どのような事情でも、就学・就労・職業訓練のいずれも行っていない人のことを指す言葉が「ニート」です。
新型コロナウイルスの影響で無職になり、そのままニートになってしまう人も増えています。内閣府が毎年行っている調査でも2020年は、15~24歳のニートが前年よりも13万人増加しており、過去20年の調査でも一番の増加率を記録しています。
そんなニートは、このまま無職を続けるとどのような末路を迎えてしまうのでしょうか?
年代別ニートの現実と、取り返しのつかなくなってしまったニート、引きこもりの末路について解説していきます。
ニートを続けていくことで悲惨な末路となってしまうことも十分考えられます。
そうならないためにも早め早めに行動を起こしニートから脱出すべきなのですが、そもそものきっかけとしてなぜニートになってしまったのでしょうか?
ニートになってしまったきっかけについて探っていきたいと思います。
ニートになった理由には様々なものがありますが、共通して言えることは『失敗→自信を無くす』『自分はダメな人間だと思い込む』マイナス思考であることです。
誰にでも失敗した経験は一つや二つ‥いや、それ以上あるはずです。
しかし、そこから「次は頑張ろう!」「なんとかなる!」「人生これだけじゃない」「他にも楽しいことはある」などポジティブに思考を転換させることができれば自分の殻に閉じこもることなく、次へと進んでいけるのであろうと思います。
上手く気持ちを切り替えることが出来なかったため、社会から逃げ自宅に引きこもったり、仕事もせずにだらだらと生活を送ることとなってしまったのではないでしょうか。
長年抱え込んでいたものを解決していくことには大きな労力を必要としますが、転職エージェントなど就職を支援してくれるサービスではただ仕事を紹介してくれるだけでなく、相談にも乗ってくれるので人と話し悩みを打ち明けていくことで少しずつでも抱えているものを軽くしていってはどうでしょうか。
何気ない言葉でもこれからを変えてくれるきっかけになるかもしれません。
世間体もあり、とりあえず新卒で就職をしてみたもののやっぱり長く続かず…入社時にギャップが生じ様々なストレスを抱えたままニートとなってしまった20代。
20代でニートなんて周りには沢山いるし、好きなことを見つける為に転職活動するのは、まだ後でいいかなと気持ちに余裕があるのではないでしょうか。
特に20代前半は、友人が働き始めたばかり。スタートラインに過ぎないと感じているのでは?
この時期は、社会人の中では正直辛い下積み期間です。学生時代との生活・意識の差に苦しみ、キャリアを積み重ねていく最初の段階です。
ここの経験があるかないかで社会人同級生の間に、大きなキャリアの差が生まれいくのです。
まだ大丈夫と安易な考えを持っていてはいつまでも気づくことができずに時間が経ってしまうのです。
20代前半までは「特にやりたいことがないのに働く意味がわからない」と、久々に再開した友人に大声で持論を語れていたと思います。
しかし、20代後半ともなると立場は一変してしまいます。
同窓会の席で話題に上がる仕事の話は、愚痴ばかりではなく、大きな仕事を任せてもらえた、昇給した、昇進したという話も徐々に出るようになります。
更に、20代後半ともなると精神的にも金銭的にも安定し、自分の家庭を持つ方も増えてきます。
楽しいはずの友人との交流の場も、その場に同席するのですら徐々にバツが悪くなってしまいます。
あちらから誘われることもなくなり、徐々に疎遠になっていってしまうでしょう。
20代後半が人生を変えるラストチャンスとも言われるくらいです。20代ならニート・職歴なしでも仕事を豊富に選ぶことができるので、ここで一歩勇気を出すことで人生は大きく変わります。
1度は社会人として頑張ってはいたが、精神的に病んでしまい引きこもりになってしまった。
だらだらとニート生活を続けているうちに気がつけば30代になってしまった。
