煽るような報道が出ることもあります。
韓国国内では就職難が起こっていて、韓国人ですら仕事に就けずに悩んでいる人も多くいます。
儒教の考えが根強く、日本とは比べ物にならないくらい縦社会が厳しいため、会社によってはパワハラやセクハラもあるといわれています。
きっと自分ひとりで転職を行うのは、かなり過酷を極める状況であると言わざるを得ません。難しい転職こそ、転職エージェントといったプロの手を借りてみることをおすすめします。
現状をしっかり理解した上で、それでも韓国で働きたい!という意志がある方は、ぜひ転職エージェントを頼ってみてはいかがでしょうか。