「ニート・引きこもりを脱出するのに、ただ就職活動してもどこも雇ってくれないだろうから、とりあえず資格取得から始めよう。」そう考えている人は少なくはないはずです。
しかし、安易に「資格を取得すればニートでも就職に有利だ」と思ってはいけません。逆に、資格がなくてもニートは就職できます。
ここでは、なぜニートの資格取得が無駄になるのか、ニートが就職するために大切なことについて解説していきます!
現在ニートであるのなら就職のための資格取得は目指すべきではありません。その理由を説明します。
ニートにとって資格取得がなぜ無意味なのかというと、資格を必要としない求人の方が多いからです。
これについては、転職・求人サイトのdodaが調査結果をまとめています。
調査によると、全体の求人のうち、資格が必須の求人は15%。資格があると有利になる求人は8%でした。合わせると求人の77%は資格が不要ということになります。
多くの求人で採用条件において資格の有無は関係が無いのです。
ニートにとって資格取得がなぜ無意味なのか、二つ目の理由は、資格取得に時間と労力がかかるからです。
たとえば、「就職するのにおすすめの資格」を調べると良く出てくるのは以下のような資格です。
このような資格は「手に職」と言われ、たしかに安定した職業に就くことができます。しかし、どれも多くの勉強時間が必要で、ストイックにコツコツ学習しないと取得できないものばかりです。資格の学校に通う人も多く、お金がかかります。
ニートの自分がそこまでのお金をかけて、コツコツ勉強ができるかどうか、考えてみてください。
最初はやる気があっても、だんだん面倒になるかもしれません。資格取得どころかニートを脱出するモチベーションすら無くなってしまうかもしれないのです。
それどころか、「資格の勉強をしているから」というもっともな理由を逃げ道にして、ニートを続けることにもなりかねません。就職活動をしたくないからといって、資格取得に逃げるのはやめましょう。
資格が必須な求人は少ないうえ、ストイックな勉強が続けられない人には、資格取得は無駄になります。
では、ニートは何をすべきなのでしょうか。
ニートに一番大切なのは「実務経験を積むこと」です。資格は、それにともなう「実務経験」があってこそ大きな武器となるのです。
資格取得に費やす時間は、その分、ニート期間(ブランク期間)を長くすることになってしまいます。それより少しでも早く就職をして、仕事の経験を積んでいくことの方が大切です。
ニートにとって実務経験を積むということは、つまり就職するということです。ニートに資格は必要ないので、資格なしでもニートは就職できるということになります。
とはいえ、それでも「なかなか就職できないからニートを続けてるんだよ!」という人もいるでしょう。
そういう人は、駅に無料で置かれている求人情報誌や、広告でよく見る求職サイトから情報を仕入れていませんか?もしそうだとしたら、一旦それはやめましょう。
ニートには「ニート専用の就職支援サービス」があります。
この求人はブラックなのかホワイトなのか?面接でのアピール方法は?そもそも就職活動って何からしたらいいの?を解決してくれるのが、ニート専用の就職支援サービスです。
ニート専用のサービスの中から、自分が利用すべきサービスを見つけてください。そして本当に就職が難しくなる前に手を打ちましょう。
もしあなたが「自分は資格の勉強をコツコツ続ける自信がある!」と思ったなら、それは素晴らしいことです。そのときは、ぜひ無駄にならない資格の取得を目指してください。
ここではニートの人向けに、「就職してから目指してもOKな資格」と「就職前に取得するとプラスになる資格」を紹介します。
以下の資格は、やる気があれば就職してからでも十分に目指すことができます。資格を取得してから就職活動ではなく、キャリアアップという形で取得するというのが望ましいでしょう。
語学力を求める企業は多く、幅広く評価されやすい資格。スコアは600~700点台が理想。
経理や財務関係の仕事で役立つ。最低でも2級の取得が理想であり、公認会計士や税理士を目指すのであれば1級の取得を目標とするといいでしょう。
不動産取引の専門家である宅地建物取引士は建築・金融・不動産業界への就職・転職に役立つ。キャリアアップや独立を目指しやすい。
企業の経営に関わる知識やスキルを幅広く身につけられる資格。高いビジネススキルが武器になる。
節約、税金、投資、住宅ローン、不動産、教育、老後、相続‥などお金に関するエキスパート。金融・不動産業界でも活かせる資格。
就職活動前のニートにおすすめしたいのは、技術職と言われる資格です。中でも以下の3つは、この資格がないと仕事ができません。
危険物を取り扱うのに必要な国家資格。大きく分けて「甲種(第1類から第6類の全ての危険物を扱える)」「乙種(試験に合格した類の危険物を扱える)」「丙種(指定された危険物のみ扱える)」の3種類があり、石油メーカー、化学メーカー、タンクローリーの運転手、消防士などの仕事で活かせる。
高圧受変電設備や電気設備を保守・管理する仕事。電験一種、電験二種、電験三種と3種類の資格があり、扱える電圧の大きさにより保守・管理できる範囲が異なる。
最大電力500キロワット未満の電気工事作業に従事する仕事。第一種、第二種の2種類があり工事可能な範囲が異なる。
就職を有利にするための資格取得は、ニートにとっては無意味どころか、むしろマイナス面の方が大きくなってしまいます。
資格勉強でニート期間を延ばすより、就職活動をした方が賢明です。
やみくもに資格勉強を始めず、自分と向き合うことをまずはしてみましょう。