内閣府が発表している「令和4年版 子供・若者白書」によると、15~39歳の若年無業者数は令和3年で75万人。15~39歳人口に占める割合は2.3%であったそうです。
前年は下回っているものの、ここ15年間の若年無業者数はほぼ横ばいとなっています。
ニートが珍しくない現代ですが、当然いつまでも無収入生活を続けることはできません。
ニートの人たちはどのように収入を得るべきなのでしょうか?
ニートはフリーターや失業者とも混同されやすいのですが、フリーターはアルバイトやパートなどで不安定ながらも生計を立てていること、失業者は求職活動をしていることが就業意思を見せないニートと異なります。
就業意思がないとは言え、ずっと働かずにいては金銭的な不安が出てくるはずです。
「定職に就かず稼げれば‥」そんなことを考えているニートも多いのでは?
実際に定職に就かないニートであっても、何らかの方法で収入を得ている”ネオニート”という言葉も生まれています。
ネオニートに明確な定義はありませんが、親や同世代と比較して彼らと同等もしくはそれ以上の収入がある事が前提とされています。
誰でもネオニートとして一定の収入を得ながら生活していくことは可能なのでしょうか?
ここでは、ネオニートの収入源を探っていくとともに『ニートが収入を得る方法』や『ニートでも一人暮らしは可能か?』などなど‥ニートのこれからを変えていけるかもしれない有益な情報を紹介していきたいと思います。
ニートが定職に就かずとも収入を得る方法として考えられるものを幾つか挙げていきたいと思います。
不動産を相続・所有している場合、賃貸料として収入を得ることが出来ます。元々、不動産を所有していなくても激安物件を購入し不動産投資で成功している人も。
しかし、どちらにしても元手が必要であるため簡単に始められる訳ではなく誰でも成功するとは限りません。
外国為替証拠金取引(FX)や株のトレーダーとして収入を得る方法です。中には普通の会社員以上の収入を得ているネオニートも居ます。
FXは短時間で利益を得やすい反面、短時間で大きな損失となるハイリスク・ハイリターンな取引であること。株式はそれなりの元手が必要であることなど、知識や元手がないままでは誰でも簡単に始められるほど甘くはありません。
自宅に居ながら‥という訳にはいきませんが、あらかじめ派遣会社に登録をしておき、働きたい日時・現場で都合に合わせて働く方法です。
イベント運営・設営、倉庫内作業、工場内ライン作業、引っ越しなど様々な仕事があります。中には日給1万円以上の仕事もあり働き方次第では会社員同等の給料を貰うことも可能です。ニートというよりもフリーターに近い働き方です。
新しい薬の承認を厚生労働省から受けるために安全性や有効性を確認するために行う臨床試験のことを「治験」といい、その臨床試験に自らの意思で参加する人を治験ボランティアといいます。
治験内容によって協力費の金額が異なりますが、比較的短期間で高額の協力費をもらえることがメリットです。
ネオニートの多くは自宅でインターネットを活用し収入を得ています。インターネットを利用し稼ぐ方法はいくつもあるので、次の項で詳しく説明します。
やはり、長期的な視線で考えた時に元手も必要なく一番安定した収入を得られる方法は就職をすることです。社会に出て揉まれることもこれからの人生に於いて大事なことです。
収入を得るためのポイント
自分の適性にあっているか
どのくらい稼ぎたいのか
収入に見合った仕事量か
自分の好きな時に好きなペースで働くことができるものが多い反面、稼げるようになるまでに時間がかかったり、報酬が低かったりするので、それなりの作業量をこなさないと稼げないものも多いです。
ただ、何事もやってみないとわからないので、この機会にチャレンジしてみるのもいいでしょう。
インターネットを活用し収入を得ているネオニートは具体的にどのようなことをしているのでしょうか?