同じニートというくくりでも、その理由は様々、悩みも深刻化してくるのが30代ニートです。
結婚をして家庭を持つ人が多くなる30代ですが、定職に就かずニート生活をしていては結婚を考えることもなく、結婚をしたいと思える人がいても現実的に結婚することは難しいと思います。
また、独身者・既婚者ともに家族と同居している場合は家庭内で居心地が悪く感じることもあるでしょう。
『働かない夫』『家に引きこもる息子』男性に限らず女性でも『結婚も仕事もしない娘』と言ったように、家族から煙たがられたり、不安な気持ちにさせたり、心配を掛けてしまいます。
かつての同級生たちは、家庭を持ち、仕事も充実し、自分で稼いだお金で趣味に没頭しています。
世間体を気にする引きこもりニートは馬鹿にされるどころか、話題にすら挙がることもなくなり完全に孤立してしまいます。
家庭内、友人間共に居場所がなくなり、常に将来や現在に対する不安がつきまとうでしょう。
30代はこれまでまじめにキャリアを積み重ねてきたという人でさえ、転職が難しくなってしまう年齢です。
30代ニートになってしまうと、就職するのは20代に比べて難しくなってしまいます。
何年も引きこもりをしてきたという方は、今更社会に出るという恐怖から、アルバイトであってもなかなか自分で働くということが難しくなってしまいます。
たとえ、社会復帰を目指して重い腰を上げたとしても、就職相談所に駆け込んでも経歴を見て突っ返されてしまったり、何十社と応募しても書類選考すら通らないという現実を突きつけられて心が折れてしまうでしょう。
金銭面・生活面での援助をしてくれているであろう両親も徐々に年齢を重ね、将来に対する不安を常に抱える毎日を過ごすことになります。
40代にもなると今まで頼り切ってきた両親も定年を迎え、世帯としての収入が激減。
ニートの子供を世話していくほどの余力がなくなってきます。
やっと重い腰を上げて就職しようと思ってももう手遅れ。
働きたいと思っても”職歴なし” ”ニート歴○○年”の40代を採用したいと思う企業は殆どないでしょう。
結婚できる・出来ない、同級生との格差などを気にしている場合ではなくなってしまいます。
生活保護を受けようと思い手続きを取っても、ニートに支払われる保護金はありません。
最近は、生活保護の不正受給が問題となったこともあり、年々審査が厳しくなっています。
働く能力はあるのに実行に移せていないだけのニートは、生活保護を受給することもできず、家事も満足にこなすこともできず、金銭面・生活面共に苦労することになります。
両親が歳をとり今まで通り養ってもらえない、生活保護を受けることもできない、働こうとしても働かせてくれる所などない、そうなって初めてニートとして生活してきたことを悔いることになります。
抱えてきた不安が現実となり、今までのような生活はできなくなるでしょう。
20代、30代で頑張れなかったツケが回ってきたんだ、自分たちの生活だけでも手いっぱいだと、当然周りの人たちは助けてくれません。
今まで一生懸命養ってくれた両親にも苦労をさせる羽目になってしまいます。
働かず親の年金に頼って生活していく。
年金をやりくりして家族で生活をしていくため、生活苦に陥る場合も。
両親が亡くなってしまった場合どうにもならなくなる。
生活保護は働くことができず生活に困窮した人が受ける制度であるため、単に働きたくないから、仕事が見つからないからでは受給することは出来ません。
受給できたとしても世間の目が厳しかったり、様々な制限もあるため安易に「生活保護を受ければいいや‥」と考えているくらいであれば真剣に仕事を探してみるべきです。
生活保護も受けられない。両親が亡くなり家にも住めなくなった。他に頼れる人もいない。
ホームレスも考え方によっては自由に生きていけるのかもしれませんが、あなたが本当に望んでいたことでしょうか?