主な収入源を紹介します。
自宅にある不要品をフリマサイトやオークションサイトに出品をし売れることで収入を得ることが出来ます。
すぐにでも始められ、特に難しい知識も必要ないので誰でも利用しやすい方法ですが、不要品を売っているだけでは安定した収入を出し続けることは難しいため、売れそうな商品を安く仕入れ転売をする”せどり”を行い利益を上げていく方法をとっていく必要が出てくるでしょう。
ポイントサイトに登録をして、アンケートに回答する、バナー広告をクリックする、記載されたURLをクリックする、ポイントサイト経由でショッピングをする‥などコツコツとポイントを貯めていき、現金やギフトカードなどと交換する方法です。
一つ一つの報酬額は決して大きくないので、ポイントサイトだけで生活をしていけるほど稼ぐのは難しいでしょう。年単位で貯めていけばお小遣い程度にはなるはずです。
ホームページやブログを開設して、「クリック保証型広告」の設置や「アフィリエイト」から収益を得る方法です。
「クリック保証型広告」はブログに貼り付けた広告をクリックされるだけで報酬を得られ、「アフィリエイト」は紹介した商品の購入やサービスの利用をブログ経由でしてもらうことで報酬を得ることが出来ます。
ブログを開設すること、記事を書くことでの手間や初期費用が掛かってしまうことや、すぐに収入に結びつきづらい点がデメリットとなり得ますが、人気ブログとなれば月に数万円から数十万円も可能です。
子供の将来なりたい職業ランキングでも上位となっているYoutuber。人気Youtuberともなると月収数百万円、年収にして1億円近くとも言われています。
自分の好きなことをして動画をアップするだけでそんなに稼げるなら‥とYoutuberを目指す人も多いと思いますが、数百万円も稼いでいるのはごく一部の人だけ。Youtubeは参入者が増えたため収入に繋がる広告料が下がってきています。
現在は1回の動画再生で0.06円程と言われ、100万回の再生で6万円。100万回再生される動画をアップするのは人気Youtuberでもなければ難しいでしょう。
在宅でライティングやデータ入力、翻訳、Webデザイン、サイト運営、各種代行業務などの仕事を受注し収入を得る方法です。有名なクラウドソーシングサービスとして「クラウドワークス」や「ランサーズ」などがあります。
月に10万円以上稼いでいる人も居ますが、高額を稼ぐためにはそれなりのスキルを必要とする場合も多く初めは低単価での作業となり、2~3万円稼げれば良い方です。
その分野の勉強をして稼ぐための仕組みを知る
ここで紹介したものは初心者でも簡単に始められるものから、ある程度の時間と労力を要するものとありますが、どちらにも共通して言えることは必要最低限のパソコンスキルやIT知識があった方が良いということ、月に数十万円を稼ぐにはその分野についての勉強をして稼ぐための仕組みを知ることが大切であるということです。
楽をして簡単に稼げる方法は滅多にありません。
ネオニートとして成功している人はいきなり成功した訳ではなく、そうなるまでに時間を掛け努力をした人であることを忘れてはいけません。
安定した収入のないニートは実家で生活している人が多いと思いますが、収入のあるネオニートであれば一人暮らしは可能なのでしょうか?
家賃や食費の掛からない実家暮らしは快適のようですが「早く働け!」と両親からの小言やプレッシャー、何もしていないことへの罪悪感から一人暮らしをしたいと思っている人も多いことでしょう。
一人暮らしに掛かる生活費
そして、家賃は手取り月収の3分の1程度が理想であると言われているので、仮に月収10万円の場合は3万円程度、月収20万円で6万円程になります。
ここに出した金額は目安ですが家賃以外でも8万円程度が必要となっており、生活費にプラスして税金(国民健康保険・国民年金など)も払っていくとなると最低でも月収20万円ほどの収入が必要と考えられます。
また、賃貸契約を結ぶときの入居審査ではいくら収入があってもニートであり無職の場合は入居審査に通ることが難しく、連帯保証人を立てたり、両親のどちらかを契約者とすることも。
収入があっても現実的に考えるとニートの一人暮らしは困難であることには違いありません。
ニートでもネオニートでも社会的に見れば無職であることに変わりなく、安定性がないため社会的信用や結婚の了解を得られにくい、年金や保険・税金の手続きを自分でしっかりと行っておかないと後で困ることになる、若いうちはなんとかなっても年を取った時にどうにもならなくな…など、近い将来から老後までを見越した時に不安が大きくなってきませんか?