何もする気が起きない。定職にも就かず社会的信用もない。働こうと思った時には仕事が見つからない。
自分だけ社会から取り残されたような感覚になり、精神的に不安定になってしまう。
お金がなく、生活に困窮していることから犯罪を犯してしまうことも少なくはありません。
両親の年金を頼りにしていた子供が、両親が亡くなった後も届けを出さず年金を不正受給し逮捕されたニュースや両親にお金を無心し断られ暴力を振るったり、殺めてしまった事件も世の中にはいくらでもあります。
若い頃に思い描いていたような明るい未来は待っているのでしょうか?
いま変わらなければ寂しい人生の最期を迎えてしまうかもしれません。
「働きたくても働けない」と言うと病気や怪我を思い浮かべますが、病気や怪我以外でも「働きたくても働けない」理由はあります。
内閣府「平成30年版 子供・若者白書」では、就業希望の若年無業者が求職活動をしていない理由として20代・30代ともに「知識・能力に自信がない」「探したが見つからなかった」「希望する仕事がありそうにない」との回答が多くありました。(※病気・怪我、資格取得のための勉強を除く。)
また、その他の理由として多いのが「社会復帰が怖い」「働くのが怖い」「一歩が踏み出せない」ことです。
ニート歴が長ければ長い程これらの感情を抱くケースが多く見られます。
対策としては、
自分が出来そうだと思えることから少しずつでも行動に移してみてはどうでしょうか?
後々「あの時にこうしておけば良かった」と後悔するくらいなら、まだチャンスが残されている今頑張ってみることで状況が一変するかもしれません。
女性ニート最大の特徴は、いざとなったら家庭に入ろうという気持ちがある事です。
実家暮らしニートであっても、家事を手伝っているから自分は無職だけどニートとはまた違うんだと思っていたりします。
ですから、尚更たちが悪いのです。
自分は家事をこなして働いている親を支えている存在だ、働いていると出会いがないから将来主婦になるためにも無職で婚活期間を設けているんだと自分を正当化してしまっている人が多くいます。
20代のうちは若い女性ということで重宝されるため、職歴が無くても事務職や受付など働き先は見つかります。
しかし、30・40代となると状況は一変してしまいます。
キャリアがあるわけでもなく、若くもない女性を必要としてくれる企業はありません。
結婚相手という面でも同様です。
仕事を頑張ってきたわけでもなく、若さもなく、親に甘えているだけの女性と結婚したいという男性はいるでしょうか?
結婚して主婦になればいいと考えていた計画が崩れてしまったころには、もうすでに後の祭り。
自分ひとりを養っていくだけの働き先を見つけることもできず、養ってくれる人を見つけることもできず、孤独に金銭的な苦労をしていく羽目になります。
日本では15~34歳までを「ニート=若年無業者」と呼称していますが、35歳以上の中高年ニートも多くなってきています。
内閣府「令和4年版 子供・若者白書」によると15~39歳の若年無業者数は令和3年で75万人とされています。
昨対比で12万人減少しています。失業していた若者が徐々に仕事に復帰していったと見られます。
令和3年は新型コロナウイルスによる休業や職を失った人が多く記録に残っている中では最大の人数となっていました。新型コロナウイルスの流行により、ニートの失業率が大きく左右されることがわかります。
ニートの定義である34歳までとすると58万人となりますが、年齢が上がるにつれてニートの人数が増えていく傾向になっている点が一つのポイントです。
若いうちは就職や再就職がしやすい反面、30歳を過ぎ35歳を過ぎた頃には就職をしたくても思うように進まず、ずるずるとニート生活を続けてしまっている人が多いことを物語っているのではないでしょうか。
現在ニートとして生活している人達は40代・50代になっても同じ生活を続けますか?
このままでは悲惨な末路が待っているかもしれません。
ニートでいることに少しでも不安を感じているのであれば、手遅れとなる前に就職することを考えてみましょう。
誰でも新しいことへのチャレンジや環境の変化には不安を感じるものです。
でも勇気を持って一歩を踏み出すことで自分のこれからを良くも悪くも変えていけます。
ニート生活を続けて悲惨な末路となってしまうのか、就職を目指し悲惨な末路とならないように回避していくのか。
状況を変えられるのはあなた自身です。