親に依存しているニートは「親が死んだら生活保護を受ける」と言っている方も多く、社会問題とともに日本経済停滞の原因のひとつともなっています。
はたして、ニートは生活保護を受けることができるのでしょうか?
実際、病気などの場合を除いて働く意思がない人は生活保護を受ける条件を満たしていないと判断されるようです。
実際に厚生労働省は、資産の活用、能力の活用、扶養義務者の活用、を生活保護の要件と定めています。
預金や土地などの資産を利用し、親族からの援助を受けることもできず、病気などで働くことができないと判断されて初めて受給できる保護金なのです。
対して交流もないのに親戚に相談してみてくださいと突っ返されたり、資金に変える手立てもないのに土地や持ち家があるという理由で受給できない可能性の方が高いのです。
生活保護の不正受給が問題となっているため、年々受給の審査が厳しくなっているのが現状です。
参照:厚生労働省『生活保護制度』
ニートが収入を得る方法や一人暮らしが出来るのか?などを見ていただくと分かるように、定職に就かず大金を稼ぐにはそれなりの努力や能力・時間が必要であり、少しずつの収入を得ることが出来ても将来性を考えると不安しか残らないこととなります。
安定した収入だけでなく社会的信用を得て、安心して生活できる将来のためにも”就職”することを真剣に考えてみてはいかがでしょうか?
同年代で社会人としての経験を持つ人に比べるとニートからの就職は困難な道のりと思うかもしれませんが、年齢が若ければ若いほど就職できるチャンスはまだまだあるので、今からでも遅くはありません!早めに行動に移してみましょう。
パソコンの知識やスキルがある人はもちろんのこと、全くの未経験であっても独学やスクールに通ってプログラミングの基礎を学んでおくだけでも違います。
エンジニアに限らずIT業界は人手不足と言われていて、未経験からでも採用してくれる企業も多くあります。
経験や技術を身につけゆくゆくはフリーランスとして在宅勤務も可能な職種です。エンジニアの他には、プログラマーやWebデザイナーもフリーランスとして活躍している人が多く居ます。
人と関わりたくない、なるべく一人で仕事をしたいと思うのであればルート配送などのドライバー職がおすすめです。
配送先では多少のコミュニケーションが必要ですが、他の仕事に比べ一人の時間が多くコミュニケーションを取ることも少ない仕事です。
飲食店は離職率が高い職種であるため、常に人手不足となっている店も多くあります。
そのため未経験でも採用される確率が高く、地道に働き経験を積んでいけばいずれは店長を任されるチャンスも。
接客が苦手であれば調理スタッフとして裏方で働くことも可能です。
人手不足が問題となっている介護職も積極的に人材を採用しているため、職歴なしからでも働きやすい環境が整っているだけでなく、正社員として働けるチャンスもあります。
介護職は働きながら資格取得を目指すことも可能なのでスキルアップ・キャリアアップを狙える仕事であり、人の役に立つ仕事のためやりがいを感じることもできます。
未経験からでも仕事を始めやすく、コミュニケーションを取ることが苦手な人でも一人で黙々と作業できる工場勤務もおすすめです。
技術を磨いていくことで手に職を付けられ、夜勤がある大手企業の工場勤務なら給料にも期待できます。また、寮が完備された工場もあるので一人暮らしが叶うことも。
ポイント
人との関わりが少ない仕事
未経験からでも採用されやすい仕事(経験・スキルなしOK)
働きながらスキルアップを目指せる仕事
少しでも将来に不安を感じているのであれば、ニート生活を脱出して就職への第一歩を踏み出してみましょう!ネオニートを目指すよりも、将来性を考えれば就職が一番安定しています。
ニート脱出が必ずしもスーツを着て電車に乗って働きに行くというわけではありません。今では、在宅ワークの需要も増えていることで働き方の選択肢は増えているのではないでしょうか。
正社員として働くことが理想かもしれませんが、初めは契約社員や派遣社員として働きスキルを身につけ、ゆくゆくは正社員となれるような選択肢も頭に入れておいてもいいのではないでしょうか。
様々な可能性を広げるためにも、まずは行動に移してみましょう。1年後、2年後には将来の不安を感じることなく社会人として活躍出来ているかもしれません。